もうおひたしに戻れない
酢醤油で食べるおひたしやゴマの和え物が主戦場かと思っていたら驚きました。一度食べたらシャキシャキッとした食感がクセになるオカヒジキ、イカとタラコという魚介の相棒と組むことで、驚くほど贅沢な「ダンツマ」に早変わり。
久下シェフが知り合いの和食屋に訪れた際、お通しのイカとタラコの和え物からヒントを得て生まれたこのレシピ。
「イカはソーメン状の刺し身用を代用してもいい。シッカリと冷やした方がより食感が引き立ちますが、作りたての常温でもおいしくいただけますよ」
この日は刺し身のツマで使われる「紅たで」をトッピングしたが、あくまで飾り。なくたって構いません。
鮮やかな緑に白とピンクのコントラスト。おまけにレモン汁のほんのりとした酸味が食欲を誘い、胃袋のエンジンがかかること請け合い。よく冷えたスパークリングや軽やかな白ワイン(シャルドネ、シュナン・ブランなど)をひっかけながら、晩酌のスターターにどうぞ。
【材料】
・ヤリイカ(刺し身用、胴や 足のみ) 1ぱい分
・オカヒジキ 1パック
・タラコ 1腹
・オリーブ油、レモン果汁、 塩 各適量
【作り方】
1. ヤリイカは食べやすい大きさに切る。
2. 湯を沸かして塩を入れた鍋にオカヒジキを入れてさっと茹で、食べやすい大きさに切る。続いて同じ湯に1を入れ、さっと茹でる。臭みを取るためなので半生でいい。
3. タラコの中身を包丁でこそげ取り、オリーブ油を入れたフライパンで軽く炒める。2を加えて混ぜ、軽く炒め、火を止める。
4. 3にレモン果汁とオリーブ油を回し入れ、塩気が足りないようであれば、塩を加えて調整する。容器に入れ、冷蔵庫等で冷まして出来上がり。
本日のダンツマ達人…久下博之さん
▽くげ・ひろゆき
もともと町場の定食屋のオヤジになるつもりが、センスや人柄を買われ、都内のロシア料理店やビストロで腕を磨くうちにワインに合う料理の道へ。ワインバーの人気店「遠藤利三郎商店」で3年半、料理長を務めて独立。14年4月から同店のオーナーシェフに。厨房で黙々とフライパンを振るシェフはこわもてで話しかけるのに躊躇しがちだが、本当は気さくな性格。
▽料理とワインCLOUD NINE
店名は英語で「至福の時」「意気揚々」の意。店内はテーブル8席、カウンター6席のオープンキッチンで食欲をそそる香りが。野菜、肉、魚いずれも産直の食材を多く扱う。おいしければジャンルは問わないと話す久下シェフのひと皿は、飲んべえの胃袋をわし掴みにする。東京都墨田区業平4―3―10 1F。
(日刊ゲンダイ2017年8月29日付記事を編集)
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