甲状腺摘出手術は大成功も…声は出ず焼けるような傷口の痛み

めりぃ(つけものがかり) 編集者
更新日:2020-05-08 06:00
投稿日:2020-05-08 06:00

地獄のようだった手術直後の夜

 ほどなくして、病室に戻っているのは確かながら、本当に記憶は曖昧。あとから夫に聞いたところ、「手術が無事に終わりました」と、病棟ナースステーションから連絡をもらって1時間ちょっとして部屋に戻ってきたとのことでした。そして、私にとってこの夜は地獄のような時間でした。

 まず、声が出ない。

 手術前、“甲状腺のすぐ後ろには声に関連する神経が通っているため、どんなに丁寧に手術をしても影響が出るときには出てしまう”というリスク説明を受けていましたが、手術直後は声を出そうとしても力が入らず、スカスカの空気みたいなものしか出ないような状態でした。

 それから、痛みが尋常ではありません。

 手術で切っているから当然なのですが、痛み止めを点滴してもらっていても、とにかく傷口が焼けるように熱くて痛くて普通ではない感覚。

 付き添ってくれた夫の話では、朦朧とする意識のなか、生気のない青ざめた顔で「うぅぅ……」とか「ぐわぁ……」と、うめいていたそうで、とても見ていられなかったそうです(笑)。

 痛みと首を動かせないせいで寝返りも打てないため、その都度、看護師さんが態勢を変えに来てくれました。

手術は大成功だった

 術後6時間ほど経った頃、執刀団の先生方が部屋に様子を見に来てくれて、「手術は大成功! 副甲状腺もすべて残せましたし、神経にも影響は出ていませんよ。よかったですね~」との話がありました。でも、つらすぎて返事すらできません……。

 ところで、甲状腺のすぐ近くには、4〜5つほど(位置も数も個人差がある)副甲状腺という組織があり、甲状腺とのくっつき方によっては、甲状腺切除の際に一緒に取れてしまうこともあるそうです。副甲状腺はカルシウムの代謝にかかわる組織なので、これが取れてしまうと術後の投薬計画も変わってくるのです。この説明も手術前に聞いていましたが、取れてしまうか否かは「手術してみないとわからない」とのことで、出たとこ勝負のような状況でした。

 幸いにも、私の場合は甲状腺だけを取ることに成功したので、手術は大成功だったわけです。

 手術当日は術後の食事もなく(出たところで、とても食べられる状態ではありませんでしたが)、水分も翌朝までは禁止だったので、痛み止めの点滴を入れてもらいながら、ひたすらベッドで安静にしていました。

 夜遅く、担当看護師さんから「スマホが見たければ、首を固定したまま見てもいいですよ~」と言われたのですが、そんな余裕すらありませんでした。

 そしてこの夜は、細切れに目が覚めながらウトウトと熟睡を繰り返しました。

 この夜、時計を見た記憶としては、午前3時過ぎの文字盤を覚えているので、その後はまとまった睡眠がとれていたようです。

 そして迎えた術後1日目の朝。初めて尽くしの手術体験で、また驚きの出来事がーー。

 次回に続きます。

めりぃ(つけものがかり)
記事一覧
編集者
アラフォー編集者。壮絶な結婚生活による人生の荒波をくぐり抜け、バセドウ病発覚。2019年、甲状腺全摘手術を経て、完治。つけものを作らせたらプロ顔負けの腕前だが、今のモットーは「バセドウ病患者のつらさを、もっと世間に知ってもらいたい」。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


強い女性になるには? ポジティブ思考でいるための5つの方法
「強い女性」というと、どんな女性を思い浮かべますか? 気の強い女性? アスリートのような筋肉隆々の女性? って、違います...
がん→子宮全摘まで“カウントダウン1カ月”の記録<私生活編>
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
悟り世代“だら先輩”に学ぶ…今日も1日仕事中にダラけたい!
 この話は、働く女性の誰もが思い描く「仕事中はダラダラして、定時にさっさと帰りたい!」という願望を確実に実行し続けている...
妄想がバレた? スッと姿を消したクールな“にゃんたま”君
「にゃんたま」に、ひたすらロックオン!猫フェチカメラマンの芳澤です。  きょうは、キリっとした眼差しの美形にゃんた...
ピアノが弾ける子どもにしたいなら?知っておきたい親の心得
 子どもの習い事というと「ピアノ」というイメージがありませんか? 今も昔も、子どもにピアノを習わせたいと思う親は後を絶ち...
金運に効く最強の花とは? いつの世もそれがキニナルの巻
 いつの世も…女性は「占い」や「おまじない」、「厄除け」なんてちょっぴり「スピリチュアル」みたいなものに大変なご興味のあ...
都内にいながら温泉気分を満喫できるオススメの「スパ3選」
 なんだか最近疲れたなぁ……。なんていう時は、一人でぼーっとする時間も必要です。お休みを使ってゆっくり癒されてみませんか...
イケ“にゃんたま”に囲まれて…モテモテ女子も大変なんです
 きょうは大変です!  イケにゃんたまωωに迫られるモテモテ女子が困っちゃっています。  若くてちょっと強引...
5歳過ぎてもオムツがとれない…意外な“おねしょの原因”とは
「もう5歳なのにまだオムツが外せなくて」「小学校にあがってもおねしょしてしまうんです…」 思わず、えっ!! と驚かれるよ...
親の介護は家族総動員 あるある問題とその後にすべき行動3つ
 親の介護と聞けば、多くの人が不安を抱くはずです。「自分を育ててくれた親だけど……」と思う反面、親の介護をすることで自分...
我慢強いA型長女は返上! がんがくれた「キャンサーギフト」
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
父譲りの哲学“にゃんたま”を持つ「オペラ座」のクールな視線
 きょうはレアなツートンにゃんたまω。かっこいい見返り美男でドキッ!  タオマークの様にも見え、哲学さえ感じさせる...
ハート型で可愛い…アンスリウムは恋愛を具現化したような花
 だいぶ以前になりますが……ウチのお花屋さんに居た若い女性スタッフM子のお話でございます。  これがまた大変にブッ...
都会にいて幸せになれるの? 「田舎の女」が幸せな理由4選
 格差社会といわれる日本ですが、年収や学歴のみならず、都会と田舎の格差も広がっています。都会を生きる女と田舎を生きる女は...
「そっちに行っちゃダメ!」をなくす廊下のない保育園の魅力
 保育園の現場では、「廊下に出ちゃダメよ!」とスタッフが子どもに声をかけているところをよく見ます。しかし、すんなり戻って...
急ぎ足の隙間から…チラリズム“にゃんたま”は魅力たっぷり
 「にゃんたま」に、ひたすらロックオン! 猫フェチカメラマンの芳澤です。  正々堂々、見せつけてくれるにゃんたまω...