皮付きのまま輪切りに
時喰みの秋の新メニューを家庭用に簡単にアレンジした一品。でも「揚げる」工程だけは省けないと、料理長の佐々木さんは熱く語ります。
「中央部分まで火を通すには、焼くだけでは難しいんです。長芋は生でも食べられる食材ですが、水分を残しつつ、ほんのりと火を通すことでシャキシャキとした食感からホクッ、シャクッに変わる。焦がしバター醤油との相性も抜群です」
おなじみになりつつある長芋ステーキのレシピも、ひと手間かけることで、プロの味にぐっと近づくというわけです。そして、より丁寧に作るとすれば、ヒゲ根の処理。
「長芋をトングなどで挟み、やけどに注意しながら、じか火の上で軽くあぶって焼き切るといいですよ」(佐々木さん)
とろけたチーズの濃厚さも相まって、くう~っ、お酒が進むこと請け合いです。
【材料】
・長芋 200グラム
・片栗粉 適量
・醤油、みりん 各10㏄
・酒 20㏄
・無塩バター 15グラム
・パルミジャーノレッジャーノチーズ(ピザ用チーズでも可)
15グラム
・万能ネギ(小口切り) 2~3本分
【レシピ】
(1)長芋は皮付きのまま、1・8センチ幅の輪切りにする。大きければ半月切りにして、片栗粉をまぶしておく。
(2)170度の揚げ油(分量外)で2~3分、揚げる。
(3)鍋に醤油、みりん、酒を入れ、中火にかける。ふつふつと沸いてきたら弱火にし、2とバターを加える。バターをゆっくりと溶かしながら、全体をまぜ合わせる。
(4)耐熱皿に盛り、チーズをふりかけ、トースターでチーズが溶けて焼き色がつくまで焼く。
(5)万能ネギをちらして出来上がり。
本日のダンツマ達人…佐々木寛和さん
▽佐々木寛和(ささき・ひろかず)料理長
1992年、北海道出身。都内老舗料亭などで経験を積み、「徳うち山」を経て同店の開業とともに現職に。若さとエネルギーと優しさにあふれる27歳。料理に合わせるお酒は、サービス兼ソムリエの久保岡奈美さんに相談するのがいい。
▽時喰み(ときはみ)
2019年4月オープン。オーナーは日本料理の「銀座くどう」「徳うち山」を手がける料理人・工藤淳也氏。コース料理が主体の2軒とは異なる居酒屋スタイルで、深夜まで気軽に楽しめる。仕入れは系列店と一緒。お通しの「焼きごま豆腐」に始まり、締めの「炊きたて白米の痛風ごはん」までうまいものしか食べたくないという食いしん坊たちの胃袋を満たしてくれる。カウンター5席、テーブル5席。特に早い時間帯は予約した方がベター。中央区銀座3―11―6 鈴木ビル2階。
(日刊ゲンダイ2019年10月18日付記事を再編集)
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