「かすべのレモンソース」ひと手間で軟骨がぐっと柔らかく

コクハク編集部
更新日:2019-06-17 06:00
投稿日:2019-06-17 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・小樽のロードレストラン「シルフィード」の遠藤稔さんにコラーゲンたっぷり「かすべのレモンソース」のレシピを教えていただきました。

かすべは軟骨を味わいたい

 夏を乗り切る簡単料理をリクエストしたところ、遠藤総料理長が最初にチョイスしたのは“かすべ”。ガンギエイ科の魚の通称で、エイのことをいいます。北海道では煮付けで食べるのが一般的。コラーゲン豊富で多くの人に好まれているそうです。

「多めの油でじっくり焼くことによって、中の軟骨を軟らかくするのがポイントです。弱火で焦げない程度に片面5分、両面で10分くらいでしょうか。軟骨が嫌で取り除く人もいますが、かすべはやはり、軟骨を味わっていただきたい」

 ここまでは至って、簡単に調理できそうですが「難しいといえば難しい」と前置きした上で、もうワンポイント、プロの焼き方を伝授してくれました。

「我々の場合、鍋の油の温度を調整しながら焼き上げます。温度が高くなってきたらフライパンを火から外して温度を下げ、冷めてきたらまた火にかける。これを何度か繰り返すと、軟骨がかみ砕きやすくなり、さらに食べやすくなります」

 食欲が低下しやすい酷暑にもピッタリ。レモンの酸味に加え、肉料理によく使うクレソンを添えることでシニグリンという成分が食欲増進、胃もたれ解消の効果を促してくれます。冷蔵庫で保存するのは軟骨が固まってしまうため、ご法度とのことですのでご注意を。

【材料】

・かすべ(エイ) 150グラム
・塩コショウ    少々
・小麦粉      適量
・サラダ油   100㏄
・玉ネギ   4分の1個
・輪切りレモン   2枚
・クレソン     適量

※レモンソース
・水   50㏄
・砂糖  25グラム
・でんぷん 4グラム
・ポッカレモン  50㏄

【レシピ】

1. かすべ(エイ)を適量の大きさに切り、塩コショウをして、小麦粉をまぶす。
2. フライパンにサラダ油を入れ、かすべを揚げ焼きする。
3. 両面をカリカリにし、火が通ったら皿に移す。水でさらした玉ネギを引いて、輪切りレモンとクレソンを添える。
4. 鍋に最初は水、次に砂糖とでんぷんを入れてよく溶かす。最後にポッカレモンを入れたソースを、弱火でとろみがつくまで温める。
5. 4のソースをかけて出来上がり。

本日のダンツマ達人…遠藤稔さん

▽えんどう・みのる
 1968年、小樽市生まれ。15歳で調理師の道を志し、丸井今井・小樽店のレストランで中華料理専門のシェフとして勤務。20歳の時に札幌市西区のホテルヤマチ、29歳で小樽朝里クラッセホテルに移り、副支配人・総料理長として現在に至る。「小樽あんかけ焼そば親衛隊」の一員で、ご当地グルメでのまちおこしに尽力。日本中国料理協会小樽支部副支部長、薬膳調理指導員。

▼シルフィード
 小樽の奥座敷、朝里川温泉郷にある小樽朝里クラッセホテル内のロードレストラン。4種の肉(牛、豚、鶏、羊)と魚(鮭)をミックスしたオリジナルの「ハイブリッドミート」を使った寄せ鍋、ハンバーグステーキ、黒酢入り甘酢あんかけは健康メニューとして絶大な人気を誇る。温泉入浴とのセットも好評。
小樽市朝里川温泉2―676
℡0134・52・3800
営業時間10~22時(ラストオーダー20時30分)、平日14時30分~17時は喫茶のみ

(日刊ゲンダイ2018年8月28日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


年越し蕎麦はワインで決まり!「辛口カヴァ」が超絶合うワケ
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2022-12-28 06:00 フード
団子が焼ける! コメダ和喫茶おかげ庵ルポ 2022.12.27(火)
 みなさま、コメダ珈琲店でお好きなメニューは何ですか? クリームたっぷりの看板メニューシロノワール? それともメニューよ...
クリスマスイブにぴったり! ラム酒を利かせた「生チョコ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は京都・梅小路京都西の「西洋茶屋 山本」の山本智弘...
「焼きカチョカバロと洋ナシ」洋ナシのコンポートに七味の妙!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は京都・梅小路京都西の「西洋茶屋 山本」の山本智弘...
新大久保で流行りの屋台グルメを食べ歩き 2022.12.20(火)
 いまや渋谷や原宿と並んで、流行の最先端の街といわれる新大久保。コロナ禍もあって、食べ歩きがなかなかできていなかったので...
ゾンビのように疲れた日に「レンジであったかチゲうどん」
 2022年も残すところ2週間弱。世間はクリスマスモード一色だけどさ……。今年中に納めなくちゃいけない仕事はまだまだある...
およね 2023-05-31 14:56 フード
山口下関「大衆酒場 三枡」で旬のふくを!2022.12.17(土)
 山口県の下関といえば、やっぱり「ふぐ」(※)。今が旬の高級魚を求めて、東京駅始発の「のぞみ」に飛び乗りました。 ...
「マッシュルームのひと皿」生と焼きで味も食感も全然ちがう
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・中目黒の「Bar à Vin ムッシュヨー...
寒い夜には「おでん」と“ベストマリアージュ”の白ワイン!
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2022-12-14 06:00 フード
「鶏手羽のエーグルドゥース」つやつやの手羽中がホロリ!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・中目黒の「Bar à Vin ムッシュヨー...
脱・惰性ランチ!卵かけご飯をチンして「即席チャーハン」に
「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《ひとり分の分量で》《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》作れちゃうレシピ...
およね 2022-12-05 06:00 フード
泡に合う! きゅうりとみょうがのピクルス 柚子こしょう風味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・中目黒の「Bar à Vin ムッシュヨー...
会員制パフェバー「Remake easy」がすごい!2022.12.1(木)
 みなさん、今どきの若者はどこでデートしているか知っていますか? コロナの影響で、飲食店や居酒屋などは閉店時間がめっぽう...
価格2倍のボージョレは無理!感動級“山梨ヌーボー”はいかが
 フリーアナウンサーの市野瀬瞳です。ワイン好きが高じて猛勉強の末、ワインエキスパートと世界共通のワインの国際資格である「...
市野瀬瞳 2022-11-30 06:00 フード
新食感! ファミマ新作スイーツ実食ルポ 2022.11.29(火)
 11月も残すところあと1日。冬の気配が近づいています。寒くなると甘いものが欲しくなりません? つめたーい風にこわばった...
「へしこあぶり梅干しの大根サラダ」白ワインと一緒にどうぞ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神楽坂の「そば・郷土料理 九頭龍蕎麦本店」...