密着され撫でられ…際限のないセクハラに私の体調は悪化

うかみ綾乃 小説家
更新日:2019-11-14 17:01
投稿日:2019-09-12 17:00

バスルームの扉が開くとGが…

 翌朝は、一時間だけでもひとりになろうと、早くに起きてバスルームに入りました。

 すると、扉がトントン。

私「はい?」

 いきなり、扉が開きました。ガウン姿のGが入ってきました。

 ぎょっとして胸を隠す私の前に、4本ほどのボトルが並べられました。

G「私がいつも使っているシャンプーやリンスなどです。さ、髪も身体も洗ってあげますよ」

私「いえいえ、けっこうです、お風呂はひとりで入りたいので」

G「身体の洗い方も教えたいんです。女性の肌はゴシゴシしちゃダメで、掌で、やさしーく撫でる程度がいいんですよ」

 彼女の身体が、冬でももったりと体臭をまとっている理由がわかりました。

私「本当にいいです。すいません、ひとりで入らせてください」

 押し問答の末にようやく出ていってもらい、私はホテル備え付けのシャンプーやボディソープを使って、バスルームを出ました。

 彼女はベッドで眠っていました。

 私は彼女を見ないようにして、化粧台で化粧をはじめました。と、

G「あやさん、起こしてぇ」

 鏡ごしに、白くむっちりとした腕が上がりました。

 彼女のガウンの胸元は、乳首までのぞきそうなくらいにはだけられていました。

私「いま、手にファウンデーションがついているので」

G「やだやだ、抱っこして起こしてぇ」

 ずっと言い続けるので、私は無言で彼女の元へいき、片手で彼女の手首をつかんで引っ張りあげました。

 そのとき、ヌルッと掌がすべりました。

 なにこれ……なにを分泌しているの、この人……。

 急いで手を洗いたかったのですが、そこまであからさまなことはできず、化粧水で掌を拭いました。

 Gは後ろで、「いやぁん、抱っこして起こしてほしかったぁ」と言い続けていました。

うかみ綾乃
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小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

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