「アンコウの酒盗干し」天日で半日干せば極上おつまみ完成!

コクハク編集部
更新日:2020-11-23 06:00
投稿日:2020-11-23 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さんに、うま味が凝縮された「アンコウの酒盗干し」のレシピを教えていただきました。

まずは切り身を手に入れて

「はち巻岡田」の冬の定番といえば、アンコウの鍋です。作家の山口瞳も著書「行きつけの店」で、「鉢巻岡田(原文ママ)の鮟鱇鍋を食べなくちゃ、冬が来ない」と書いています。

 アンコウは下ごしらえが手間ですよね。身を熱湯にさっと通し、ぬめりを取り、骨を外しながら、一口大に切り分けていきます。さすがに、この丁寧な職人技をマネすることはできないですが、スーパーや魚屋で切り身を手に入れられれば、自宅でも極上のおツマミに仕上げることはできます。

 天日で干す工程があるので時間はかかりますが、ほったらかしでいいのだから楽チンです。水分が抜け、うま味が凝縮されたプリッとした甘い身に、しょっぱくてコクのある酒盗独特の風味がプラス。これが、おいしいのなんのって、一口頬張れば、お酒がグビグビと進むのです。

「きょうはアンコウがあったんで、それで作りましたが、カレイやヒラメなどの白身魚やイカも合いますよ。イカの胴体は刺し身で食べるでしょ? だから、エンペラとかゲソの部分を使うんです。干したエンペラを焼いて細引くといいと思います」

 のんべえで良かった!

【材料】

アンコウの切り身
酒盗  50グラム
日本酒  500ミリリットル

【レシピ】

(1)酒盗を鍋に入れ、日本酒を加えて火にかけて煮切り、こしてから冷ます。
(2)アンコウの切り身を1の液に3時間ほど浸し、天日で半日干す。
(3)干したアンコウの両面をさっと焼く。

今日のダンツマ達人…岡田幸造さん

▽おかだ・こうぞう
 1959年、東京都生まれ。慶応義塾大卒。新橋の料亭「松山」で修業したのち、86年から2代目の父・千代造と一緒に厨房に入る。祖父・庄次が築いた江戸の味を守りながら、挑戦も続けている。

▽はちまきおかだ
 1916(大正5)年に京橋区尾張町(現・銀座5丁目)で開業。昨年10月、創業101年を迎えた。水上瀧太郎、久保田万太郎、川口松太郎、吉田健一、山口瞳ら多くの文人に愛されてきた銀座の老舗。戦争や都市計画のあおりで、1968(昭和43)年に現在の地に移転した。中央区銀座3―7―21。

(日刊ゲンダイ2018年4月10日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


3分で作れて激安「貝柱のずんだ和え」 味付けで西洋風にも
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・向島の老舗料亭「櫻茶ヤ」の添野光二さんに、...
「レンコンの紅しょうが焼き」味付けいらずで冷めても美味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・門前仲町のミシュランにも掲載された割烹「ふ...
ワインに「ブルーチーズとドライフルーツのタルティーヌ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・押上のワインビストロ「CLOUD NINE...
「梅肉とワサビの香り和え」刻んで混ぜるだけでお酒のアテに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は宮崎市の板前料理店「福重」の福重浩さんに、簡単な...
恵比寿の超人気店「賛否両論」予約が取りやすい時間帯って?
 世界で最も多くの星を持つ美食都市「東京」。恋人と友達と家族と。美味しくて素敵な、記憶に残る時間を過ごしませんか?飲食ト...
山口えりこ 2019-05-28 05:32 フード
甘さと苦味が一体に「レタスの湯引きオイスターソースがけ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤羽の名店「Nomka 」の五十嵐祐二さん...
ジューシーで香ばしい「鶏のイタリア風チャーシュー 」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・西麻布のイタリアン「オッジ・ダルマット 」...
「鳥と塩昆布のそうめん」味付けは塩昆布だけでシンプルに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の和食店「かこい亭」の栫山賢一さんに、...
「豆腐ステーキのコンビーフのせ」黄身を崩す神聖な高揚感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・大井町にあるテキーラバー「Gatito」の...
ザク切り簡単「ジャガイモ&ベーコン&キャベツのおやき」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神田のビストロ「関山米穀店」のオーナーシェ...
パンの端を使いルーをおろしてかける「カレーなるカナッペ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のバー「ロックフィッシュ」店主・間口一...
ホワイトデーで彼におねだりしたい SNS映え絶品スイーツ5選
 飲食トレンドリサーチャー、スイーツコンシェルジュの山口えりこです。3.14ホワイトデーが近づいてきましたね。あなたの彼...
山口えりこ 2019-03-15 20:02 フード