「糸島塩豚の明太柚子胡椒」とろーり軟らかなのに煮崩れなし

コクハク編集部
更新日:2020-02-19 06:00
投稿日:2020-02-19 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡・中央区にある「博多料亭 稚加榮」の平山克浩さんに、程よい脂が口のなかで広がる「糸島塩豚の明太柚子胡椒」のレシピを教えていただきました。

豚肉は冷めてからカットする

 黄金色の澄んだあんがかかっています。豚の角もピンとしていて、煮崩れが一切ありません。口に入れると、程よい脂がじんわりと広がり、とろーり軟らか。

「豚肉をカットするタイミングは、油抜きをしていったん冷めたときです。最初はカットせずブロックのまま圧力鍋にかけます。最初にカットしてしまうと、煮崩れがしやすいですね」

 脂の部分はとろりとするけれど身は硬くなってパサパサという失敗も、このやり方なら解消できます。

「糸島の豚はクセや臭いがなく、うま味が濃縮されています。もちろん手に入る範囲の豚肉で代用できますよ。付け合わせに八方だしで煮たカブをどうぞ」

 甘辛く煮込んでないから、さっぱりした味わいで、いくつでも食べられそうです。合わせるのは、全国新酒鑑評会で幾度となく金賞を受賞した「鍋島」(佐賀県)の大吟醸。きりっ、きりりとした飲み口が特徴です。薬味として添えてある明太子と柚子コショウもアクセントになっていて、いかにも博多らしいメニューです。

【材料】

・豚バラブロック 500グラム
・おから 200グラム
・しょうが 少々
・水溶き片栗粉 少々
・薬味(明太子・柚子コショウ)

(合わせ調味料)
・水 1000㏄
・酒 大さじ1
・塩 小さじ1
・味の素 小さじ1
・砂糖 小さじ1
・薄口しょうゆ 小さじ2

【レシピ】

1. ブロックの豚バラとおから、しょうがを圧力鍋に入れ、水をヒタヒタになるまで入れて強火で加熱。沸いたら弱火にして15分加圧する。
2. 圧力が下がったら豚を水洗いして、4~5センチにカットする。
3. 圧力鍋に豚肉を戻し、合わせ調味料と水を入れ再び10分加圧する。
4. 圧力が下がったら、豚肉を取り出して器に盛る。煮汁をこして、水溶き片栗粉でとろみをつけて豚肉にかけ、薬味をのせる。

本日のダンツマ達人…平山克浩さん

▽ひらやま・かつひろ
 1965年生まれ。18歳で「博多料亭 稚加榮」に入店し、今年で35年目を迎える。繊細な技を必要とするフグさばきの美しさは、多くの美食家をうならせてきた。

▽はかたりょうてい ちかえ
 明太子に代表される博多の食文化を広める名店。福岡店の広大ないけすには九州各地から水揚げされた四季折々の活魚が常時30種類以上。豪快にすくいあげられる海の幸は、客人の舌だけでなく心も満足させている。福岡市中央区大名2―2―17。

(日刊ゲンダイ2019年2月1日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


5分炊くだけでほっこり「水ナスのぬか漬けと桜エビの煮物」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は埼玉県・浦和の懐石料理「日に日に新」の木下泰司さ...
「かすべのレモンソース」ひと手間で軟骨がぐっと柔らかく
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・小樽のロードレストラン「シルフィード」の...
朝仕込んでおけば夜は焼くだけ「鶏モモ肉のソテー香草風味」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・福島のフランス料理店「ミチノ・ル・トゥール...
コンビニのサラダチキンでお手軽ヘルシー「蒸し鶏のマリネ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・西荻窪の創作居酒屋「じんから」の堅谷博さん...
お手軽な「ムサカ」 クミンシードでエキゾチックな味わいに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前のワインビストロ「アミニマ」の阿部真...
“かえし醤油”の風味がお酒にピッタリ「そば屋のお新香」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地のそば屋「そば処 築地長生庵」の松本憲...
おもてなし料理にもなる「コンビーフのリエット仕立て」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草のフレンチ「ガンゲット・ラ・シェーブル...
冷凍でもOK! 網で焼くだけで美味しく簡単な「焼き甘エビ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福井市の寿司屋「昌冨ずし」の楠さんにエビが主役の...
「焼きなすとアボカドのタルタル」夏バテ防止にも効果アリ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のフランス料理店「サロン・ド・テ アン...
お酢を使わないから野菜が甘い「トマトとタマネギのサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂のアフリカ料理店「SAFARI」のワン...
いつもの冷ややっこが焼き肉のタレで大変身「辛いやっこ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜の焼肉店「そうる肉食堂 承」の三原承達さんに...
生青唐辛子の風味でお酒が進む 中国・湖南料理「咸鮮辣」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・三軒茶屋の「香辣里 (シャンラーリー)」の...
余り野菜がごちそうに「季節の野菜とベーコンのキッシュ風」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、野菜...
まるでフォアグラのようなコクとうまみの「半生鶏レバー」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さん...
「アスパラの肉巻き」今が旬の食材でおいしく疲労回復を
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷の和食店「台楽おおた」の今井恵子さ...
薄切りだから駄菓子感覚でサクサク食べられる「レバカツ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祐天寺のもつ焼き店「ばん」の小杉潔さんに、...