豚肉の概念が変わるかも!
ひこま豚は北海道育ちで、道内最初のSPF認定農場で飼育されているブランド豚。生産者である道南アグロ(本社・森町)の日浅順一代表の頭文字「日(ひ)」と、農場が並ぶ駒ケ岳山麓の「駒(こま)」を取って名付けられました。
「きめ細かく軟らかなしっとりした肉質で、脂身には甘味がある。今回は、そんなひこま豚の特徴がよく分かるメニューにしました。味付けは、塩麹の塩分と発酵のうま味だけというシンプルなもの。一般的な豚肉でも応用できますが、この機会に、ぜひチャレンジしてほしいです」
普通なら硬くなりやすい豚もも肉も、ゆっくり熱を加えれば軟らかく仕上がります。炊飯ジャーの保温は約70度前後で、肉の成分が硬くならない最適の温度なんだそう。
フライパンでローストする時は火加減に要注意で、必ず中火にすること。アルミホイルで包んで休ませるのもポイントで、取り出した肉の水分が戻り、しっとり感が増します。
「付け合わせは、お好みの野菜を添えて。マスタードで味の変化も楽しんでほしいです。比較的安価な豚もも肉で、家計にも歯にも優しい一品(笑い)。きっと豚肉の概念が変わるはずですよ」
合わせる酒は、すっきりした酸味とさわやかな香りがする辛口の白ワイン・ソーヴィニヨン・ブランがオススメです。発酵系の料理との相性もバッチリ。日本酒全般、本格焼酎(芋・麦)とお好みの飲み方で楽しめます。
【材料】
・SPF豚もも肉(ブロック) 300グラム
・塩麹(市販) 200グラム
※フリーザーパック 1枚
【レシピ】
1. 常温に戻した豚もも肉と塩麹をフリーザーパックに入れ、軽く揉む。
2. ボウルに水を張り、1を入れ、中の空気を抜いて、しっかり閉じる。
3. 炊飯ジャーに2を入れ、隠れるくらいまで熱湯を注ぎ、保温状態で90分間放置する。
4. 90分経ったら取り出し、クッキングペーパーで豚もも肉の塩麹を軽く拭き取る。熱したフライパンに油はひかず、脂身に焼き色をつける形で出た油で、肉の表面を軽くローストする。
5. 肉をアルミホイルに包み、15分間休ませて完成。
本日のダンツマ達人…西澤一暢さん
▽にしざわ・かずまさ
1978年、北海道旭川市生まれ。中学卒業後、料理好きな父親の影響もあり、この世界に飛び込む。北海道内のホテルや飲食店で17年間修業し、料理長、店長を経て独立。2012年5月11日、全国から舌の肥えた人間が集まるすすきのに「澤」をオープンした。日本料理の専門調理師および調理技能士(厚生労働省認定)の資格を持つ。
▽さわ
修業中の店で出合ってほれ込んだSPF(特定病原体不在)ポークのオリジナルブランド「ひこま豚」(北海道森町産)を使って、25種類の料理を提供している。同店ソムリエの三上健太さんが、地元の旬な魚介類や野菜を使った料理に合わせ、ワインや日本酒、焼酎を厳選して用意。“ひこま豚とまごころ料理”を看板に、来客の笑みがこぼれ、かつ末永く愛される店を目指している。札幌市中央区南三条西3―5―2 都ビル2階(地下鉄南北線すすきの駅徒歩2分)。
(日刊ゲンダイ2018年5月29日付記事を再編集)
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