NHKさん、スーパー家政婦・大野さんのレシピ本出版のご予定は?

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-02-26 16:00
投稿日:2024-02-26 16:00

NHK朝ドラ「ブギウギ」~第22週「あ~しんど♪」#102

 大野(木野花)が家政婦としてスズ子(趣里)の家に来て半年、愛子(小野美音)はニンジンを食べられずにスズ子を困らせていた。

 スズ子が仕事に出ているとき、大野は愛子に、ニンジンのとっておきの食べ方を教える。

 一方、スズ子はコロンコロンレコードでの打ち合わせの帰りに、大野を紹介してくれたお礼をしにりつ子(菊地凛子)のもとを訪ねる。

 そこでスズ子は、大野とりつ子の過去の話を聞くことになる。

【本日のツボ】

スーパー家政婦・大野さんの秘密

 ※※以下、ネタバレあります※※

 昭和25年(1950)春。大野さんがスズ子の家に来て半年が経ちました。大野さんのお味噌汁、ほんとうにおいしそう。

 出かける時間が迫っていても、飲まずにはいられないおいしさなのでしょう。それにしても、いい子で黙々と朝ごはんを食べる2歳の愛子よりも、慌ててお味噌汁をかき込んで「アッチッチ」と騒がしいスズ子のほうがよっぽど手間がかかりそうです。

 本当に大野さんにしつけて貰わなくてはいけないのは、スズ子だったりして。

 愛子の「ニンジンいやや」問題も、大野さんが見事に解決。青森の郷土名物「がっぱらもち」を一緒に作って、おいしくいただきました。「うめ~ぞ、ホレ食うべし」と言われ、最初は抵抗していた愛子ですが、「お嬢さん、ニンジンを食うと美人さ、なりますよ~」という魔法の言葉に、おそるおそる手に取り、一口。

「おぃちぃ」。見事に陥落。大野さんも嬉しそうです。「お嬢さん、これは特別なおやつなんでマミーには内緒!」と2人だけの秘密感を出し、またまた愛子の心をギュッと掴むところもさすがです。

戦争で天涯孤独に

 大野さんを紹介してくれたりつ子から、大野さんが戦争で息子も孫も亡くし、天涯孤独になったことを聞かされます。会話に重なるように、空襲で逃げまどうなかで、孫の手を放してしまった大野さんの映像が流れました。

 そんな大野さんに元気になって欲しかったからスズ子に紹介した、とりつ子。スズ子のためだけではなく、大野さんのことも考えてのことでした。

 戦争中も決してモンペをはかず、わが道を行くクールなりつ子ですが、実は誰よりも優しさ溢れる人だということがよくわかります。一方のスズ子はいつも自分のことで手一杯ですが、周りを明るくする天賦の才は誰にも負けません。

 そんな話を聞いたあと、お買物に行くという大野さんに、「ワテも行きます。愛子も一緒に」とスズ子。「一緒に行きたいんだす」と。3人で仲良く手を繋いで出かけるシーンに、心が温かくなりました。

 それにしても、大野さんの料理のおいしそうなこと。レシピ集、出していただければ買います!

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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