市販モノとは別物!
もともと「賄い料理」だったこちらの一品。店主の村瀬文吾さんは、鮮魚店が経営する居酒屋で10年間修業していたこともあって、特別なルートで新鮮な魚が安く手に入るんだとか。常連客も刺し身を目当てに通ってくるそうです。余った魚を「賄い料理」として煮たり、焼いたりして食べるだけでは飽きるので、ツナにしてみたといいます。
食べてビックリ。同じツナでも、市販のモノとはまったくの別物です。市販のツナは、どうしても油が強いもの。サンドイッチやサラダにすると油分がちょうどいいですが、そのまま単品で食べるとやはりクドイ。いっぱい食べられない……。
でも、自家製のこのツナは、油っぽさゼロ。むしろ素朴な味です。魚の味を強く感じられます。作り方は意外にカンタン。
「サラダ油をヒタヒタにした鍋に、ニンニクのみじん切り、塩、こしょう、ガーリックパウダー、うま味調味料を入れます。すべて入れたら、火をつけて下さい。超弱火にしたまま切り身の魚を入れます。火が入って白くなったら、木のヘラでほぐして下さい。
気をつけることは、火を入れ過ぎないこと。魚は鰹でも鮪でも鯛でもヒラメでもOKです。ただ、ヒカリモノはクセが強いので避けて下さい。小魚も食べる時、骨があると食感がよくありません。しばらく冷ました後、最後に塩をふったら完成です。もし臭みがあったら、醤油を垂らして下さい。臭みが消えます」
手作りのツナとは何ともぜいたく。これからの季節、ハイボール片手に食べたら最高ですね。
【材料】
・魚の切り身 (鰹、鮪、鯛、ヒラメなど)
・サラダ油
・ニンニク
・塩
・こしょう
・ガーリックパウダー
・うま味調味料
【レシピ】
1. 鍋にサラダ油をヒタヒタにする。
2. 鍋の中に、ニンニクのみじん切り、塩、こしょう、ガーリックパウダー、うま味調味料を入れる。
3. 火にかける(80度くらいの低温にする)。
4. 魚の切り身を入れて、熱が入り白くなったら、木のヘラでほぐす。
5. 冷めた後、塩をふる。
6. 臭みがある場合は醤油を垂らす。
本日のダンツマ達人…村瀬文吾さん
▽むらせ・ぶんご
鮮魚店が経営する居酒屋「魚真」で10年間修業。魚を徹底的に勉強し、33歳の時、独立。
▽よしだかいがん
営業時間は夕方6時から朝6時まで。魚がおいしいと評判の店。常連客は刺し身を目当てに通ってくる。早い時間は近所のサラリーマンが多いが、新宿2丁目のど真ん中という立地もあって、深夜から朝方は2丁目の住民が多い。東京都新宿区新宿2―13―6。不定休。
(日刊ゲンダイ2018年5月24日付記事を再編集)
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