密着され撫でられ…際限のないセクハラに私の体調は悪化

うかみ綾乃 小説家
更新日:2019-11-14 17:01
投稿日:2019-09-12 17:00

際限なく上がるGのテンション

 その後の旅行中も、始終、手を握られ、背中を撫でられ、私は正真正銘、体調が悪くなりました。

 ようやく旅行を終えて東京に戻ると、

G「あやさんちの近くのバーで打ち上げしましょう」 

 あと数時間の辛抱だ。私は自分にそう言い聞かせました。

 飲みながら、彼女のテンションは際限なく上昇します。

G「私はあやさんのいちばんの存在になる。私が一生、あやさんを守る」

 私は、せめてこちらの冷静を伝えるために、一言だけ言ってみました。

私「でも担当者はいつでも、こちらを切れる立場ですから」

G「ひどーい!」

 突然、Gが叫びました。

G「傷ついた。あやさん、もう帰って! 私はここでひとりで飲んでる!」

 そんなことを言われても、バーの閉店時間はすでに過ぎています。

 困っていると、マスターが30分ほどかけて彼女をなだめ、タクシーを呼んで彼女を乗せてくれました。

Gからのメールには…

 私は満身創痍の気分でしたが、仕事はしなければなりません。

 翌朝、気持ちを切り替えてパソコンに向かいました。

 すると、Gからのメールが入っていました。

 内容は、旅行前に提出した私の仕事の、やり直しを命じるものでした。

 その仕事は、提出時は彼女に絶賛され、会社にもOKされ、だからこそ出張旅行にも行ったものでした。 

 次回(9/19公開)に続きます。

うかみ綾乃
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小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

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