辛口の純米酒と合う「鶏とアンチョビーのポテトサラダ」

コクハク編集部
更新日:2020-07-26 06:00
投稿日:2020-07-26 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の和食店「かこい亭」の栫山賢一さんに、塩気をきかせた「鶏とアンチョビーのポテトサラダ」のレシピを教えていただきました。

パンチ力抜群、でも上品

「米国、豪州と海外をフラフラしていた二十歳のころにレパートリーに加わった一品です。お金がなく、その日暮らしという生活。安くて腹にたまるというだけで、ジャガイモをよく使った。でも、さすがに飽きる。そんなとき、勤め先のイタリアンレストランからアンチョビーを拝借して、これを味付けに使った。作るたびに、元気だけはあり余っていた当時を思い出します」

 そう聞いて、なるほどと思いました。味にパンチがあります。アンチョビーの塩気とうま味、ジャガイモの甘味を隠し味に使ったニンニクの風味が引き立たせます。

 白ワインをオーダーすると、「白ワインもいいですけど、こっちで試してみてください」と出されたのが、キンキンに冷えた辛口の純米酒です。一口やって、うなりました。

「アンチョビーを食べつけていないと、白ワインに合わせたときに、独特の風味を生臭いと感じる方もいると思います。日本酒だとそれがない。うま味を倍加させてくれます」

 おっしゃる通り。若者好みと感じたパンチ力も、日本酒に合わせると上品な後味が口に広がるから不思議です。この方が雰囲気が出るでしょ? と栫山さんはワイングラスに日本酒をついでくれました。こういう遊びもまた、おツマミの格を上げます。

【材料】

・ジャガイモ      3個
・鶏の胸肉       50グラム
・アンチョビーフィレ4~6枚
・マヨネーズ  大さじ3~4
・オリーブオイル  小さじ1
・塩、ニンニクすりおろし 各少々

【レシピ】

1. 茹でたジャガイモの皮をむいてマッシュする
2. 皮を取った鶏肉をボイルし、手で割いておく
3. ボウルに、包丁でたたいてペースト状にしたアンチョビ、ニンニク、マヨネーズ、オリーブオイル、塩を混ぜてソースを作り、マッシュしたポテトを和える
4. 皿に盛ったらパセリを振り掛け、バジルの葉を添える

本日のダンツマ達人…栫山賢一さん

▽かこいやま・けんいち
 鹿児島県出身。高校卒業後、国内外で腕を磨き、35歳で大阪・北新地にシャモ料理店をオープン。瞬く間に人気店となり、15年8月にたったひとりで東京銀座に進出。オーナー、料理人、丁寧な給仕役の“三刀流”で訪れる客の舌と心を満足させている。

▽かこい亭
 祖父直伝の水炊きが自慢。生後10カ月以内の鹿児島産若シャモだけを実に50羽も使って抽出する珠玉の無化調白湯スープは一食の価値がある。中央区銀座7―5―12 ニューギンザビル8号館地下1階。

(日刊ゲンダイ 2017年7月29日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「ハムとレタスとチーズの生春巻き」おうちで気軽に生春巻き
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草の「ベトナム料理★ビストロ オーセンテ...
「焼いた牛タンのサラダ」バルサミコ酢とバジルでイタリアン
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・上川町のオーベルジュスタイルのイタリアン...
神コスパ! モンテローザの飲み放題を満喫 2022.7.12 (火)
 右を向いても左を向いても、値上げ値上げ値上げの嵐。万年ヒラ社員な筆者のお財布はもう限界ですよ。ほんとこんな日本に誰がし...
「塩サバ 赤ワインみそだれ炙り ポテトサラダ添え」炙る贅沢
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・上川町のオーベルジュスタイルのイタリアン...
「味付きジンギスカンのショートパスタ和え」タレにひと手間
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・上川町のオーベルジュスタイルのイタリアン...
【セブン】ウシ柄とキリン柄のクレープ発見 2022.7.10(日)
 このビジュアルにやられてしまいました。ウシ柄とキリン柄! いずれも、セブンイレブンのクレープです。  千葉県内に...
「牛肉と牛蒡のラグー ショートパスタ和え」うま味とコク!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・上川町のオーベルジュスタイルのイタリアン...
「きんこうじ豚のロースト フォンドボー添え」週末の贅沢に!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋の「フレンチ割烹ドミニク・コルビ」のド...
【つばめグリル】欲望のまま爆食いしてきた! 2022.7.5(火)
 みなさんは老舗洋食店「つばめグリル」をご存知でしょうか? 筆者は幼い頃からよく連れて行ってもらっていたので、親しみのあ...
「茶わん蒸し~コルビ風~」2層の味がクリーミーにとろける
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋の「フレンチ割烹ドミニク・コルビ」のド...
【セブン】「明太子おむすび」の圧がすごい 2022.7.2(土)
 みなさん、おむすびで一番好きな具は何ですか? 筆者は断然、明太子! 食感と辛味が米によく合うんだな。そんな明太子好きに...
レモンとお酢でキレイになろう!美容やダイエットにもグー♪
 毎日の生活にレモンとお酢を取り入れて、ラクしてキレイになりましょう! 暑い日々になってからはホットドリンクではなく、冷...
canちゃん 2022-07-01 06:00 フード
「野菜のスープ 黒豚のしゃぶしゃぶのせ」ワンランク上の味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋の「フレンチ割烹ドミニク・コルビ」のド...
「さつま黒酢ブリとかぶのエミュルション」まるでお花畑!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋の「フレンチ割烹ドミニク・コルビ」のド...
「喜ばれるお菓子」の定義を考えてみた 2022.6.23(木)
 おいしいお菓子をいただきました(ありがたや~)。それからというもの、以前にも増して「贈り物上手」になりたいと考えるよう...
「霧島サーモンのマリネ」季節の野菜で作ったソースを添えて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋の「フレンチ割烹ドミニク・コルビ」のド...