もう別れられない…裏切られ続けてもレズビアンの彼女が好き

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2021-10-22 06:00
投稿日:2021-10-22 06:00

やっぱり彼女しかいないと思ってしまう

――つまり「元さや」という感じですね。

「はい、まさに『元さや』ですね。(笑)

 アクメを迎え、酔いがさめると、A美は、私に『またW子を傷つけちゃったね……。これみよがしに元カノまで呼んで、ごめん』って、謝ってきたんです。

 そして『寂しくなると酒を呑んで、酔うことで現実から逃げてしまう』『不安だからこそ、好きなW子を傷つけてしまうの。W子には旦那さんもいて、義理のご両親もいる。私はいつも孤独を感じている』と。

 さめざめと泣くA美を前にすると、『やっぱりA美しかいない』と思ってしまいます。で、元カノとの写真の中に、性器と性器を合わせた『貝合わせ』の画像があったんですが、妙な対抗意識が芽生えてしまって、その日は、さらに同じ体勢でセックスしました」

――対抗意識で、貝合わせを……ですか?

「はい、自分でも驚きでした。ちょうど『松葉崩し』のようにヴァギナを合わせる体位ですね。

 貝合わせは、すでにA美と経験済みでしたが、元カノとの貝合わせ画像を見たあとのそれとは、まったく違いました。

 興奮が嫉妬とないまぜになって、私、自らヴァギナを押しつけてぐいぐい腰を振っていましたね。

 元カノには負けたくないって(笑)

 クチュクチュと淫らな音が響くのを今でも覚えていますし、あの甘酸っぱいラブジュースの匂いも濃厚に香ってきて……二人で性器をこすりつけて、私は絶頂を迎えました」

穏やかな日々に新たな問題が……

――続けて下さい。

「『元カノ事件』以来、A美は優しくなりました。LINEへのメッセージも、以前のように嫌味や皮肉はありません。

 きっと自分でも、悪いことをしたと反省したのでしょう。不倫とはいえ、交際中の私に許可を得ずにデートに元カノを同席させたり、セックス画像を見せるのはルール違反です。また、たび重なる暴言は、DVと何ら変わりありません。

 寂しさからとはいえ、『ダンナとエッチする声を、LINE電話で聞かせて』という言葉は、いまだに不意にフラッシュバックし、私を苦しめますが、どんなに傷ついても別れられない……。

 もう運命としか思えません。

 睡眠薬を飲むこともなく、しばらくは穏やかな日々が続きました。

 そんな時、思いがけないことが起こったんです」

――思いがけないことですか?

「はい……義理の両親が、『また不妊治療を再開する気はないか? 41歳ならまだ間に合う』と言ってきたんです。私は顔からサッと血の気が引くのが分かりました」

 続きは次回。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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