春の味覚「ホタルイカとカブのマリネ」はひと手間でプロの味

コクハク編集部
更新日:2020-03-27 06:00
投稿日:2020-03-27 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ」の市川路朗さんに、食感の良さとミソのコクでワインが進む「ホタルイカとカブのマリネ」のレシピを教えていただきました。

ホタルイカはぷっくりと大きめを

 春の味覚、ホタルイカは酢味噌で和えたり、パスタにしたり。さまざまな調理で楽しめます。この海の幸に春を感じる人は少なくないはず。

「店では、日替わりのアミューズ(お通し)としてお出ししています。季節感があって、とても喜ばれるんですよ」

 おいしいお通しは、いい店の基本です。塩加減と酸味がほどよく、シャキシャキとしたカブの食感が心地よい。エリンギやシメジの風味は抜群で、そこにホタルイカの甘味とミソのコク――。極上のアテですね。一流ホテルで腕を磨いただけに、お通しにもプロの技を感じさせます。シロウトにできるのでしょうか?

「調理らしい調理は、キノコ類とカブを炒めるだけ。簡単ですよ」

 そう笑いながら答えられると、確かにそうですが。でも、ポイントがあるんだとか。

「カブとホタルイカの食感が大切。カブは、炒め過ぎるとグズグズになるので、加熱はサッと、です。もうひとつはホタルイカの下処理。目や軟骨を外しておくと、歯に当たることなく、おいしく召し上がれます」

 食感の良さを生かすには、下処理が欠かせません。ホタルイカは、ぷっくりと大きめを選びましょう。その方がミソがおいしいから。魚屋などでボイルを仕入れたら、まずは優しく水洗い。

「骨抜きなどで目と口を外したら、胴体の内側にある軟骨を下から引き抜いてください」

 このひと手間で、簡単なマリネがグンとおいしくなります。「一晩寝かせると味がなじみます」というから、寝る前に仕込んでおくといいですね。週末の昼下がり、春の風を感じながら、これをつまみに、キリッと冷えた白ワインを飲んだら最高ですね。

【材料】

・ホタルイカ  1パック
・カブ  2つ
・シメジ  1/4
・エリンギ  1本
・鷹の爪  少々
・ニンニク  1片
・ローリエ  1枚
・塩  少々
・コショウ  少々
・オリーブオイル  少々
・白ワイン  小さじ3杯
・白ワインビネガー  小さじ3杯

【レシピ】

1. フライパンにオリーブオイルを入れて、鷹の爪とニンニクを加え、中火で香りが出てきたらキノコ類を炒めて塩コショウを加える。
2. 白ワインとローリエを加え、アルコール分が飛ぶまで炒める。
3. 8分の1にくし切りしたカブを加えて、サッと火を通す。
4. 白ワインビネガーで味を調えたら、冷ます。
5. カブのマリネとホタルイカを合わせて、出来上がり。

今日のダンツマ達人…市川路朗さん

▽いちかわ・じろう
 ハイアットリージェンシー東京のホテルで修業を積んで横浜へ。シェラトンとロイヤルパークで料理長を務める。4年前に独立し横浜・野毛に店を構える。

▽ジィーロ
 ホテル並みの食材と料理をカジュアルな雰囲気の中、リーズナブルな価格で提供するビストロ。各地の猟師と提携してシカやイノシシなどのジビエも人気。横浜市中区野毛町1―29。

(日刊ゲンダイ2018年3月24日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


「中華風冷ややっこ」みじん切りにしたニラとミントをのせて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・四谷三丁目の中華料理店「南方中華料理 南三...
1人用小鍋で作る「チゲ鍋」 ピリ辛の魚介と豆腐をつまむ至福
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の居酒屋「のぶ太郎」の金漢奎さんに、1...
簡単で失敗なし!おうちで作るデリ風ごぼうサラダ☆副菜にも
 なかなか落ち着く様子の見られない新型コロナ。まだまだ在宅勤務の日が多いのではないでしょうか? マンネリ化してきたごはん...
ぐっち夫婦 2020-09-27 11:53 フード
ざくっと盛る「アボカドとアーモンドのピリ辛ポテトサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のドイツ料理が楽しめるワインバー「ワイ...
定番「ポテトサラダ」でも一味違う…ゴロゴロお肉のお得感
伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「純米酒 三品」の稲原春香さんに...
インド気分で「ショウガパクラ」冷えたビールとの相性は完璧
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・経堂のインド料理店「ガラムマサラ」のハサン...
懐かしい風味…シーフードミックスで作る「フィッシュカツ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、冷凍...
フライパン1個で作れる定番「メークインのフライドポテト」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフレンチ「ルヴァン・エ・ラ・ヴィアン...
「シシトウの肉巻き」大人も子供も間違いなく好きな味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は青森県・青森市のイタリアン「リンチェ」の滝沢英哲...
「タルトフランベ」王道トッピングで味わうアルザス風ピザ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草橋のビストロ「ジョンティ」の斎藤光さん...
「イカとオクラの生姜醤油和え」お酒とご飯とおそばにも合う
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の寿司の名店「銀座 すし延」の伊東純司...
「真鯛のかしら酒蒸しポン酢」フライパンで5分の料亭の味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・人形町の和食料理店「いわ瀬」の望月洋介さん...
「豆のサラダ」イタリアンの前菜に…時間を置くほど風味がUP
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は青森県・青森市のイタリアン「リンチェ」の滝沢英哲...
「鳥モモ肉塩麹バター焼き」健康志向のお手軽フレンチつまみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフレンチ「ルヴァン・エ・ラ・ヴィアン...
栄養士が伝授! きつ~い「残暑バテ」を予防する時短レシピ
「残暑バテが続いて食欲がない」「体がダルくて重い」――。そんな悩みを抱える方が増えがちなこの時期。体のメカニズムを知り、...
梅干しと和えた「豚しゃぶ」 ハチミツ漬けで夏の疲れ解消!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は埼玉県・浦和の懐石料理「日に日に新」の木下泰司さ...