3度目でも終わらせ方が迷宮入り コロナ禍で不倫の掟を破った50男の困惑

並木まき ライター・エディター
更新日:2024-01-06 06:00
投稿日:2024-01-06 06:00

ズルズルと関係が続いてしまって

 ため息をつきながら、苦々しそうに話すシンゾウさん。

 このまま今の関係をいつまでも続けるわけにもいかないと考えているものの、打開策や解決策も見つからないといいます。

「僕には家庭がありますからね。咲子の面倒をこれからもずっと見続けるのは、不可能です。

 だけど今は生活費まで渡している仲ですから、お金を切るタイミングが難しい。

 僕がお金を渡さなくなれば、咲子は途端に生活に困るでしょうし。人って生活水準を上げるのは簡単でも、下げるのは大変じゃないですか。

 僕のせいで咲子にそういう思いをさせるのはかわいそうなので、ズルズルとコロナ禍のときのままの関係が続いているんです」

なかなか言い出せない

 シンゾウさんとしては、そろそろ咲子さんの家で会う関係は終わりにしたい気持ちがありながら、なかなか言い出せずにいるとのこと。

 何かいい方法はないものかと日々、考えているそうです。

「俺から今『もう家に行くのをやめるよ』なんて言ったら、勘のいい咲子は、その次には生活費を切られるって察しますよ。

 そうなると、咲子が慌てて困るのも目に見えています。

終わらせ方がわからない

 じゃあ“手切金”のようなまとまった金を渡せばいいのかなとも考えましたが、それだとお金の関係でつながっていたみたいで、なんだか下品だし、僕の美学に反します。

 近い将来、咲子との関係は終わらせるつもりではいますが、終わらせ方がわからないんですよ。

 これまでの不倫とは、いろんなことが違っているので…。50代にして、初体験ってところですかね。

 まぁ、そのときがきたら動こうと思います。こういう関係は、僕から言い出さないと、いつまでも終わらないとわかっていますから」

  ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。

 まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
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元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
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日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

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