「焼き筍~ふきのとう味噌&ブルーチーズ」グリルで丸ごと!

コクハク編集部
更新日:2020-04-29 06:00
投稿日:2020-04-29 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、皮付き筍を使った「焼き筍~ふきのとう味噌&ブルーチーズ」のレシピを教えていただきました。

グリルやオーブンで簡単豪快に

 下処理済みの皮付き筍(たけのこ)を丸ごと魚焼きグリルやオーブンで焼けば、簡単で気の利いた一品になります。

「筍は皮付きのまま焼いたほうが蒸し焼き状態になって、ふっくらジューシーに仕上がるし、皮の香りもつくので風味もいい。焦げてもしょせんは皮。気にせずガンガン焼いてください」

 焼き筍には木の芽醤油が定石ですが、川辺さんが添えたのは、ふきのとう味噌とブルーチーズ。

「ほろ苦さと塩味を加えるという意味では、素材は違っても考え方は同じです」

 それにしても、このふきのとう味噌、やけに白くないですか?

「酒粕(かす)を使っているんですよ。付き合いのある蔵元から大量に送られてくる酒粕は、しっとりして生っぽいので、料理に使いやすいんです。なんだか味がいまひとつ決まらないとき、酒粕を入れると大体話がまとまりますよ。店では味噌汁にも入れていますし、カレーや豚汁に入れてもいいと思います」

 ふきのとう味噌は冷蔵庫で1週間ほど保存可能なので、多めに作って白いご飯のお供にするのはもちろん、焼きおにぎりや田楽、ふろふき大根に添えたり、厚揚げや魚に塗って焼いてもいいですね。山廃の燗酒を合わせれば、ふきのとうの苦味が口の中で心地よく広がります。

【材料】

・皮付き筍(下処理したもの15センチくらい) 1本
・ふきのとう味噌(ふきのとう6~7個、信州味噌20グラム、酒粕20グラム、だし70ミリリットル、ごま油大さじ2、みりん、濃い口醤油各適量) 適量
ブルーチーズ 適量

【レシピ】

1. ボウルに信州味噌、酒粕、だし、みりん、濃い口醤油を合わせてよく混ぜる。
2. ふきのとうは水洗いして根元の硬い部分を切り落とし、フードプロセッサーで攪拌(かくはん)する。
3. 鍋に湯を沸かし、2を入れて2分ほど茹でる。ざるに上げて湯を切り、水にさらす。
4. フライパンにごま油を熱し、水気をぎゅっとしぼったふきのとうを入れて中火でさっと炒める。1を加え、木べらで全体を混ぜながら、ぽったりするまで炒める。
5. 下処理した筍1本は皮ごと魚焼きグリルで弱火で15分ほど焼き、4~6等分に切って筍の表面に醤油(分量外)をハケで塗り、さらに魚焼きグリルでさっと焼く。
6. 皿に盛り4のふきのとう味噌、ブルーチーズを添える。

本日のダンツマ達人…川辺輝明さん

▽かわべ・てるあき
 1974年、東京都生まれ。高校卒業後、専門学校を経て、ワーキングホリデーなどで3年ほど海外へ。帰国後、数軒の飲食店で修業をし、三軒茶屋の日本酒居酒屋「赤鬼」から2004年に独立。学芸大学に「件」をオープン。

▽くだん
 東急東横線沿線では横浜に次いで飲食店が多いといわれる激戦区・学芸大学駅前で愛され続けて14年。こだわりの日本酒は定番が40種類で、酒蔵とのコラボによるプライベートブランドもあり。名物は天然素材のみでとったダシで炊いたおでん。東京都目黒区鷹番3―7―4。

(日刊ゲンダイ2018年4月25日付記事を再編集)

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