酸味と香りを楽しむ「ナスと豚しゃぶの梅干しカレー」

コクハク編集部
更新日:2019-05-31 04:17
投稿日:2019-05-06 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷のカレーバー「ヘンドリクス 」の若林剛史さんに、爽やかな酸味の「ナスと豚しゃぶの梅干しカレー」のレシピを教えていただきました。

 東南アジアで重用される調味料のひとつに「タマリンド」があります。マメ科の常緑高木で、その果実を料理の酸味づけに使います。本場インドでも、スパイスの香りを引き立て、味を引き締めるのに欠かせないものですが、日本ではあまり馴染みがないのが現状です。

 そこで、若林さんは梅干しを使うことに。今回は、ナスと豚肉で作るカレーに合わせました。

 梅干しを、日本酒と砂糖でのばしたペーストを決め手にしたルーを口に入れると、まず、まろやかな酸味と爽やかな梅の香りが広がります。あとを追ってくる3種のスパイス、ナスを炒めるのに使ったごま油の風味が重なり、彩りで添えたパクチーと一緒に豚肉を口に放り込めば、「香りのごちそう」といったアンバイ。

 ビール、白ワインが進む一品ですが、合う酒はあえて、「ホッピー」としました。「ホッピーLOVER」を自任する、若林さんの推薦です。

「ホッピー好きが、ホッピーに合わせるために考えたツマミです。冷めてもおいしいですよ」

 なるほど。ホッピーのほのかな苦味に、梅干しの酸味が確かに合いますね。

【材料】

・長ナス 1本
・豚バラ肉(しゃぶしゃぶ用) 100グラム
・ごま油 小さじ2分の1
・ショウガ 適量

※ルー
・梅干し 大2個
・日本酒 100㏄
・トマトジュース(無塩) 150㏄
・クミンパウダー、コリアンパ ウダー 各大さじ2分の1
・ターメリック 小さじ2分の1
・砂糖 小さじ1

【レシピ】

1. ルーを作る。中火にかけたフライパンに、種を取った梅干しを入れ、潰しながら、日本酒と少量の水でのばす。トマトジュース、砂糖、スパイス3種を加え、軽く煮詰める。
2. 別のフライパンにごま油を引き、ナスとショウガの千切りに塩をひと振りして炒める(ナスは横半分に切ったものを、縦に5ミリ幅のスライス)。火入れはさっとでいい。
3. 炒めたナスにルーを入れ、豚肉を加えたら、フタをして弱火で蒸し煮にする。
4. 豚肉に火が通り、ナスがしんなりしたら、パクチー(分量外)を添えて完成。

今日のダンツマ達人…若林剛史さん

▽わかばやし・たけし
 1971年、浅草生まれ。グラフィックデザイナーを目指していた19歳のとき、アルバイト先で厨房に入ったのをきっかけに料理の世界へ。22歳で現在の店を任されて以来、独学でスパイス料理の研究に没頭する。

▼ヘンドリクス
 渋谷区神宮前に店を構えたのが1994年。カレー激戦区といわれる界隈のトップランナー的存在だ。昼はスパイスの効いた定番のチキンカレーなど4種が用意され、ライスと自家製のナンが両方楽しめるセットが人気。若林さんのアイデアとセンスがあふれる料理が日替わりで20品以上も用意される夜の部も連日大盛況。予約必須だ。
渋谷区神宮前2―13―2 ユハラアネックスビル1F
℡03・3479・3857

(日刊ゲンダイ2018年3月28日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「新玉ネギの和風ビネグレットサラダ」煮切り醤油でコク出し
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のビストロ「スリジィエ」の山本延年さん...
ポテサラ風に食べる「おからサラダ」はヘルシーおつまみ!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに...
「キュウリとミョウガのシードル漬物」これはオトナの浅漬け
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
豆腐でエスニック!?何度でも作りたくなるヘルシーサラダ♡
 今回はおうちで簡単に作ることができるエスニックサラダをご紹介! 豆腐を使っているのでヘルシーに仕上がっているのもうれし...
ぐっち夫婦 2020-04-25 18:02 フード
春を感じる上品な濃厚さ「蛤と菜の花と大麦のヴァポーレ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...
スイーツ好き店主が作る華やかな「ガナッシュタルト仕立て」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡市・大濠公園近くのフレンチ「TTOAHISU...
「レンコンくわ焼き」皆が大好きな人気メニューを組み合わせ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、紅し...
「里芋のエビあんかけ」宝石箱のイメージで盛り付けて♪
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の和食店「酒と肴 類」の菊岡正輝さん...
アンチョビー感覚で「サバのへしことブロッコリーの炒め」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の創作和食店「やまだや」の高山和慶さん...
「菜の花のゴマクミン和え」スパイスふりかけがアクセント
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神宮前のカレーバー「ヘンドリクス」の若林剛...
「ホタテ貝柱のフリット」ブロッコリーとの黄金の組み合わせ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は山形・鶴岡のイタリアン「アル・ケッチァーノ」の奥...
「焼き油揚げとエノキの中華和え」歯ざわりも楽しめる一品
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...
「鶏レバーの玉ネギソース炒め」レバーが苦手な人でも大丈夫
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
「鯛の竜田揚げ」お酒好きの店主が考案した理想のおつまみ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに...
未経験の食感にびっくり!「レーズンバター」をおウチで作る
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...
手抜きでもおいしい! 食欲そそる「ニンニクの芽の素揚げ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さん...