ごま油と塩の“鉄板”コンビネーション
東京から西に約3500キロ、東洋のグランドキャニオンと呼ばれる「張掖丹霞地貌」や広大な砂漠が有名な“最果ての地”でも、愛されるのはシンプルな一品のようです。
「張掖の夏は日本より湿度が低く、カラッとしていますが、気温は30度を超えることもあります。暑い夏は食欲が減りがちだけど、これならサラッと食べられます。夏季はほぼ毎日、食卓に上る定番の家庭料理です」
切った材料をあえるだけというシンプルさながら、ごま油と塩の“鉄板”コンビネーションが食欲をかき立てます。ピリッと舌を刺激する食べるラー油がいいアクセントとなり、最後まで飽きがきません。
豆腐は硬めの木綿で、なるべく味の濃いものを選んだ方が味わい深くなります。サッパリとした塩味で、ビールがグイグイと進んでいきます。
「豆腐の大きさはお好みです。完全に崩れるまで潰して、スプーンですくって食べるのもおすすめですよ」
豆腐の種類を変えれば、味わいは千差万別。真夏の酷暑も、これならいくらでもいけそうです。
材料
・豆腐 半丁
・小ネギ、塩、ごま油 各少々
レシピ
(1)豆腐を1センチ角に切って、みじん切りにした小ネギと、塩、ごま油少々を容器に入れ混ぜる
(2)お好みで食べるラー油を適量たらす
本日のダンツマ達人…英英さん
▽英英(いん・いん)
1975年、中国甘粛省張掖市出身。日本人男性と結婚後、97年に来日。2000年からは、中国に戻って甘粛省敦煌市でカフェを6年間経営。12年に東京・池袋で「沙漠之月」をオープンした。
▽沙漠之月
JR池袋駅から徒歩約10分。駅東口の繁華街から離れた大通り沿いの雑居ビル3階に入居する同店は、カウンター5席とこぢんまりしている。日本では珍しい甘粛省料理を楽しめる。餃子に麺、肉や野菜とメニューは多彩。ビールに紹興酒、白酒、日本酒も用意している。流暢な日本語を操る英さんのトークは軽妙で、客の好みに合わせた料理を提供してくれる。知る人ぞ知る名店だ。東京都豊島区東池袋2―63―15 3F。
(日刊ゲンダイ2021年6月15日付記事を再編集)
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