「ハッスルたらこ」お酒と白飯がグイグイ進む危険なおつまみ

コクハク編集部
更新日:2020-04-08 06:00
投稿日:2020-04-08 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに、塩気に醤油のうま味が絶妙にからむ「ハッスルたらこ」のレシピを教えていただきました。

味の決め手はにんにく醤油

 メニューには、ごま和えやきんぴら、ポテトサラダなど、何げないシンプルな家庭料理が並んでいますが、その中で異彩を放っているのが“ハッスルたらこ”。いったいどんな料理なのかと思いきや、「たらこを切って、にんにく醤油をチョチョンと垂らして、あさつきをのせただけ。簡単な料理でも、泰蔵さんの器に盛るとごちそうになるんです」と桜井さん。

 “泰蔵さん”とは、東京国立近代美術館やニューヨークのブルックリン美術館など国内外の美術館に作品がコレクションされている陶芸家の黒田泰蔵さんのこと。この店で使っている器のほとんどが黒田さんの白磁です。

 しかしなぜまた“ハッスルたらこ”なのでしょうか? ほんの少し口に含むと、にんにくとあさつきの風味がふわりと鼻に抜け、たらこの塩気と醤油のうま味がからみ合い、思わず杯に手がのびます。さらりとした辛口の純米酒で口の中がリフレッシュされ、ついつい杯を重ねて、しまいにはちょっと白飯も欲しくなる危険なおつまみです。

「実はこれ、40年以上前に西麻布のお店で食べたメニューなんです」とネーミングの由来は不明ですが、味の決め手はにんにく醤油です。

「刺し身はもちろん、炒め物やチャーハン、パスタなど何にでも使える万能調味料。漬けたにんにくも刻んで調味料として使えるので、すごく便利ですよ。にんにくも醤油も継ぎ足し継ぎ足しでずっと作り続けています」

【材料】

・たらこ 2本
・にんにく 1片
・醤油 2分の1カップ
・あさつき
(なければ万能ねぎ) 適量

【レシピ】

1. にんにく醤油を作る。にんにくは半分に切って芽を取り除き、きれいな瓶などに入れて醤油を注いで、できれば3~4日ほどおく。すぐに使いたい場合は、にんにくをみじん切りにして漬ける。
2. たらこは1本を4等分に、あさつきは小口切りにする。
3. 器にたらこを盛り、1のにんにく醤油を数滴垂らし、あさつきをのせて、さらににんにく醤油を数滴垂らす。

本日のダンツマ達人…桜井莞子さん

▽さくらい・えみこ
 デザイン会社に勤務の後、1988年にケータリング会社を立ち上げる。94年に東京・西麻布に「ごはんやパロル」を開くが、2004年に閉店して伊豆に転居。料理教室を主宰していたが、14年、71歳で再び青山に店を開く。

▽ごはんやパロル
 東京メトロ外苑前駅から徒歩2分。何げないけれど、まっとうで上等な家庭料理を、伊豆で作陶する陶芸家・黒田泰蔵さんの白磁で味わえる。おいしい料理とお酒とともに器も楽しめる店。
東京都港区南青山2―22―14 フォンテ青山101。18~22時(LO)/土・日・月・祝定休

(日刊ゲンダイ2019年4月9日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


ヨーグルトと酒粕で優しい味に「イワシの味噌粕漬け焼き」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、味...
塩気とコクで日本酒が止まらない「空豆のアンチョビー和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の老舗和食店「はち巻岡田」の岡田幸造さ...
酸味と香りを楽しむ「ナスと豚しゃぶの梅干しカレー」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷のカレーバー「ヘンドリクス 」の...
揚げ焼きで野菜の食感を残す「シュリンプ・ラタトゥイユ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・野毛のビストロ「ジィーロ 」の市川路朗さん...
白子の美味しさを最大限に味わえる「タチ入りキンチャク」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・旭川の老舗居酒屋「独酌・三四郎 」の西岡...
インスタ映え「油揚げサンド」 少しずつ温めパリパリ食感に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・末広町の和食店「神田明神下みやび本店 」の...
「シチリア風肉団子」刻んだアーモンドが程よいアクセントに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の隠れ家イタリアン「ピノサリーチェ」の...
味付けはあなた次第!どのお酒とも相性抜群 「挽き肉豆腐」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜・阪東橋の広東料理店「壱龍釜」の唐子庭さんに...
「サバ味噌缶のチーズ焼き」フライパンいらずの簡単おつまみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・歌舞伎町で25年営業の老舗「ぱいんつりー」...
「とうもろこしとクリームチーズのかき揚げ」アツアツが美味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は熊本市の創作居酒屋「旬家はちどり」の喰田信治さん...
種だと思ったら…「驚きのアボカド」は健康・美容にも効果的
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・月島のそばの名店「のぶ庵」の三宅泰子さんに...
美味しい糖質オフ「厚揚げのカリカリ焼きネギじゃこソース」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のドイツ料理が楽しめるワインバー「ワイ...
ピリッと「シイタケのオーブン焼きブラックペッパー風味」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・押上のスパイス料理専門店「スパイス・カフェ...
「saba-can」定番のサバ缶を野菜とスパイスでインド風に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・経堂のインド料理店「ガラムマサラ」のハサン...
中目黒で大人デート 「グルドボワ」最先端フレンチの魅惑
 世界で最も多くの星を持つ魅惑の美食都市「東京」。飲食トレンドリサーチャーの山口えりこが、10,000円以下で最高の料理...
山口えりこ 2019-05-22 06:01 フード
「のどぐろ煮付け」たった10分でおつまみにもおかずにもなる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・中目黒で新鮮な牡蠣とのどぐろを楽しめる専門...