36歳女医「婚外恋愛のきっかけは父の不倫疑惑です」ナンパで出会った年下男子は救世主か極悪人か?#1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-12-27 06:00
投稿日:2024-12-27 06:00

父との話し合いは決裂

 真正面から反対する久美さんに、父も不満をぶちまけてきた。

「父は『久美はサラさんに嫉妬してるのか? 遺産狙いだなんてあり得ない。それを言うなら、お前の夫だって遺産狙いじゃないか? 以前から医師と結婚しろと言っていたのに、久美は俺に反抗してあんな男と…』と、怒りの矛先を私の夫に向けてきたんです。

 もちろん反抗しました。私が『母さんへの裏切りは許せない。とにかく、サラさんとの再婚は認めないから!』と言えば、『じゃあ、こちらは勝手にやらせてもらう。その代わり遺産もこの家もお前には一切やらん!』と怒鳴られて…」

 久美さんは、母の思い出が詰まったこの家だけはあの女にくれてやるもんか! と激怒した。

「私は職場である大学病院近くの賃貸マンションに住んでいました。いずれは実家の病院で、開業医として第二の人生を歩もうと決めていたのですが、突然未来が遮断されてしまって…。

 夫に相談するのはためらわれました。普段から父を良く思わない夫を、家族のもめ事に巻き込みたくなかった…」

突然の出会い

 そんな時、久美さんにある出会いがあった。

「最寄り駅の前で若い男性に声をかけられました。『この辺りにおススメのカフェはありませんか?』って。キャリーケースを引いた長身の青年で、笑顔が可愛らしい素朴な印象でした。その時の私には、彼の笑顔がとてもまぶしくて…。

 お気に入りのカフェを数軒教えてあげると、『ありがとうございます。良かったら、一緒にお茶しません?』って。私、ナンパされたんです(笑)」

 結局、久美さんは案内がてら青年とカフェに入った。

「席に着いてコーヒーを飲みながら互いのことを話しました。彼は四国の大学に通う卓也くん(21歳大学3年/独身)。若いうちに都会の生活を体験したいと、1年間休学して東京に来たようです。

 上京して1週間、都内を巡りながら職を探していた時に私に声をかけたそうです。私が医師だというと『すごいな。久美さんて優秀なんですね』と無邪気に笑って…。これまでの鬱屈した気持ちが少しだけほぐれました」

 2人はLINEのIDを交換し、頻繁に連絡を取るようになった。

神様がくれた出会い?

「卓也くんは私より15歳も年下なのに、妙に肝が据わっているところがあって、どんどん惹かれていきましたね。職場の大学病院はまだまだ男性優位の世界で、女医がパワハラを受けることは当たり前です。

 夫とは疎遠ですし、父とは再婚問題で大モメ。『人生最悪と言ってもいいタイミングで神様がこの出会いをくれたのかしら』と思うほど心が温かなものに包まれて…。

 明るく行動的な彼は、出会って3回目には『仕事が見つかりました。法人相手にスマホを売る会社の営業です』と明るい声で報(し)らせてくれました。彼と会う時だけは、仕事の大変さも家庭内のモメ事も忘れられる…。

 私はますます卓也くんに惹かれていったんです。夫がいるにもかかわらず、15歳も年下の彼に…」

 続きは次回。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


どこからが恋? 心理から読み解く“女性が恋に落ちる瞬間”
 なんとなく気になる男性が現れた時、「これは恋なの?」と自分に問いた経験がある方は多いはず。頭で理解した上で行動に移りた...
孔井嘉乃 2019-04-15 06:00 ラブ
【日本橋編】個室ラウンジコンへ参戦 “IT地蔵オトコ”に警戒
 もたもたしてる間に、幼なじみは結婚して子育てするなど教科書のような人生を歩み始めた――。アラサーに突入して焦燥感が高ま...
高輪らいあん 2019-05-13 16:23 ラブ
新種「プレゼン合コン」で彼氏を作れる? 現場潜入レポート
 春の訪れを感じさせる3月末日、東京・東池袋にて「プレゼン合コン」なる聞き慣れないイベントが開催されました。情報をキャッ...
しめサバ子 2019-04-13 06:00 ラブ
わずか7日で構築された支配のパターン 美沙さんのケース#1
 最近、30代~40代の女性にまとわりついて苦しめるモラハラ男が増えています。  女の稼ぎをアテにするヒモ男や、女に依...
神田つばき 2020-01-11 07:08 ラブ
一見ハイスペでも…結婚できない「乙女おじさん」のタイプ
 一見すると、結婚相手として条件が揃っているような中年の男性が独身である場合「乙女おじさん」である可能性も潜みます。独身...
並木まき 2019-04-10 06:00 ラブ
45歳バツイチ男に“オバサン呼ばわり”されたアラサー女の悲劇
 女も30を過ぎるとシビアな婚活情勢をひしひしと感じるようになって、それまで目もくれていなかった「バツ有り男」も一気に視...
田中絵音 2019-04-09 06:00 ラブ
上品だから好き 年下男性が焦がれる熟女の“3種の神器”はコレ
 超年上を好む年下男子が増加中です。若くてイケメンでも30代や40代の女性とデートしたがるという不思議な現象が起きていま...
内藤みか 2019-05-29 16:39 ラブ
恋愛強者になるための最強の学問は“PDCA”と“統計学”である
 ビジネス書の世界では「PDCA」と「統計学」が大流行しています。PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Chec...
しめサバ子 2019-04-11 13:49 ラブ
【お菓子作り編・下】持参するエプロンには注意が必要
 もたもたしてる間に、幼なじみは結婚して子育てするなど教科書のような人生を歩み始めた――。アラサーに突入して焦燥感が高ま...
高輪らいあん 2019-05-13 16:24 ラブ
男性との食事で財布を出す? おごられておくべき相手とは
 気になる男性とのデートの際、どうしてもソワソワしてしまうのがお会計の時。財布を出すか出さないか、「どうするのがベスト?...
孔井嘉乃 2019-04-05 08:29 ラブ
夫は激怒…鬼嫁が放った姑にまつわるアンビリバボー語録3選
「鬼嫁」と呼ばれる妻たちは、夫や親族に対してアンビリバボーな発言を浴びせる人も少なくありません。一般的には、妻が気を使う...
並木まき 2019-04-04 06:00 ラブ
結婚相談所でうまくいかない女性が見直すべきポイント3つ
 結婚相談所でありがちなのが、「お見合いをこなせばこなすほど、うまくいかない」という事態。結婚相談所のブラックホールにハ...
孔井嘉乃 2019-04-03 06:00 ラブ
高級外車男と高級時計男…女性にとってヤバいのはどっち?
 皆さんの周りにも、おそらく一人くらいはいるのではないでしょうか?やたらと高級品を身に着けたがる「高級○○男」。彼らの中...
しめサバ子 2019-04-11 16:42 ラブ
【お菓子作り編・上】ファビュラスな男性はいるのか?
 もたもたしてる間に、幼なじみは結婚して子育てするなど教科書のような人生を歩み始めた――。アラサーに突入して焦燥感が高ま...
高輪らいあん 2019-05-13 16:25 ラブ
彼もその気に…イケメンを綺麗な“男の娘”に変身させる方法
 最近は女装をたしなむ男性も増えてきました。華奢な体つきの男性が女装をすると、女性が負けたと思うくらいの美しさを放つこと...
内藤みか 2019-04-01 07:13 ラブ
元嫁は疫病神? “離婚”で人生が好転した男性のコクハク3選
 離婚を推奨する気は毛頭ありませんが、世間には、離婚したことにより、結婚していたころよりも、明確なハッピーを実感している...
並木まき 2019-03-31 14:04 ラブ