“大人飲み”にこそふさわしい
酒井さんの祖父は、福岡で自動車部品の会社「酒井商会」を経営していたそうです。祖父亡き後は会社もなくなりましたが、酒井さんが名前を引き継いだんだとか。
そんな「酒井商会」は看板を出しておらず、初めての人は場所が分かりづらいかも。 そもそも2階で目立たないので、フリで入ってくる客もほとんどいません。
「店舗を探している段階から、2階でやろうと。ウチを好きなお客さまだけに来てもらえればいいな、と思っていたんです」(酒井さん)
いまや“酒井商会を好きな客”だらけで、なかなか予約が取りづらくなってしまいました。穴場は平日の開店時間すぐの午後4時台。静かにお酒と料理を楽しみたい“大人”の客が、カウンター席でゆっくり時間を過ごすそうです。
「菜の花の昆布締め」は、“大人飲み”にふさわしいおつまみ。ぜひワインや日本酒片手にしみじみ味わってくださいね。
【材料】
・菜の花 適量
・昆布 適量
・カツオ節(あれば糸削り)
<だし汁>
・だし 120㏄
・薄口醤油 10㏄
・みりん 10㏄
【レシピ】
1. だし汁の材料をすべて合わせて加熱。ひと沸かししたら火を止めて、冷ます。
2. 菜の花を沸騰した湯でゆでる。ゆで過ぎに注意! 目安は約15秒で、すぐに湯から上げて氷水に落とす。
3. 菜の花の水気をしっかりと切った後、だし汁に2~3時間漬ける。
4. だし汁から取り出した菜の花を昆布で挟んでしばらく置く。味を見て、いいあんばいのところで皿に盛り、カツオ節をかける。
本日のダンツマ達人…酒井英彰さん
▽さかい・ひであき
1984年12月3日、福岡県生まれ。大学卒業後、ワーキングホリデーで行ったオーストラリアのフレンチレストランでフランス料理を学ぶ。帰国後、三笠会館でフレンチのシェフを2年、ゼットングループでマネジメントなどを5年、渋谷の人気店「高太郎」に憧れ、高太郎のオーナーが修業していた飲食店グループ「FAIRGROUND」のひとつ「並木橋なかむら」を経て「高太郎」で修業。2018年4月に和食割烹「酒井商会」をオープン。
▽酒井商会
酒は自然派ワインと日本酒がベース。魚はすべて天草産。刺し身はすべて味付けをしている。人気メニューの「みつせ鶏の唐揚げ」や「雲仙ハムカツ」ほか、旬のおばんざいも豊富。イチ押しは、注文を受けてから炊く「土鍋ごはん~ごぼう揚げ穴子」。酒が止まりません! 作家モノ、骨董、オリジナルなどさまざまな器も目を楽しませてくれる。 東京都渋谷区渋谷3―6―18 荻津ビル2階。(月~金16~24時、土15~22時、日曜定休)
(日刊ゲンダイ2019年5月23日付記事を再編集)
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