「糸ウリと焼きナスのひたし」2種類のダシで生まれる味わい

コクハク編集部
更新日:2020-11-26 06:00
投稿日:2020-11-26 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は新潟・新発田の寿司の名店「登喜和鮨」の中小林宏輔さんに、2種類のダシを使った「糸ウリと焼きナスのひたし」のレシピを教えていただきました。

異なる味のハーモニーを楽しむ

 糸ウリもナスも旬は夏。ですが今や真夏の果物スイカも冬に食べられる時代。秋冬に涼しげな一品をいただくのも一興です。

 ナスのおひたしは、個人的に大好きな料理。口に入れた途端、ジュワッとダシがあふれ出てくるのがたまりません。今回は糸ウリとの共演です。茹でるとほぐれてそうめん状になることから、そうめんカボチャとも呼ばれるそう。

 ガラスの容器にナスと糸ウリが上下重なって出てきました。まずはナスから。ほんのりついた焦げの香りが食欲をそそります。吸い地のほのかな塩気が爽やか。続いて糸ウリ。シャリシャリとした食感がたまらない。ん? ナスのダシと違う?

「ええ。少し濃いめにしています。異なる味が口の中で合わさることで、よりバランスがととのい、深みが出るんです」

 なるほど、今度は両方をよくまぜて一緒に食べてみます。先ほどとはまた違う複雑な味に変化。手間はかかりますが覚えておきたいテクニック。料理の幅が広がりそうです。

【材料】

・焼きナス 1本
・糸ウリ 2分の1

<焼きナスのひたし汁>
・鰹ダシ 180ミリリットル
・酒 少々
・塩 小さじ1
・薄口醤油 少々
・みりん 少々

<糸ウリのひたし汁>
・鰹ダシ 10ミリリットル
・酒 10ミリリットル
・濃い口醤油 10ミリリットル
・みりん 10ミリリットル
・追い鰹 適量

【レシピ】

(1)焼きナスを作る。網にのせ、コンロのじか火で焼く。皮が焦げて軟らかくなったら冷水に落とし、指で皮をはぐ。
(2)ひと煮立ちさせた焼きナスのひたし汁の中へ1を入れる。キッチンペーパーをかぶせ、冷ましたら小口に切る。
(3)糸ウリを切って、茹でる。糸状になったら、ザルにあげて、流水で冷ます。
(4)ひと煮立ちさせた糸ウリのひたし汁へ3を入れ、追い鰹(キッチンペーパーに削り節適量を包んで一緒にひたす)。そのまま冷ます。
(5)糸ウリの上に、小口に切った焼きナスをのせて完成。
※写真はモズク入り

本日のダンツマ達人…小林宏輔さん

▽小林宏輔(こばやし・こうすけ)
 1979年、新潟県新発田市生まれ。東京の魚問屋が営む鮨店「魚真」で板前修業を積み、2010年に帰郷。17年のリニューアルを機に「登喜和鮨」3代目を襲名。

▽登喜和鮨
 新潟県北部に位置する新発田市に昭和29年創業。飯豊連峰の山の幸と日本海の海の幸、それぞれの素材を引き出すことにこだわる。近ごろは県外からも多数来客。地酒も数多く揃える。新潟県新発田市中央町3―7―8。

(日刊ゲンダイ2019年11月29日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


「さつま黒酢ブリとかぶのエミュルション」まるでお花畑!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋の「フレンチ割烹ドミニク・コルビ」のド...
「喜ばれるお菓子」の定義を考えてみた 2022.6.23(木)
 おいしいお菓子をいただきました(ありがたや~)。それからというもの、以前にも増して「贈り物上手」になりたいと考えるよう...
「霧島サーモンのマリネ」季節の野菜で作ったソースを添えて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋の「フレンチ割烹ドミニク・コルビ」のド...
ファミマの本気度すげえ!「ファミマ・ザ・クレープ」実食 2022.6.20(月)
 ファミリーマートが誇る、累計6200万食突破の大ヒット「ファミマ・ザ・シリーズ」から、待望の新作スイーツが登場します。...
「豆アジの丸ごとカルピオーネ」すし酢で超絶簡単に南蛮漬け
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷のイタリアン「Petalo」の酒匂駿佑...
「超簡単ポテトサラダ」NO作り置き!“5分で完成”時短レシピ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・五反田の隠れ家的居酒屋「和風ダイニングTa...
超人気!ボンボローニを確実に購入するなら 2022.6.13(月)
「本日、完売となっております……」  ガーーーン! という冒頭から失礼をいたします。 「食」に限っては、流行...
「ジャガイモとアンディーブのグラタン」フランスの家庭料理
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祖師ヶ谷大蔵のイタリアン・フレンチレストラ...
【フォカッチャ】初めてのパン作りに挑戦! 2022.6.7(火)
 最近、SNSでパン作りが流行っていますよね。ツヤツヤのパン種の動画を、ず~っと見ているとマネして作りたくなるもの。今回...
「季節の野菜のコンポテ」バターと野菜の甘みが溶けたスープ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祖師ヶ谷大蔵のイタリアン・フレンチレストラ...
門前仲町のスーパーの屋上がビール天国な件 2022.6.4(土)
 いつの間にやら6月に。暑すぎず、寒すぎず、長かった花粉地獄も終わったこの季節が一番好きです。新緑も青空もキラキラまぶし...
「タルトフランベ風トースト」塗って焼くだけ!朝ごはんにも
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祖師ヶ谷大蔵のイタリアン・フレンチレストラ...
数量限定の気仙沼クリームサンドに出会った…2022.6.2(木)
「ご当地」と「数量限定」に心が躍る皆さま、情報を共有させてください!  秋葉原駅電気街口から徒歩1分、高架下にある...
「ホタテのソテー生海苔とバターのソース」組み合わせの妙!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祖師ヶ谷大蔵のイタリアン・フレンチレストラ...
「長ネギとイワシのマリネ」フランスのクラシックなお総菜
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・祖師ヶ谷大蔵のイタリアン・フレンチレストラ...
「鯛と鮪と鰤の黄身醤油漬け」刺し身が劇的変化するプロの技
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・五反田の隠れ家的居酒屋「和風ダイニングTa...