シンママのメリットは“産後クライシス”の裏返しかもしれない

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2022-03-22 06:00
投稿日:2022-03-22 06:00

振り返るとやっぱり「産後クライシス」だったのかも

 上記で挙げた私の考えるシングルマザーのメリットですが、実はこれは「産後クライシス」の裏返しのような気がしています。

 そもそも「産後クライシス」とは第一子が2歳になるまでに起こりやすく、出産後に夫婦仲が急激に悪くなる状態のことを言います。詳しくは以前こちらの記事(「夫を嫌いになる前に!出産前からやるべき産後クライシス対策」)で書きましたが、この産後クライシスの仕組みを事前に知って対策を講じていたら、もしかしたら少し違う結果になっていたかもしれません。

 “妻”として愛情いっぱい楽しんでいた家事は「永遠に淡々とこなさなければいけない面倒なタスク」に変わってしまいましたし、夫に頼らず自立して過ごせてきたはずなのに、ワンオペ育児の大変さから「こうしてくれたらいいのに」と、求めてしまうようになりました。

 当時の元夫の気持ちを想像すると、いつでも息子のことを優先され、それまで当たり前にしてもらっていたことをされなくなり、なにより、不満を抱えて笑顔がなくなった妻の顔を眺めなければいけなくなり……と、つらかったのではないかなと思います。

 もちろん離婚の原因はひとつではありませんが、でも、産後クライシスは確かにあると思います。「女心と秋の空」ではないですが、上記のグラフのように急降下した夫への気持ちは二度と戻ってきません。

妊娠中の友人に伝えた「産後クライシス」

 2年ほど前のこと。高校時代の親友から妊娠の報告を受けた時、産後クライシスについて話した私。仕事をバリバリしている彼女は昔からとにかく真面目で、抱え込み体質です。

 だからこそ、「出産後2年間は妻がどんなに変わっても、すべて“ホルモンのせい”だと思ってって、旦那さんに伝えてね!」「我慢しないでお願いして、育児に積極的に参加してもらうんだよ!」と、しつこく伝えました(笑)。

 無事に出産を終え、育児真っ最中の彼女と先日話したところ「おかげで旦那が育児にすごく参加してくれているよ!」と言われました。彼女自身も余裕のある顔をしていて、すごく安心しました。

 1人でなんでもできる大人の男と、1人では生きていけない子供のどちらをママが優先するかなんて考えるまでもありません。少なくとも私はそうでした。

 それをわかったうえで、パパたちはママと子供に思いやりの気持ちを持ち、ママたちはできないことを無理せずに甘えて感謝をすることが大事。と、口で言うのは簡単ですが……。

「そんなの当たり前にできてる」と、思う夫婦もいるかもしれませんね。でも、そうではない夫婦もいること。それが、シングルマザー、シングルファザーが増えている原因のひとつではないかな、と思うのです。

(文:孔井嘉乃/作詞作曲家 イラスト:こばやしまー/漫画家)

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

ライフスタイル 新着一覧


いよいよ子宮全摘へ 入院女子が涙した必須&便利グッズ17選
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
暑い日はずっとシエスタ…大事な“にゃんたま”を冷やす後ろ姿
 暑い日をどう過ごすか。  きょうは「夏だって毛皮を纏ってるぜ!」のにゃんたま君の知恵を拝見しましょう。  ...
ピルでツルツル肌に? 知っておきたい8つのメリットと危険性
 ピル連載も4回目。第1回目の「日本はピル後進国!『ピル=避妊』の考え方は遅れています」でも少し触れましたが、今回は、ピ...
勤務時間が長い! “自分しかできない仕事”をゼロにする方法
 定時上がりは憧れるけど、いつも勤務時間内に処理しきれず残業――。当然、プライベートの時間はカット。1日1時間の残業で、...
不妊症大国ニッポン…卵子凍結で産みたい人が産める社会へ
 子供を産みたい人がちゃんと産めるような社会にしたい。不妊治療で悲しむ人をゼロにしたい。これが私の願いであり、目標です。...
ワンオペ育児の日本と違う…台湾の妻が悩む“親戚の過干渉”
 国や地域によって、育児にまつわる文化の違いは様々ですよね。日本では日々忙しく過ごしているワンオペ育児ママが沢山いらっし...
「サボテン」には感情が? あなたの優しい言葉がトゲを抜く
「スマホをやりながら寝るのって絶対に睡眠妨害されてますよ。」  最近ワタクシの体メンテナンスをしてくださる方から言...
高級タワーマンションのラウンジで自撮りをする女の一生
 最近、たまたま都内の最高ランクのタワーマンションに行く機会が数回あったのですが、そこで2人組の美しい女性がラウンジのソ...
去勢手術は3日後…にゃんたま記念撮影でモフモフとお別れ
 これぞ! 鈴カステラ! 出来立てホヤホヤの美味しそうなにゃんたま!  食べちゃいたくなる、愛おしいにゃんたまω!...
猛暑の夏…健康な高齢者でも熱中症予防を“家族ですべき”理由
 介護士をしていた経験をもとにライターをしています。筆者はこれまで、認知症の症状や認知症を発症した時の具体的なケアについ...
がんでごめんね…「人生最後の生理」はある日突然やってきた
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
さくらももこさんのエッセイに学んだ 本当の「時は金なり」
「時は金なり」という言葉、年を取れば取るほど心に沁みるのはなぜでしょう。私がこの意味を意識したのは、さくらももこさんのエ...
産毛のような初々しさ…もうすぐ去勢する“にゃんたま”の刹那
 羊毛フェルトで作られた「にゃんたまストラップ」が巷で流行中。フニフニ揉むと、心癒され気持ちが落ち着くのだそう。 ...
結婚したら退職する? 自分が幸せになるための人生の歩み方
 少し前のOLだったら「寿退職」なんて当たり前だったのでしょうが、今はそうはいかないですよね。共働きが普通だし、お金の心...
大人になっても趣味に没頭したい! おすすめできる3つの趣味
 ストレス社会で闘う毎日にふと疲れた時、「何もかも忘れたい」と思うことはありませんか? 多くの人は飲み会や買い物で鬱憤を...
鬼灯って読めますか?夏の風物詩「ホオズキ」の意味と活用法
 地域によりますが、八月はお盆月でございます。  八月の声を聞くとワタクシのお店もお盆のお支度で慌ただしくなり、店...