「厚揚げの麻婆豆腐」揚げにしみ込んだピリ辛がたまらない

コクハク編集部
更新日:2020-07-08 06:00
投稿日:2020-07-08 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・西荻窪の居酒屋「じんから」の堅谷博さんに、ボリュームたっぷり「厚揚げの麻婆豆腐」のレシピを教えていただきました。

南極帰りの料理人の工夫と知恵

合う酒=ビール、紹興酒(C)コクハク
合う酒=ビール、紹興酒 (C)コクハク

「相撲で言う、たたき上げです」

 竪谷さんは、中学卒業後すぐに、父の勧めで料理の世界へ飛び込みました。最初は西新井大師の門前にある割烹料理屋。その後、銀座の日本料理屋で数年修業をして、創作居酒屋へ。そして料理人として滞在した南極から帰ってきた3年前、西荻窪に「じんから」を出店しました。

 店のメニューには極限で体得した工夫と知恵が生かされています。

「ポイントは厚揚げ豆腐を使うこと。豆腐と違って水が出てこないので、味の調整がしやすいのです。最後に、山椒粉をパラパラとかけると、本場の中華料理風の麻婆豆腐に化けます」

 厚揚げの部分にピリ辛の味がしみ込み、ひき肉と絡みあって、ビールがグイグイ進みます。紹興酒でチビチビいくのもいいですね。多めに作って、ご飯の上にのせると、締めの麻婆丼の完成です。

【材料】

・厚揚げ豆腐 200グラム
・豚のひき肉 100グラム
・長ネギ 2分の1
・ニンニク ひとかけ
・しょうが ひとかけ
・豆板醤 大さじ半分
・醤油 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・酒 大さじ3
・顆粒鶏ガラスープ 小さじ1
・水 150㏄
・ごま油 大さじ2
・水溶き片栗粉 少々
・山椒粉 お好み

【レシピ】

(1)ごま油をひいたフライパンに火をかけて、しょうが、ニンニクを粗みじんにして炒める。長ネギを途中で半分加える。
(2)香りが出てきたら豆板醤を入れて、30秒間さらに炒めて、豚のひき肉を入れる。
(3)豆板醤の香りが立ってきたら、酒と醤油と砂糖を入れ、肉をほぐしながら炒める。
(4)3に水と鶏ガラスープを入れて、角切りにした厚揚げ豆腐を入れる。
(5)最後に水溶き片栗粉で、とろみをつけたら、残ったネギを盛り付け、山椒をかけて完成。

本日のダンツマ達人…堅谷博さん

▽たてや・ひろし
 1972年、東京都生まれ。銀座の日本料理店での修業を経て創作居酒屋の料理人へ。第55次南極観測隊の料理人として2013年12月に昭和基地に赴任し、1年4カ月滞在。隊員23人の胃袋を1人で支えた。帰国後の15年7月に西荻窪で居酒屋「じんから」をオープン。

▽「じんから」
 JR西荻窪駅北口から徒歩5分。店名の由来は孔子の「論語」で、「仁がないとダメ」という教えを知り、「『仁から』始まるのはいいな」とひらめいた。おすすめメニューは日替わりの「刺し身の盛り合わせ」。都内一流ホテルと同じ築地の卸から格安で仕入れている。種類の多さとボリュームに目を奪われるが、店主は「ケチケチしたのが嫌い」と話している。東京都杉並区西荻北3―32―9。

(日刊ゲンダイ2018年8月14日付記事を再編集)

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