「とこぶしの唐揚げ」間接的に火を入れてうま味を逃がさない

コクハク編集部
更新日:2020-01-01 06:10
投稿日:2020-01-01 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の土佐料理店「トサ ダイニング おきゃく」の山下裕司さんに、殻のまま揚げる「とこぶしの唐揚げ」のレシピを教えていただきました。

殻のまま調理するわけ

 巻き貝の一種で、見た目は小さい“アワビ”のようなとこぶし。高知では「ながれこ」と呼ばれています。

「海の底の岩の表面にくっついていて、取ろうとすると離れて流れることからその名が付きました」

 煮ても焼いてもおいしいですが、今回は殻のまま揚げます。味付けは一切なしですが、ほどよい海の塩分が効いています。

「新鮮なら生でも食べられますが、揚げることでうま味が凝縮されます。これは殻のまま揚げないとおいしくないんです。焼きや煮物にも言えますが、貝もだしが出るので、殻のまま調理したほうがいい。肝も、直接ではなく間接的に火が入った方がうま味が逃げません」

 中温でさっと揚げているため歯応えを残しつつも軟らかい仕上がり。とこぶしは値段がピンきりとはいえ、リーズナブルなものなら、4~5個で1000円台。来客にも喜ばれそうな一品です。

【材料】

・とこぶし 5個
・小麦粉 適量

【レシピ】

(1)とこぶしを洗い水気を取る。
(2)小麦粉をまぶし170度の油で2~3分揚げる。

本日のダンツマ達人…山下裕司さん

▽やました・ひろし 
 高知県室戸市出身。1987年、老舗旅館「城西館」に入社。食事処「思季亭」の料理長として長年活躍し、2017年から同店の料理長。

▽とさ だいにんぐ おきゃく
 わら焼きカツオのタタキなど伝統の土佐料理と、高知県の食材を生かした創作料理の名店。「おきゃく」とは高知弁で酒宴のことをいう。店の1階は高知県のアンテナショップ「まるごと高知」。
中央区銀座1―3―13 オーブプレミア2階
℡03・3538・4351

(日刊ゲンダイ2019年7月31日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


食感の対比が楽しい「国産和牛もつのガーリックバター炒め」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・八丁堀「もつ鍋 割烹 鶏しおそば 竹井幸彦...
パーティにぜひ!朝仕込みで簡単に作れるタンドリーチキン
 12月になるとチキンが食べたくなる……そんなことありませんか? そこで今回は朝に仕込むことでおいしく仕上がる、大人も子...
ぐっち夫婦 2021-01-18 20:19 フード
「ラム酒の入ったフレンチトースト」ラムで風味を付ける口福
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・月島の日本料理店「食堂 ユの木」の土屋為芳...
「酒盗マヨネーズ」罪深い美味しさの秘密は“4対1”の黄金比率
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・月島の日本料理店「食堂 ユの木」の土屋為芳...
「レンコンの南蛮漬け」たっぷり片栗粉は美味しさのひと手間
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・月島の日本料理店「食堂 ユの木」の土屋為芳...
ピリッ!と刺激的な大人の卵焼き「青唐辛子のオムレツ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・月島の日本料理店「食堂 ユの木」の土屋為芳...
「牡蠣のコンフィとパクチー」香草と和えるとワインに合う
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・港区麻布十番の和食料理店「可不可 KAFU...
「万願寺唐辛子 じゃこ炒り」熱々のご飯に混ぜても美味しい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・港区麻布十番の和食料理店「可不可 KAFU...
「クリームチーズ 金山寺味噌和え」たった1分で作れるお手軽さ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・港区麻布十番の和食料理店「可不可 KAFU...
ふぅふぅ!冬のおうちパーティーでメインになる大皿グラタン!
 おうち時間を過ごす機会がさらに増えそうなこの年末。そこで今回は、冬に食べたくなるおいしいグラタンをご紹介します! パー...
ぐっち夫婦 2020-12-21 01:21 フード
「サバ缶煮込みジンジャーカレー」鍋に入れて煮るだけ簡単!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷区神宮前の南インド料理店「エリックサウ...
「タンドリー風フライパンチキン」2度目は好きなスパイスで
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷区神宮前の南インド料理店「エリックサウ...
「あっという間の黒胡椒チキンカレー」赤ワインと相性抜群!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷区神宮前の南インド料理店「エリックサウ...
すりこぎで叩きまくる! ほろほろ食感の「水ダコ柔らか煮」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は新潟・新発田の寿司の名店「登喜和鮨」の中小林宏輔...
「さんまのプッタネスカ」香りも見た目も食欲そそる旨パスタ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫・六甲の生パスタ専門店「BRABONO」の黒...
「イベリコ豚のタンシチュー」独特のゴリゴリ食感がポイント
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫・六甲の生パスタ専門店「BRABONO」の黒...