「世界が輝いて見えたんです」15歳年下男子に“ガチ恋”する46歳女性が、夢から覚めた残酷な瞬間

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-07-10 12:43
投稿日:2025-07-04 11:50

美形男性に一瞬で恋に落ちた

 初めての予約は、渋谷のホテル街での待ち合わせ。

「前の晩は、初デートに行くみたいで、エステもネイルも美容室もフルコース(笑)。これほど女として自分に手間をかけたのはいつぶりだっただろうって思いました」

 待ち合わせ場所に現れたのは、口コミ通りのスーツ姿の美形男性。

 ――樹里さんですか? Jに所属しているセナと申します。

 微笑んだ瞬間、一瞬で恋に落ちました――そう樹里さんは告げた。

「初めてなので緊張してたんですが、『無理なことはしませんから』『手を握ってもいいですか?』って、すごく丁寧で…手を取られただけで胸がドキドキしてしまって」

心までほぐされていく

 シックな部屋でのカウンセリングでは、名前の呼び方、接触のNG箇所、照明の明るさまできめ細かに確認してくれた。シャワーを浴び、アロママッサージのためベッドへ。鍛えぬかれた体に、心までほぐされていく。

 ――シルクみたいにすべすべですね。

 ――力加減、大丈夫ですか?

 彼の指先と落ち着いた声に、気持ちがを癒されていく。仰向けになったときの恥ずかしさも、「きれいですね」という一言で消えていった。

「リップサービスだと分かっていても、嬉しかったです。男性に、『きれいだ』『美しい』って言われると、女として自信が戻ってきて…」

 帰り道の景色は、行きとはまるで違いました。同じ道なのに世界が輝いて見えて、すぐにでも彼に逢いたくて、翌週の予約を入れてしまったんです」

募る恋心のウラで育つ欲…本当の彼を知りたい!

 それから、月に3回はセナくんに会うようになった樹里さん。恋人のような甘い言葉、優しい施術に心も体もとろけていく。

 翻訳の納期に追われながらも、彼の言葉を思い出すだけで仕事も頑張れた。けれど同時に、じわじわと芽生える葛藤もあったそうだ。

「口コミ欄を見ると、私と同じように恋してしまった女性たちの声が並んでいて…『水族館デートが最高に楽しめました』『夜景を見ながら、ジャグジーに一緒に入って幸せ』――セラピストとしての彼が、他の女性のリクエストに応じているのは当然なのに、お金で買った時間だと理解しているのに…心がついていかないんです」
 
 嫉妬、不安、苛立ち、後ろめたさ――。

「逢えば逢うほど、欲が出るんです。本当の彼を知りたい、本名も、昼の仕事も、全部…。一線を越えないから不倫じゃないって自分に言い訳しても、恋をしてしまった以上、境界線なんて関係ないんですよね」

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


別れるなら今のうちかも…成長しない彼氏に見切りをつけた女性
「冷酷と激情のあいだvol.26〜女性編〜」では、仕事を理由に、デートをしてくれない彼女に恋心を募らせる男の苦悩をご紹介...
並木まき 2020-12-26 08:36 ラブ
仕事と俺とどっちが大事?多忙な彼女に寂しさを募らせる男性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2020-12-26 08:34 ラブ
もう無理かも…別れを意識する男性たちが彼女に幻滅した瞬間
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。2人の関係がスタートしても、最初からお別れすることなんて考えないはずです。い...
山崎世美子 2020-12-26 06:00 ラブ
傷ついた心に響くのは…まっすぐな好意に心打たれる理由
 傷心中って、ちょっと投げやりだったり自暴自棄になったりしませんか? あるいは「もう恋なんてしない!」「男なんてこりごり...
七味さや 2020-12-25 06:00 ラブ
好きな人に彼女がいる…略奪愛を成功させるコツ&NG行動
 好きになった男性に彼女がいることがわかったとき、彼のことを潔く諦めるか、略奪愛を覚悟してアタックを続けるか、悩んでしま...
恋バナ調査隊 2020-12-25 06:00 ラブ
なかなか煮え切らない彼に喝!逆プロポーズで結婚を決めよう
 結婚をしたい、あるいは子供がほしい女性にとって、今付き合っている彼氏に結婚の意志があるかどうか、結婚の時期をいつだと考...
七海 2020-12-24 06:00 ラブ
GoTo停止で…コロナ禍のカップルが選んだ年末デートプラン
 年末年始を迎えるカップルたちが悲鳴をあげています。この時期にデートや旅行を楽しもうとプランを立てていたのに、コロナ禍で...
内藤みか 2020-12-24 06:00 ラブ
どういう意味…?人の言葉にモヤッとしたらやってほしいこと
 言葉は難しいものです。普段何気なく人と話していても、ふと相手の言葉にモヤっとしてしまうことはありませんか? 小さなモヤ...
おくげちゃん 2020-12-31 05:42 ラブ
「好きだけど付き合えない」ってどういうこと?理由&対処法
 せっかく告白したのに「好きだけど付き合えない……」と返されたら、落ち込んでしまいますよね。そもそも相手の男性は、どうし...
恋バナ調査隊 2020-12-23 06:00 ラブ
結婚願望のない男でも“ソノ気”にはなる、を逆手に取った女
「何歳からでも夫婦になるのは遅くない」とお伝えする本連載。インタビュアー・内埜(うちの)さくらが、40歳以上で結婚した男...
内埜さくら 2020-12-29 23:58 ラブ
自意識過剰な男性の勘違い度MAXなLINE7選&対処法
 自意識過剰な男性は、LINEにもその心理が表れていますよね。どんなにかっこよくても、自分に酔ったLINEにドン引きする...
恋バナ調査隊 2020-12-22 06:00 ラブ
本命彼女になれる?恋活アプリで初めて会う時の必勝ポイント
 恋活アプリでマッチング後、初めて会う時はとても緊張しますよね。お互い、写真や文面での情報はわかるけど、本当はどんな人な...
若林杏樹 2020-12-21 06:00 ラブ
男性に“怖い女性”だと思われる人の特徴&脱出するポイント
 美人でスタイルが良く、仕事もできる完璧な女性は周りから憧れの存在。きっと、あちこちで男性からアプローチされていることで...
恋バナ調査隊 2020-12-21 06:00 ラブ
アピールチャンス♡お家デートで女子力を見せるポイント7つ
 Withコロナの時代、お外に出るのがはばかられる時ってありますよね。はたまた、天気予報が悪かったら、デートは屋内にして...
恋バナ調査隊 2020-12-20 06:00 ラブ
コロナ禍でデートが激減…気を引きたくて浮気を匂わせる女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2020-12-19 06:16 ラブ
「どうでもいいや」浮気を匂わせる恋人に別れを決意した男
「冷酷と激情のあいだvol.25〜女性編〜」では、恋人の気を引きたくて、つい別の男性の存在を匂わせてしまう女性・Rさんの...
並木まき 2020-12-19 06:17 ラブ