更新日:2022-06-17 06:00
投稿日:2022-06-17 06:00

幻だったの? どうしようもない孤独に涙が

――続けてください。

「実家に帰宅した後、私は両親に何事もなかったようにふるまい、そして、客間に用意されていた布団にもぐり込むと、声を殺して泣きました。

 先ほどまで彼と獣のようにまぐわっていたことなど、幻だったのかと思えるほど、どうしようもない孤独がこみ上げてきて……」

一方通行の恋だったら…切ない思いに苦悩する日々

――K君との連絡先の交換は……?

「はい……別れ際、彼とはLINEの交換をしましたが、正直『彼と抱き合うことは二度とないだろう』と、ぼんやりと感じました。

 根拠はありませんが、女の勘というか……彼はこの広大な北海道で家族と暮らし、私も東京に戻って夫と娘とともに『良き妻、良き母』を演じながら生きていくんだと思うと、悲しくなりましたね。

 夫も子供もいるのに何を贅沢な! とお怒りになる方もいると思いますが、人には人の数だけ悩みや苦しみがあるのだとしみじみ感じました。

 一方通行の恋だったら、これほど切なく苦しい思いをせずに済んだはずです。

 でも、私は知ってしまった。

 K君に抱かれる幸せと、すっかり開発されてしまった体を持て余し、これから何十年も生きていくかと思うと恐ろしくなってしまって……まるで、禁断の果実を食べてしまったアダムとイブを思いました」

――知ってしまったがために、後戻りできないことってありますよね。

「はい……こうしている今もK君との一夜が忘れられず、息苦しいほどです。

 LINEをしようかどうしようか迷っているうちにあっという間に時間が経って……もう彼の心には私の存在などないのでしょうね」

思いがけないLINE…嬉しいはずなのに

――E子さんからスマホに連絡があったのは、取材から1カ月後だ。

 思いがけなくK君からLINEが来たという。

――彼から連絡が?

「はい、8月に仕事で3日間ほど上京するから、可能なら逢えないか? というものでした。もちろんOKしました。彼とまた目くるめく時間を過ごすことができるのかもと思うと、今からドキドキして……」

――それは嬉しいですね。

「はい、嬉しくて……でも、どこか怖くて……」

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

エロコク 新着一覧


ホスト依存と買い物依存は根っこが同じ…女性たちが貢ぐなぜ
 ホストに貢いでしまう女性のことが、しばしば話題になります。その時なぜか、ホストは常に悪者扱い。「あんなに貢がせてヒドイ...
内藤みか 2019-03-07 17:24 エロコク
マッチングアプリで2回目デートに誘われるための2つの法則
 マッチングアプリを使った出会いも当たり前になってきましたね。月に何回もデート相手が見つかるようになっている方もいると思...
世界のTENGAのカップル向け商品 オススメは騎乗位か正常位
 先月から始まった「幸せになれるラブグッズ」ですが、幸せといっても、1人で感じる幸せ、2人で感じる幸せと、それぞれありま...
桃子 2019-11-12 04:34 エロコク
マッチングアプリで外国人とも出会えるこのごろですが……
 歌舞伎町で27歳の女性が、自称英国人の男性にバッグを奪われそうになったうえに刃物で切りつけられる事件が発生しました。女...
内藤みか 2019-03-04 06:00 エロコク
出会い編<1>精神的にも年齢的にも“一番遠い人”に一目惚れ
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものか。ホッ...
興味はあるけど…“出会い系”で会える男性って本当はどう?
 最近、男女の出逢いのきっかけとしてめざましい発展を遂げている出会い系サイトやマッチングアプリ。  けれどプロフィ...
初めての中イキ体験できるかも 輪っかの持ち手がポイント
 目にした瞬間に「あ、これは気持ちよさそう」と思うバイブがあります。サイズや素材もそうですが、私はその形状を見てそう思う...
桃子 2019-11-12 04:34 エロコク
なぜ人気? 女ですがVRでアダルト動画観た感想を書きます
 今、アダルト動画ランキングに異変が起きています。大手動画サイトのランキングは、その半数近くがVR動画になっているのです...
内藤みか 2019-08-27 16:21 エロコク
常連客は若い男性…高齢者風俗嬢は世界的に増加するのかも
 あたらしいもの好きの作家・内藤みかです。最近は性風俗の高齢化について考えています。  人生100年時代と言われる...
内藤みか 2019-03-12 16:20 エロコク
まずは老人愛=ジェロントフィリアについてお話しします
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものか。ホッ...
試したいけど言い出せない…「ソフトSM」おねだりの仕方
 女性もセックスに積極的になってきたとはいえ、まだまだ自分のやりたいことなど口に出すのは恥ずかしい、という人が多いのでは...
一目惚れしたローター…鮮やかなかわいい黄色が心躍らせる
 まだラブグッズを使ったことがないという女性には、まずバイブレーターではなくローターを使うことをオススメしています。昨今...
桃子 2019-11-12 04:34 エロコク
どちらも痛いけど…DVとSMの違いについて考えてみました
 こちらでは、はじめまして。作家の内藤みかと申します。私は、あたらしもの好きです。いろいろな新しいモノやコトを試したり観...
内藤みか 2019-03-06 20:31 エロコク
機能もルックスも超優秀…多彩に快楽を引き出す最新バイブ
 はじめまして、バイブコレクターの桃子です。これまで国内外のラブグッズ350種超を試してきた経験から、どんなグッズがいい...
桃子 2019-11-12 04:33 エロコク