今夜もぐっしょり…寝室温度をめぐって夫と大喧嘩!【医療専門者監修】寝汗は更年期だけじゃない?

コクハク編集部
更新日:2025-03-27 06:00
投稿日:2025-03-27 06:00

3. 更年期の不快な寝汗への対策は?

 病院を受診して寝汗が更年期由来による症状だった場合、適切な治療を行うなかで、セルフケアをとり入れるのもおすすめです。対策方法を4つご紹介します。

3-1. 運動習慣をつける

 適度な運動習慣は更年期症状の軽減を期待できます。ウォーキングやジョギング、ストレッチなどの有酸素運動を行いましょう。厚生労働省の国民栄養調査によると、運動習慣の基準は「週2回以上、1回30分以上、1年以上の運動」です。

 運動習慣がない場合は、いきなり無理をしない程度に、短時間の運動から始めてみましょう。

3-2. 食事内容を見直す

 タンパク質、ミネラル、ビタミンを中心に、バランスのとれた食事を意識して行いましょう。また、大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをする作用があるので、大豆製品を意識的にとりいれるのもおすすめです。

 からだに足りない栄養素を補う意味で、サプリメントの摂取もおすすめです。ただし、あくまでも栄養は食事メインで、サポートする役割としてサプリメントを摂取しましょう。

3-3. 家族と話し合う

 ひとりで抱え込まずに、家族に協力してもらいながら、更年期の症状を乗り越えていきましょう。

 就寝時の理想的な室温は、一般的に夏の場合は26~28℃、冬は18~23℃といわれます。もし家族が寝にくいという場合は寝室をわけ、ご自身が寝やすい睡眠環境作りを行うのもいいでしょう。

3-4. 漢方薬の服用

 更年期の寝汗の症状には、漢方薬の服用もおすすめです。漢方薬は、乱れた心とからだのバランスを整え、不調を根本改善に導くこと。

 また、漢方薬は植物や鉱物といった、自然由来の生薬をもとにして作られていて、一般的に西洋薬よりも副作用リスクが低いといわれています。毎日飲むだけなので、生活習慣を大幅に変えるのは大変という方でも、気軽に試すことができます。

 寝汗対策をするには、「ホルモンバランスや自律神経の乱れを整える」「からだに潤いを補い、内部の余分な熱を冷ます」「胃腸の機能を高める」といった作用を期待できる生薬を含む漢方薬を選びましょう。

<寝汗対策におすすめの漢方薬>

・加味逍遙散(かみしょうようさん):からだのエネルギーの巡りを整えることで、からだの熱を冷まし、のぼせやほてりを軽減します。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):胃腸機能を高めて、からだに潤いを与えることで、熱を冷まし寝汗を抑えます。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

4. 寝汗の原因を突き止め、適切な対処を

「多汗やほてりの原因は、更年期由来のものと、それ以外の原因によるものがあるわ。とくに、甲状腺機能亢進症は症状が似ているけど、治療方法は異なるので注意よ」

 えりのボスは、改めて寝汗の原因について説明しました。

「まずは病院で診てもらうことが重要なんですね。家族ときちんと話し合って、からだの不調に向き合おうと思いました」

 サトミさんから、不安げな表情は消えていました。

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくサトミさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


パール系を武器に!40代女性のニットで老け見え原因&回避法
 寒い季節になってくると、温かいニットを着たくなりますよね。でも、なぜか20代ではおしゃれに着こなせていたニットも、40...
不安感いつまで?プレ更年期「ぐるぐる思考」への向き合い方
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
朝夜実録レポ!たった3000円で“褒められ毛穴”になる簡単テク
 秋が深まってくると、毛穴まわりが気になりませんか? 汗や皮脂の影響を受けやすい夏を終えると、特に小鼻などの黒ずみや毛穴...
最強の防寒具?「バラクラバ」アリかナシか 2022.11.8(火)
 この冬“最強”の防寒グッズとして注目されている「バラクラバ」。2021年頃からロエベやルイ・ヴィトン、グッチやミュウミ...
何を着たらいいかわからない40代必見! 基本のワードローブ
 40代になると、体型の変化で今まで着ていた服が着られなくなったり、節約生活でファッションにお金をかけられなくなったりと...
ドンキPBの吸水ショーツ&低用量ピルで生理中でも楽しくラン
 スポーツの秋ですね! 秋晴れの下、思い切り体を動かすのは気持ちがいいですよね。ストレス解消やダイエット目的などなど、運...
私の髪よ…プレ更年期の抜け毛・薄毛はセルフケアで対策OK!
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
同僚から総ツッコミ!「久しぶりのメイク」で失敗しない鉄則
 長引くマスク生活や手のかかる小さな子供の子育てに追われ、メイクをしない生活が続いていた人も多いですよね。もし、久しぶり...
超ゴワつく!どうすればいい? セルフ白髪染め失敗あるある
 白髪ってとても目立つので、白髪染めが欠かせませんよね。でも、「毎月美容院に行く余裕はないけれど、セルフ白髪染めをすると...
シャンプーもプロテイン!ダメージヘアのライターがガチ比較
 みなさん、秋ですよ〜! ヘアケアに力を入れていますか? 毎日の丁寧なシャンプーとドライヤーが大事なのはもちろんですが、...
「首が短いんです涙」“顔デカ”見えを回避する洋服の選び方
「首が短いせいか、お気に入りの服を着ても垢抜けない……」と、お悩みの女性も多いはず。もしかしたら間違った服選びで、ダサさ...
プロテイン、抵抗ある? 女性の髪や肌のハリ不足の改善に◎
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
シャンプーは1回も2回も“正解”!2度洗いが必要なのはいつ?
 毎日のシャンプーって、1回だとあまり汚れが落ちていない気がして2回洗っているという人は多いですよね。でも、洗いすぎは髪...
眉描き男より美しく!ナチュラルふさふさ眉毛の簡単な描き方
 眉は印象の大半を眉毛が決めてしまうと言っても過言ではないほど、大事なパーツです。メイクの中でも、眉毛のメイクが一番苦手...
3日坊主回避!アラフォーの頑固な“下腹ぽっこり”解消エクサ
 40代になって体の基礎代謝が落ちてくると、多くの人が「下腹ぽっこり」に悩みます。下腹が出ていると、綺麗な服も着こなせな...
人の名前が覚えられない…プレ更年期のブレインフォグかも?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...