性悪女の夫は黒ストッキングフェチ…倒錯プレイに溺れて #4

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-12-06 15:59
投稿日:2023-11-24 06:00

心の中で罵倒しながらアドバイスを

――涼介さんは妊娠のこと知ってるの?

 私は声を潜めて聞きました。

――まだ伝えてない。妊娠には気をつけていたんだけど……病院に行ったら、3カ月だった……。

――まずは涼介さんに相談したら?

 私は困惑顔を見せながらも、心の中では『バチが当たったのよ』と罵倒しながら、アドバイスをしたんです。

――でも、彼に嫌われないかが心配で……彼モテるから……。

――確かに、あのイケメンならモテるでしょうね。そして、そんな男に限って、面倒なことが起きたらさっさと逃げるタイプよ。

 腹の底で笑いながら、ユリさんにショックを与えたんです。案の定、

――そんなひどいこと……よく言えるわね。

 彼女は私をにらんできたんです。

――あら、初めての既婚者合コンで涼介さんとキスしてた時、私を小バカにした発言をしていたのは、ユリさんのほうでしょう?

 その言葉にユリさんは頬を引きつらせて、黙り込んだんです。いい気味でした。同時に、彼女の夫を寝取っているという優越感にも浸りました」

友人の夫の意外な性癖

――続けてください。

「ユリさんとの件は素知らぬふりで、夫の和也さんとの関係も続けました。彼、ユリさんが言った通り真面目で、私に対しては誠実です……。あ、既婚者合コンで不倫しているのに『誠実』だなんて、笑っちゃいますよね。

 ただ、日ごとにセックスの相性も良くなっていくし、徐々に彼の性癖も知ることとなったんです。

 彼、極薄の黒ストッキングが好きだそうで、私にプレゼントしてくれたんです。

――今日はこれを身に着けてくれないか?

 ラブホテルの一室で、私はイタリア製の高級ストッキングを渡されました。20デニールのそれは、後ろ側にシームが入ったセクシーなもの。

――ありがとう。セクシーでステキね。

 受け取った私が笑みを向けると、

――今日はこれを直ばきして欲しいんだ。

 ちょっと照れたようにリクエストしてきたんです。彼にそんな性癖があったとはちょっとびっくりですが、私はもちろん応じました。

 シャワーを浴びる時も、いつもとは違った意味でセクシーな気分になりますね。

 バスローブを羽織り、直接ストッキングをはいて、彼の前に現れたんです。ひざ丈のバスローブから伸びた黒ストッキングの脚を見るなり、彼は目をぎらつかせました。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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