「ビーフテプス」エチオピアの肉野菜炒めはニンニクが決め手

コクハク編集部
更新日:2020-05-24 06:00
投稿日:2020-05-24 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂のアフリカ料理店「SAFARI」のワンダサンさんに、ニンニクが効いた「ビーフテプス」のレシピを教えていただきました。

ニンニクはみじん切りで風味を生かす

 ワンダサンさんの出身地エチオピアで「ビーフテプス」とは、牛肉を使った肉野菜炒めのこと。現地ではヤギや羊、鶏など、いろいろな肉を使用しますが、簡単なおツマミなら牛が一番だそうです。

「店では、オリジナルスパイスで漬け込んだラムと野菜を合わせる炒め物も人気ですが、牛肉ならその手間がいらず調理が楽ですから」

 日本で肉野菜炒めというと、キャベツとモヤシ、ニンジンなどを中心に、店や家庭によってはニラやキノコ類なども一緒に肉と炒めます。五目や八宝菜に近いですが、エチオピア風肉野菜炒めは至ってシンプル。

「合わせる野菜はタマネギとピーマンだけ。十分おいしいですよ」

 なるほど、一口食べると、味の決め手はニンニク! しっかりと細かくみじん切りにすることで、ニンニクの風味がそれぞれの食材によく絡んでいます。その味を補強するのが、ほんの少しの塩とコショウです。ビールに最適。赤ワインでもいいですね。

「フライパンを熱して油を張ったら、肉とタマネギは一緒に炒めるくらいの感覚で、フライパンを振りながら、サッとニンニクと塩を絡ませるのがコツだね」

 家庭で一般的な肉野菜炒めは、肉に片栗粉をまぶしたり、仕上げにとろみをつけたりして、味を絡みやすくします。それをせず、タマネギの甘味とニンニクの風味、そして塩味を一気に炒めて絡めるのです。

「火が通りやすいピーマンは、タマネギが透き通ってから加えればいいよ。炒め過ぎると肉が硬くなるし、ピーマンの食感も悪くなるから」


【材料】

・牛肉 150グラム
・タマネギ 半分
・ピーマン 1個
・ニンニク 1片
・塩 少々
・コショウ 少々
・サラダ油 大さじ1

【レシピ】

(1)牛肉はこま切れ肉を一口大に切り、タマネギはクシ切り、ピーマンは種をとって乱切りに。ニンニクは細かくみじん切りにする。
(2)熱したフライパンにサラダ油を張り、牛肉とタマネギを炒める。塩とニンニクを加えて手際よくフライパンを振る。
(3)タマネギが透き通ってきたらピーマンを加える。仕上げに好みでコショウを振って出来上がり。

本日のダンツマ達人…ワンダサンさん

▽ワンダサン
 エチオピア出身。東京・新宿のアフリカ料理店「ローズ・ド・サハラ」で腕を磨き、2008年2月に独立。「お母さんに時々送ってもらう」というエチオピアのミックススパイス「バルバル」を巧みに使用する料理で、スパイス好きをうならせる。

▽SAFARI
 ワニやダチョウ、カンガルーなどアフリカならではの食材もメニューに並ぶが、野菜たっぷり、油控えめのヘルシー調理。特に「ドロワット」は、タマネギとチキンのみのシンプルなカレーながら、複雑な味が印象的でランチの看板メニュー。東京都港区赤坂3―13―1 ベルズ赤坂2階。

(日刊ゲンダイ2018年6月20日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「中華風冷ややっこ」みじん切りにしたニラとミントをのせて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・四谷三丁目の中華料理店「南方中華料理 南三...
1人用小鍋で作る「チゲ鍋」 ピリ辛の魚介と豆腐をつまむ至福
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の居酒屋「のぶ太郎」の金漢奎さんに、1...
簡単で失敗なし!おうちで作るデリ風ごぼうサラダ☆副菜にも
 なかなか落ち着く様子の見られない新型コロナ。まだまだ在宅勤務の日が多いのではないでしょうか? マンネリ化してきたごはん...
ぐっち夫婦 2020-09-27 11:53 フード
ざくっと盛る「アボカドとアーモンドのピリ辛ポテトサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のドイツ料理が楽しめるワインバー「ワイ...
定番「ポテトサラダ」でも一味違う…ゴロゴロお肉のお得感
伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷の居酒屋「純米酒 三品」の稲原春香さんに...
インド気分で「ショウガパクラ」冷えたビールとの相性は完璧
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・経堂のインド料理店「ガラムマサラ」のハサン...
懐かしい風味…シーフードミックスで作る「フィッシュカツ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、冷凍...
フライパン1個で作れる定番「メークインのフライドポテト」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフレンチ「ルヴァン・エ・ラ・ヴィアン...
「シシトウの肉巻き」大人も子供も間違いなく好きな味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は青森県・青森市のイタリアン「リンチェ」の滝沢英哲...
「タルトフランベ」王道トッピングで味わうアルザス風ピザ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草橋のビストロ「ジョンティ」の斎藤光さん...
「イカとオクラの生姜醤油和え」お酒とご飯とおそばにも合う
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の寿司の名店「銀座 すし延」の伊東純司...
「真鯛のかしら酒蒸しポン酢」フライパンで5分の料亭の味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・人形町の和食料理店「いわ瀬」の望月洋介さん...
「豆のサラダ」イタリアンの前菜に…時間を置くほど風味がUP
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は青森県・青森市のイタリアン「リンチェ」の滝沢英哲...
「鳥モモ肉塩麹バター焼き」健康志向のお手軽フレンチつまみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフレンチ「ルヴァン・エ・ラ・ヴィアン...
栄養士が伝授! きつ~い「残暑バテ」を予防する時短レシピ
「残暑バテが続いて食欲がない」「体がダルくて重い」――。そんな悩みを抱える方が増えがちなこの時期。体のメカニズムを知り、...
梅干しと和えた「豚しゃぶ」 ハチミツ漬けで夏の疲れ解消!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は埼玉県・浦和の懐石料理「日に日に新」の木下泰司さ...