「ワタリガニと壬生菜のとんぶり和え」薄味仕上げの上品小鉢

コクハク編集部
更新日:2020-10-19 06:00
投稿日:2020-10-19 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の寿司の名店「銀座 すし延」の伊東純司さんに、八方地を使った「ワタリガニと壬生菜のとんぶり和え」のレシピを教えていただきました。

素材本来の味が引き立つ

 関西での修業経験も長い大将が、まず出してくれたのがこの小鉢です。ボイルした生ワタリガニの風味とうま味が口いっぱいに広がり、とんぶりのプチプチとした食感がいいアクセントになっています。

「材料を八方地で和えました。八方地は、だしとみりん、薄口醤油を8:1:1の割合で混ぜたもの。日本料理の基本となる合わせだしです。少し薄いと感じる方もいらっしゃると思いますが、素材本来の味が引き立ちます。今回ご紹介する料理はほとんど、薄味に仕上げています。物足りなかったら醤油を垂らしたり、塩を加えてください。そうやっていくうちに、自分の好みの味が自然と決まっていく。それが、自宅でつくるツマミのいいところ。最初から濃くしてしまうと修正がきかない。ダンツマは薄味が基本! ですよ」

 カニの身は毛ガニでもタラバガニでもなんでも大丈夫。

「いや、缶詰だってカニカマだっていいですよ。八方地で和えればカニカマだって十分に上品なツマミになります」と大将。女将さんが用意してくれた辛口のソーヴィニヨン・ブランがよく合います。

【材料】

・カニ缶 1缶
・壬生菜 1束
・とんぶり 10グラム
・菊花 適量
・八方地(だしとみりん、 薄口醤油を8:1:1で 割ったもの) 30㏄

【レシピ】

(1)壬生菜をさっとゆがいて冷水にとり、しっかりと絞って水気を切る。
(2)壬生菜とその他の材料を八方地で和える。

本日のダンツマ達人…伊東純司さん

▽いとう・じゅんじ
 1968年、兵庫県神戸市生まれ。中学卒業後に16歳で神戸の老舗料亭「山三ツ輪」(閉店)で修業を始め、寿司職人に転じて関西で14年、関東で16年、有名店のツケ場に立って研さんを積んだ。2015年に独立。東西の寿司文化に精通し、各界著名人のファンも多い。

▽すしのぶ
 15年にオープン。料理は1万8000円(おつまみ8品、握り10カン、巻き物1本)のおまかせのみだが、事前に相談すれば柔軟に対応してくれる。自慢の穴子の握りは、ツメの代わりに10年物の奈良漬をのせ、それを海苔でクルッと巻く。伊東さんのセンスとアイデアがあふれた、店のスペシャリテだ。東京都中央区銀座8―7―20 belle銀座Ⅲ 5階。

(日刊ゲンダイ2018年10月30日付記事を再編集)

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