理想のご主人様と思ったら…あまりの体毛に舌と唇がKO負け

深志美由紀 官能作家
更新日:2019-06-03 06:00
投稿日:2019-06-03 06:00
 深志美由紀の実録出逢い系体験談、第3回です。
 いつの間にか、普通のセックスでは興奮できない――SM系のプレイにハマッた私は、S男性に狙いを定めて出逢いを求めるようになっていました。

イケメンでラッキー!?

 その日も、私はSM系のチャットで知り合った男性と待ち合わせをしていました。

 ちなみに私の特殊?なM的嗜好として、相手の顔写真などはなるべく事前に確認しない方が好きです。

 待ち合わせ当日、その時までどんな人が来るか分からないドキドキ感を愉しむのですが、危険なので他の人にはオススメできません(笑)。

 というわけで、その日もどんな相手が来るのか分からぬまま待ち合わせ場所に向かったわけですが――なんと、その日のお相手はなかなかのイケメン。

 スタイルもよく、体を鍛えている様子で、物腰も爽やかな上に服装もオシャレ。とても格好いいのです。

 これはラッキー!私たちは初対面の挨拶を済ませ、早速ホテルへと向かいました。

(ちなみにこの流れも普通でしたらオススメできません。皆さんが出逢い系を利用する際には、初回はカフェなどで会話を楽しむ顔合わせから初めてくださいね!)

プレイもドキドキ。しかし……

 いざプレイが始まると、これがまた、いいのです。

 詳細は省きますが、彼の態度は実に自然にご主人様然としていて、プレイに入った途端に目付きが冷たく変わり――ステキ!

 私はドキドキしながらプレイを進めてゆきました。

 ところが軽い責めが終わって、いざベッドへ上がったところから少々様子が変わってきたのです。

 服を脱いだ彼は、見た目のさっぱりイケメンさとは裏腹に、なかなかの剛毛。胸板のほとんどがわっさわっさと毛にまみれています。ちなみに、私は男性の体毛が嫌いではありません。

「ワイルドでステキ」と思いつつ、彼の命令を待ってると、彼は言いました。

「乳首を舐めなさい」

 もちろんお安い御用とばかり、私は全身リップの要領で彼の上半身を舌で愛撫しました。そしていよいよ乳首に到達。

 しかし、ここで問題が。そう。とにかく毛。毛が口に入る。そして、唇や舌や頬を擦りまくるのです。もちろん乳首の周りにも毛、毛、毛。

 そのまま30分余りもひたすら乳首や体を舐めるよう求められ、ブラシのような毛に擦られた私の舌と唇はヒリヒリと腫れてしまいました。

 その後、数日間はタラコのような唇で過ごすハメに……。

 ああ、それさえなければ本当に理想のご主人様だったのに――。

 私の粘膜は毛に勝てなかった。今でも心残りのある思い出です。

深志美由紀
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官能作家
集英社ノベル大賞佳作受賞にてデビュー。2010年「花鳥籠」
で第一回団鬼六賞優秀作受賞、同作13年映画化。新聞や電子書籍など、男性のみならず女性にも受け入れられる官能小説を多方面で執筆。著書に「ゆっくり破って」(イーストプレス)「美食の報酬」(講談社文庫)など。自他ともに認めるダメ男好きで、自らの体験を活かしたエッセイ漫画なども配信中。

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