生クリームのコクに溶け込んだダシが縁の下の力持ち
「ウチでは菜の花で作ることが多いんですが、季節も終わりですからね。一年中買えるほうれん草で作りました。もちろん、おいしいですよ」
こう話すのは料理人の丹生谷さん。
ほうれん草と生クリームの組み合わせは、洋食でも割と見かけます。明太子も加われば、まさに「めんたいクリームパスタ」さながら。
しかし、和の職人が作る料理は一味違いました。
「明太子と生クリーム。これを和で表現してみたんです」と言う丹生谷さんの言葉通り、これはまぎれもない和食です。
生クリームと明太子の相性は言うまでもありませんが、めんつゆの風味がうまく両者をつないで「洋」ではなく「和」にとどめています。
生クリームのコクに溶け込んだダシが縁の下の力持ちとなっているのだ。
「機会があれば、来年の菜の花の季節に作ってみてください。ほろ苦さが合いますから」(丹生谷さん)
材料
・ほうれん草 1束
・明太子 1腹
・生クリーム 70㏄
・めんつゆ 20㏄
レシピ
(1)おひたしの要領でほうれん草を茹でて、適当なサイズに切る
(2)明太子の皮を取ってほぐし、生クリームとめんつゆで和える
(3)1に2をかけて完成
本日のダンツマ達人…丹生谷聡さん
▽丹生谷聡(にゅうのや・さとし)
1968年、所沢市出身。料理店などの修業を経て、30歳で四谷に初めての店をオープンすると、最盛期は居酒屋など6店舗を経営。現在はすべて畳んで、「神棚」に専念。「もともと懐石料理をやっていたので、その経験を生かしています」
▽かみだな
今年1月にオープンしたばかりの純和食店。季節に応じた料理が名物で、基本コースは3000円から。プラス3000円で30種類の日本酒を含めた店内の酒飲み放題(2時間)。追加注文も可能。東京都新宿区舟町3―4 金谷店舗ビル201。
(日刊ゲンダイ2021年5月12日付記事を再編集)
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