味の深みの秘密は「みりん」
ビステッカはイタリア語でステーキのこと。分厚い肉をフライパンで焼く場合、生焼けだったり、火が入りすぎたりと加減が難しいですよね……。岩本シェフは、「家庭では、トースターを使うといいですよ」と言います。
「高温で短時間焼いて、ホイルに包んで休ませる。余熱で火を通すようにすると、うまくミディアムレアに仕上がります。牛肉なら2~3回繰り返すことで、軟らかくなります」
お店で食べたのは、愛媛あかね和牛。赤身でさっぱりとしているのが特徴ですが、自宅で作るなら、スーパーで売っているステーキ用モモ肉で十分。ソースも、何日も煮詰めたようなコクと上品な味わいがあります。
「煮詰めたのは10分程度。みりんを入れたことで深みが増す。発酵食品にも関心があって研究しているのですが、イタリア料理との相性はいい。酵素たっぷりの自家製甘酒も肉料理に使います」
冷蔵庫に入れておけば1カ月は保存可能なので、常備ソースとしても◎。
【材料】
・牛内モモ肉(赤身なら可) 1枚(約200グラム、厚さ2.5センチカット)
・サラダ油 大さじ1
・ホウレンソウ(塩ゆでしたもの) 適量
・塩、コショウ 適量
【ソース】
・本みりん 50㏄
・バルサミコビネガー 100㏄
・無塩バター(有塩でも 可) 20グラム
・塩 ふたつまみ(有塩バターの場合は、ひとつまみに加減する)
【レシピ】
(1)小さなフライパンにみりんを入れて煮詰める。バルサミコビネガーを加え、3分の1になるまで煮詰めた後、バターを加えてフライパンをゆすりながら溶かし、ソースになじませる。塩で味を調える。
(2)肉に塩、コショウでしっかり下味を付けて、熱したフライパンに油を引いて表面を香ばしく焼く。
(3)2をトレーに取り出し、トースターにトレーごと投入。パンのトースト設定で3分入れた後、取り出して、ホイルをかけて15分休ませる。この工程をもう一度繰り返す。※オーブン使用の場合は、250度に余熱したオーブンで同じように焼き上げる。
(4)フライパンでソテーしたホウレンソウとカットした肉を皿に盛り付け、ソースをかけて仕上げる。
本日のダンツマ達人…岩本光史さん
▽岩本光史(いわもと・みつし)
1977年、愛媛県西条市出身。大卒後、大阪リーガロイヤルホテル勤務を経て渡伊。3つ星の名店「レ・カランドレ」をはじめ、北イタリアで4年間修業。帰国後、銀座のイタリアレストランで調理長を6年半務める。2013年6月、同店オープン。
▽ドメニカ・ドーロ
イタリア語で「黄金の日曜日」を意味する。ゆったりとした時間を楽しめる店だ。国内外の有名産地の食材と地元愛媛県の食材を中心にオーナーシェフ自ら厳選した、こだわりの素材をイタリア料理に仕上げる。定期的な料理教室も開催し、食材の下処理からパーティー料理のプロのコツまで丁寧に教える。
東京都港区南青山2-14-20 B1
(日刊ゲンダイ2020年3月20日付記事を再編集)
フード 新着一覧