彼は営業マン?産業スパイの監視役?…加奈子さんのケース#2

神田つばき 女と性 専門ライター
更新日:2020-10-21 06:00
投稿日:2020-10-21 06:00
 則夫の内縁の妻の連れ子が不憫で、養護施設に寄付をしたいと加奈子さんが言ったとき、則夫は最初、そのお金は預かれない、そこまで加奈子さんを巻き込みたくないと断りました。でも、加奈子さんの決心は固まっていました。園庭で淋しそうにしている小さな女の子の姿が忘れられなくなっていたのです。

晴れて将来を考えはじめた二人に水を差した兄のおせっかい

 加奈子さんはお金を受け取らない則夫に言いました。

「則夫さんを助けて、感謝してもらおうと思っているわけじゃないの。いろんな環境で頑張っている子供がたくさんいるってこと、私は知らなかった。世の中が見えていなかったことが恥ずかしい……だから、今できることをしたいの」

「そんなふうに考えていたなんて……俺は加奈子を心から尊敬する。俺も加奈子みたいに誠実な人間にならないとな。嫁が退院したらきちんと別れるから、あらためて俺との将来を考えてくれないか」

 紆余曲折はありましたが、初めて二人の将来の話が出たのです。加奈子さんは、自分がこの人を愛したことは間違いではなかった、と安堵しました。

 故郷の兄から電話がかかってきたとき、「今交際している人と結婚を考えはじめている」と打ち明けました。

兄が衝撃を受けた素行調査の結果とは?

 加奈子さんの田舎は封建的で、今でも婚約相手の素行調査や家柄調査が普通に行われている地域です。兄も当然のように調査会社を頼み、加奈子さんは「まだプロポーズもされていないのに! だいたい、今どき素行調査なんてあり得ないよ」と怒りました。しかし、数週間後せっぱつまった声で兄から電話がかかってきたのです。

「加奈子、とんでもないことがわかった!!」

 とんでもないこと、という兄のことばに心をよぎったのは、「内縁の奥さんは入院なんかしていなくて、私は不倫の相手にされていたのかも?」という不安でした。

 ところが、兄はそれどころではないと語気を強めて言ったのです。

神田つばき
記事一覧
女と性 専門ライター
離婚と子宮ガンをきっかけに“目がさめて”女性に生まれたことの愉しみを取り戻すべく、緊縛写真のモデルとライターに。私小説「ゲスママ」、イベント「東京女子エロ画祭」「親であること、毒になること」などを企画。最近は女犯罪者や緊縛表現者に関するZINEの制作・販売を開始。Xnoteblog

関連キーワード

ラブ 新着一覧


枕は必ず2つ置く…台湾の人がこだわる風水の知識 ~恋愛編~
 なかなか出会いがないけれど、恋したい、結婚したい……。あるいは、恋人となかなか上手くいかず悩んでいる貴女に、台湾ならで...
インリン 2019-11-03 06:00 ラブ
「もう離れられない…!」と男性に思わせる女性の特徴7選♡
 お付き合いが始まると、「この人とずっと一緒にいたい!」という気持ちが芽生えてきますね。そして、相手にもそんな風に思って...
孔井嘉乃 2019-11-03 06:00 ラブ
まだ30代なのに…誰もが認める“おばさん”の特徴&ルックス
 20代と違って、30代では「おばさん」と言われる人が増えてきます。おばさんの定義は曖昧で、「◯歳から◯歳まで」と定まっ...
東城ゆず 2019-11-03 06:00 ラブ
「O型男性」の特徴と攻略法! 浮気をしやすく一番バレやすい
 男女問題研究家の山崎世美子です。血液型分析の2回目はO型男性の特徴です。男女問題についてのカウンセリングを行う前、私は...
山崎世美子 2019-11-14 19:25 ラブ
男性からの脈なしLINEの特徴! この恋、諦めた方が良い?
 気になる男性とのLINEのやり取りって、ドキドキしますよね。でも、そんな男性のLINEになんとなく脈なしの雰囲気を感じ...
自分の恋を振り返り…また一歩成長できる胸ズンなエモい邦画
 急激に秋も深まり、涼しい日が続くようになってきました。今年は台風も多く、週末の予定が定まらず家で暇してしまうことが多い...
ミクニシオリ 2019-11-01 06:00 ラブ
ちょっと重そう…男性からメンヘラ女子認定されるNG行動4選
 いくら可愛く見た目を取り繕っていても、スタイル抜群の美女でも、男性が近寄ってこない存在ーーそれは「メンヘラ女子」。特に...
七海 2019-11-01 06:00 ラブ
W不倫でも心の繋がりはある? 本気になった男女の恋愛の特徴
 既婚者同士の恋愛である「W不倫」。最初は遊びのつもりだったのに、気づけばのめり込んでしまっていた……なんてことはよくあ...
リタ・トーコ 2019-11-01 06:00 ラブ
彼氏のスマホを見たくなったら? 苦しい時の4つの対処法!
 現代の生活には欠かせないスマホ。個人情報が満載で、覗けばプライベートを端から端まで見ることができる……。だからこそ、い...
リタ・トーコ 2019-10-31 06:00 ラブ
バチェラー3最終回に非難の嵐…カップルを祝福できない心理
 最終回を終えた「バチェラー3」への非難の嵐がやみません。この番組は、20人の女性の中から1人のお嫁さん候補を選ぶという...
内藤みか 2019-10-31 13:02 ラブ
コメダ珈琲とスタバで揺れる想い…恋愛に理解が深まりました
 おはようございます。本日もコメダ珈琲からお届けしています。  さて、私の執筆活動はコメダ珈琲ですることが非常に多...
しめサバ子 2019-10-31 06:00 ラブ
その男「恋愛工学生」かも? スムーズすぎるナンパに要注意
「みゆき! ……あ、すみません、友人にすごく似てたので」  人違いのような空気で声をかけられて、そのままスムーズに...
ミクニシオリ 2019-10-30 06:00 ラブ
“隠れイイ男”の特徴7選! 自分にとってのイイ男を探すには?
 “話も上手で見た目も素敵。さらに経済力もある”、そんな目立ついい男に惹かれてしまう女性は多いでしょう。でも、いざお付き...
孔井嘉乃 2019-10-30 06:00 ラブ
見る目ナシより深刻…浮気男やダメンズをつくる女性の特徴
 日々、恋愛の相談を受けていると、「今までの彼氏がダメンズばかり」「浮気しない人と付き合いたい」など、男性選びに悩んでい...
山本早織 2019-10-29 06:00 ラブ
年下男子と何を話したらいい? 年上女性に教える話のネタ3つ
 20代の年下の男の子と仲良くなりたい!でも何を話したらいいのかわからない……。そう考えて悶々としているアラフォーやアラ...
内藤みか 2019-10-28 06:00 ラブ
モテたい女性が心がけたいポイント4選! 選ぶ側になるには?
 モテたいと思う女性は、多くいます。若い頃は自分の魅力を測る材料として異性からの好意を集めたいと思う方も多いと思いますが...
東城ゆず 2019-10-28 06:00 ラブ