「サバの味噌煮缶とトマトの煮込み」2つの酸味が味に深みを

コクハク編集部
更新日:2019-07-10 06:00
投稿日:2019-07-10 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のイタリアン「あつあつ リ・カーリカ」の堤亮輔さんに、お手軽な缶詰めおつまみ「サバの味噌煮缶とトマトの煮込み」のレシピを教えていただきました。

酸味の多重奏こそがおいしさの秘訣

 すっかり定着したサバ缶ですが、ダンツマ界においてもしかり。

「単純に、簡単でおいしいですよね。水煮でもいいのですが、それだと当たり前でつまらない。味噌煮のほうが甘味があるので、そこに酸味と辛味を加えることで、どこかエキゾチックでおもしろい、でもプロっぽい料理になるんです」

 おいしさの秘訣はレモンを皮ごと一緒に煮込むことだそう。「レモンは皮に香りがあるんです」と堤シェフ。さらには、レモンの酸味だけでなく、赤ワインビネガーを加えることもポイントです。

「酢と柑橘の酸味は別もの。それぞれの酸味があるからこそ、味わいに広がりが出るんです」

 ひと口食べるごとに、甘くて酸っぱくて、そして後から辛さがやってきます。これは間違いなく酒を呼ぶ味ですね。

「柑橘系のホップの香りがあって、ちょっと苦味のあるしっかり系のクラフトビールが合うと思います」

【材料】

・サバの味噌煮缶 100グラム
・トマト水煮缶  200グラム
・セロリ       1本
・レモン 8分の1×2個
・ニンニク(みじん切り)  2分の1片(8グラム)
・オリーブオイル 大さじ1
・赤唐辛子(種を除く) 1本
・クミン     2つまみ
・赤ワインビネガー 小さじ2
・塩 適量

【レシピ】

1. セロリは葉と茎を分け、茎は斜め1センチ幅のざく切り、葉は3枚分を細かく刻む。クミンはフライパンで、から煎りにするかオーブンでローストする。
2. 鍋にオリーブオイルとニンニクと赤唐辛子を入れて弱火にかける。香りが出てきたらトマトの水煮と1のセロリの茎を入れて混ぜ合わせ、塩ひとつまみを加えて中火で煮る。
3. セロリに火が通ったら、サバの味噌煮を汁ごと加える。さらに1のクミンをひとつまみ、赤ワインビネガー、レモンを搾りながら汁を加え、皮も一緒に鍋に入れて煮る。
4. サバが温まったら器に盛り、残りのクミンをふり、セロリの葉を散らす。

本日のダンツマ達人…堤亮輔さん

▽つつみ・りょうすけ
 1978年、熊本県生まれ。大学生のとき、居酒屋とイタリア料理店でのアルバイトを機に料理人を志し、中退して1年間イタリアへ。帰国後、辻調理師専門学校で学び、フランス料理店で3年間働いた後、イタリア料理へ。東京・駒沢「トゥ セイ グランデ」の料理長を経て、2013年に学芸大学に「オステリアバル リ・カーリカ」、15年に都立大学に「カンティーナ カーリカ・リ」、17年に学芸大学に「あつあつ リ・カーリカ」を開く。

▼あつあつ リ・カーリカ
 東急東横線学芸大学駅から徒歩2分。イタリアの郷土料理をベースに、和のテイストも織り交ぜた創作料理と自然派ワインが楽しめるバル。わずか7坪の店内はカウンター12席とスタンディングのみ。
東京都目黒区鷹番2―20―4
℡080・4858・2233
18時~翌1時(LO) 不定休

(日刊ゲンダイ2018年11月28日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「生姜のアチャールっぽいもの」をかけていただく冷ややっこ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、横浜・関内の「Spice Drunker やぶ...
ジップロックを使って蒸す「鶏もも肉とニラのスタミナ蒸し」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、奈良・北葛城郡のアジア料理店「Asian Ga...
ピリ辛ネバネ~バ!絶品のオクラキムチ 2021.7.18(日)
 一年中手に入るオクラですが、旬は夏。それはもう別格ですよね。大きいのに硬くなく、張りやつやもしっかりあって。種類もスー...
夏野菜たっぷり「中国風冷ややっこ」 食欲減退気味な時にも
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、奈良・北葛城郡のアジア料理店「Asian Ga...
「ナスと豚ひき肉の甘味噌炒め」白ご飯にのせても美味しい!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、奈良・北葛城郡のアジア料理店「Asian Ga...
「スルメイカの香り揚げ」紹興酒と醤油で味と香りが引き立つ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、奈良・北葛城郡のアジア料理店「Asian Ga...
「エビとトウモロコシの春巻き」旬の素材の味を引き出して
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、奈良・北葛城郡のアジア料理店「Asian Ga...
「納豆工房 せんだい屋」で納豆愛に溺れる 2021.7.9(金)
 納豆が好きです。かれこれ3年くらい毎朝納豆を食べています。たいていの不調は納豆を食べておけば何とかなる! と思っていま...
「京漬物のカプレーゼ風」かぶ&モッツァレラの絶妙コラボ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・門前仲町の居酒屋「酒亭 二ぶん半」の武井...
目玉焼きが簡単に驚くほどおいしくなる魔法!2021.7.8(木)
 目玉焼き。それは卵を割って焼くだけという実にシンプルなお料理ですが、何個、何十個、何百個、何万個(!)と焼いても「これ...
「つぶ貝 酒盗和え」スーパーのつぶ貝にひと手間加えるだけ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・門前仲町の居酒屋「酒亭 二ぶん半」の武井...
材料は2つだけ!「セロリゆかり漬け」セロリ漬けの新定番に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・門前仲町の居酒屋「酒亭 二ぶん半」の武井...
手軽で簡単! お味噌汁のついでに作れる「アサリ醤油漬け」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・門前仲町の居酒屋「酒亭 二ぶん半」の武井...
「〆サバ天婦羅 甘酢あんかけ」つゆも塩も不要でおいしい!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・門前仲町の居酒屋「酒亭 二ぶん半」の武井...
甘いおつまみ「紹興酒漬けレーズンとバニラアイス山椒かけ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、神奈川・鎌倉の創作中華料理店「かかん」の小出幸...
「茹で鳥のネギソース」ゴマ油が香る“万能ダレ”で夏バテ予防
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、神奈川・鎌倉の創作中華料理店「かかん」の小出幸...