面倒な下処理は不要
「マグロの血合い」といえば、魚屋やスーパーなどで叩き売りされています。しかし、いざ料理しようとすると下処理が面倒。料理本やレシピサイトを見ても、血抜きがどうの、水にさらして臭みがどうのと、手間がかかります。
「一般的なのはショウガで煮るとか、水に漬けておく、などですね。でも、血抜きしなくたって、おいしいんですよ。何より安く買えますからね」
とは丹生谷さん。
その言葉に嘘はありません。醤油で漬け込まれた血合いは野性味すら感じるほど。血の臭さなどはみじんもないのです。お酒か、あるいは白飯が欲しくなります。
「全然臭くないでしょ? 焼き魚の茶色い部分……あれも血合いですからね。使っているのはたまり醤油。普通の醤油だとしょっぱすぎますね。マグロを仕入れると血合いも入っているのですが、血抜きは手間。そこで照り焼きの要領でできないかと考えました。照り焼きも一度醤油に漬けた方が照りもいいし、味も染み込みます」(丹生谷さん)
今宵は日本酒片手にマグロで舌鼓です。
材料
・マグロの血合い 適量
・たまり醤油 マグロが漬かる分量
レシピ
マグロの血合いをたまり醤油に半日から1日ほど漬けて両面を焼くだけ
本日のダンツマ達人…丹生谷聡さん
▽丹生谷聡(にゅうのや・さとし)
1968年、所沢市出身。料理店などの修業を経て、30歳で四谷に初めての店をオープンすると、最盛期は居酒屋など6店舗を経営。現在はすべて畳んで、「神棚」に専念。「もともと懐石料理をやっていたので、その経験を生かしています」
▽かみだな
今年1月にオープンしたばかりの純和食店。季節に応じた料理が名物で、基本コースは3000円から。プラス3000円で30種類の日本酒を含めた店内の酒飲み放題(2時間)。追加注文も可能。東京都新宿区舟町3―4 金谷店舗ビル201。
(日刊ゲンダイ2021年5月15日付記事を再編集)
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