これぞ現代の青森料理
店のホームページを開くと、「Bois Vert meets AOMORI」「LOVE AOMORI」という文字が流れる。青森愛にあふれる川口かずのりシェフが目指すのは、“青森の大使館レストラン”です。
「映画の予告編を見ると本編も見たくなりますよね。その予告編がボワ ヴェールの料理。ここに来たら青森に行きたくなりますよ、でも本編はぜひ青森で。青森で食べたら、もっとおいしいですよ、楽しいですよ、とお客さまに伝えたい」
メニューのあちこちに青森の地名が躍り、青森産のワイン、シードル、日本酒、焼酎が棚に並びます。今回紹介いただく料理ももちろん、すべて青森食材を用いたもの。
かつて、ある食品卸売会社の担当者に「青森のことを事細かに知っているのは、民間では川口さん」と言われたこともあるとか。そんな川口シェフに対し、誰もが何の疑いもなく思うことでしょう。シェフは青森県出身だ、と。
「いえ、出身は大阪。堺商人の家の出ですよ」
そんな川口シェフが青森県にほれ込んだのは、ある人との会話がきっかけでした。
【材料】
・卵
・煮干しダシ
・ニンジン
・タマネギ
・メークイン
・生クリーム
・塩
【レシピ】
1. 茶碗蒸しを作る。卵1個につきダシ180ミリリットルの目安で混ぜ合わせ、蒸す。
2. ニンジンのポタージュを作る。スライスしたタマネギに塩をまぶし、オリーブオイルで炒め、刻んだニンジン、スライスしたメークイン、ダシを入れてよく煮る。ミキサーにかけて鍋に入れて温め、最後に生クリームを入れる。塩で味を調える。
3. 茶碗蒸しの上にニンジンのポタージュをかける。
※ポタージュの材料は好みの量で。タマネギが甘さを、メークインがまろやかさを出す。
本日のダンツマ達人…川口かずのりさん
▽かわぐち・かずのり
1974年大阪府堺市生まれ。大阪あべのエコールキュリネール辻フランス料理専門カレッジ卒業後、フランス・ブルゴーニュ「ル・ベナトン」へ。帰国後は、勝どき「クラブNYX」、西麻布「クリニャンクール」でフランス料理シェフの宮本雅彦氏に師事。帝国ホテルの「レ・セゾン」、日比谷三信ビルの「ラ・プロムナード」などを経て、「現代青森料理とワインの店ボワ ヴェール」のオーナーに。
▽ボワ ヴェール
青森の食材にこだわった料理を提供。テーブル席がほとんど青森県出身者や青森ファンで埋まる、ということも。この店でプロポーズをし、新婚旅行は青森、そこでできた子供と一緒に食べにくる客もいる。ぜひ一度は食べてほしいのが、「本日の前菜盛り合わせ」。青森各地の旬の野菜を、シンプルな調理法でいただける。東京都港区西新橋1―13―4 B1。
(日刊ゲンダイ2018年7月31日付記事を再編集)
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