62歳の童貞・山口明が語る二刀流時代「大谷君より早かった」

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2023-09-08 10:47
投稿日:2023-05-13 06:00

大谷よりも早い? 自称「元祖・二刀流」

 ──ところで、「プロ童貞」を名乗り始めたのはいつ頃なんですか?

 それがさ、フリーになってから仕事は大忙しで、酒も飲まないのに毎日タクシーで深夜帰宅という日々を送っていた45歳くらいの頃に「40歳の童貞男」ってアメリカのコメディ映画が公開されたんだ。

 内容はタイトルまんまで40男の脱・童貞作戦を描いているんだけど、そのタイミングで「本当に40歳を過ぎた童貞がいるらしい」と雑誌に紹介されるようになって、その後も定期的に取材を受けるようになった。デザイナーと童貞の二刀流って、考えてみたら大谷翔平よりも早かった。元祖・二刀流だよね~。

 ──それ、いろんな人から怒られるやつですよ!

 そう?(意に介さずに)だけど、50歳を過ぎた頃からデザインの仕事がどんどん減っていった。理由はいろいろとあったんだろうけど、一番はオレってケイタイもパソコンも持ってないんで、データ入稿も出来ないし連絡も取りにくかったんだ。

 すでに21世紀に入って10年も経ってた頃にそんなだから、そりゃあ仕事がなくなって当然だよ。まあ、今でもどちらも持ってないんだけど。

 でも、その頃から童貞関連の仕事が多くなってきた。ネットで連載を持ったり、「5時に夢中!」(TOKYO MX)で紹介されたり、トークイベントをやったり。雑誌にもちょくちょく出てたね。当時はオレみたいな中年童貞ってレアキャラで珍しかったんだろうな。

 それで気がついたら、世間に向けてオレの童貞としてのポリシーとかリアルな性体験(?)を赤裸々に伝える、ほぼ「童貞の仕事」だけになってたんで、この頃から「プロ童貞」と自己申告するようになるんだ。

親の介護でデザイナー引退、自伝を出版?

 突然だけど、氷室京介とシャネルとオレの共通点ってわかる? 3人とも56歳で引退してるんだよ。自分で言っちゃうけど、レジェンドの条件だね(笑)。シャネルは70歳で復活するんだけどさ。

 話を戻すと、56歳の時に年を取った両親の介護のために仕事をやめた。デザインの仕事はもうほとんどなかったし、自分の中でやり切った感もあったので未練はなかったね。その2年後に父親が亡くなり、母親の認知症がかなり進行しちゃったんで施設でお世話になる事になった。

 もちろん大変だったけど、介護が少し落ち着いたタイミングで、なぜだかオレの人生をまとめた本が出版されたり、映画雑誌でコラムを書いたり、Netflixの番組に出演もした。今回だって新たに連載の話をいただいたわけで、考えてみればなかなか楽しい老後だよ。

 仕事はやめたけど、こういう事があるから人生って面白い。やっぱり、このルックスとセンスを世間が放っておかないんだな……。(宙を見つめて完全に自己陶酔の境地、そして無言)

 ──おーい、早く現実に帰って来てくださいよ!!

 おっと! さて次回、いよいよ新連載の全貌が明らかに……って、そんな大袈裟な話でもないかぁ~。皆さん、DOなのYO!!

(聞き手・箕浦恵理/コクハク編集部)

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


えっ転移? 子宮頸がん術後に襲いかかる後遺症リスクのお話
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
やっと会えたね♪ 水辺でデートを楽しむ幸せ“にゃんたま”
 望遠レンズを覗いていると……きょうのにゃんたまωは、水辺で決闘!?  いいえ、水辺で逢い引きです。  雨が...
オンナが恋愛ネガティブになる“不幸のスパイラル”脱出法とは
 いつからだろうか? 仕事は楽しくできるのに、プライベートではなぜかネガティブ。特に恋愛に関しては腰が重い。 「この人...
犬を飼いたいと思ったら…救える命があることも知ってほしい
 近ごろは空前のペットブームですね。「犬って可愛いなぁ」と思う人も多いのではないでしょうか。散歩をさせている犬をみれば「...
小さな優しさが呼んだ奇跡…ワタクシは花のチカラを信じます
 死ぬまでにしたいことはなんですか――? そんなことを突然聞かれても、どれだけの方が答えられるのでしょうか。  あ...
大人のストレス発散方法5つ! イライラ社会をどう生き抜く?
 日々、ストレスを感じることは多くあります。仕事や人間関係でどうにもならないことに遭遇すると、やきもきしてしまいますよね...
愛しいあの子を待ち伏せ…気品あふれる白い“にゃんたま”王子
 きょうは、幸せの白いにゃんたまω。  綿アメみたいにふわっと品性あるにゃんたまなので、「白にゃんたま王子」と名付...
身近な人の変化に気づいて 認知症の兆候が疑われる3つのこと
 身近な人の変化に「認知症かも……」と疑いたくなることはありませんか? 認知症が社会的な話題となり、「もしかして」と思う...
ストレス発散や美肌にも…キックボクシングで女性の悩み解決
 働き方改革で残業が少なくなりアフター5(ファイブ)を楽しむ時間の余裕ができた今日この頃。早く帰っても何をしたらいいのか...
いよいよ子宮全摘へ 入院女子が涙した必須&便利グッズ17選
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
暑い日はずっとシエスタ…大事な“にゃんたま”を冷やす後ろ姿
 暑い日をどう過ごすか。  きょうは「夏だって毛皮を纏ってるぜ!」のにゃんたま君の知恵を拝見しましょう。  ...
ピルでツルツル肌に? 知っておきたい8つのメリットと危険性
 ピル連載も4回目。第1回目の「日本はピル後進国!『ピル=避妊』の考え方は遅れています」でも少し触れましたが、今回は、ピ...
勤務時間が長い! “自分しかできない仕事”をゼロにする方法
 定時上がりは憧れるけど、いつも勤務時間内に処理しきれず残業――。当然、プライベートの時間はカット。1日1時間の残業で、...
不妊症大国ニッポン…卵子凍結で産みたい人が産める社会へ
 子供を産みたい人がちゃんと産めるような社会にしたい。不妊治療で悲しむ人をゼロにしたい。これが私の願いであり、目標です。...
ワンオペ育児の日本と違う…台湾の妻が悩む“親戚の過干渉”
 国や地域によって、育児にまつわる文化の違いは様々ですよね。日本では日々忙しく過ごしているワンオペ育児ママが沢山いらっし...
「サボテン」には感情が? あなたの優しい言葉がトゲを抜く
「スマホをやりながら寝るのって絶対に睡眠妨害されてますよ。」  最近ワタクシの体メンテナンスをしてくださる方から言...