「鶏そぼろ豆腐」プロの仕上がりに少しでも近づける技とは?

コクハク編集部
更新日:2021-09-28 06:00
投稿日:2021-09-28 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・鐘ヶ淵の人気焼き鳥店「鳥田中」の田中惣一郎さんに、たくさん食べても飽きることがない「鶏そぼろ豆腐」のレシピを教えていただきました。

使うのは自宅にある調味料ばかり

 鶏料理屋さんの常備品ともいえる鶏そぼろ煮。店主の田中さんはこう言います。

「何度食べてもまた食べたくなる、たくさん食べてもまったく飽きることがない。基本の料理、基本の味ってそういうものなんですよね。この鶏そぼろ煮は鶏料理屋を象徴する一品で、基本そのもの。少し調味料が多めですが、手順は簡単ですのでご家庭でも常備いただけたら肴はもちろん、丼や麺類、お弁当にも活用いただけます」

 使うのは自宅にある調味料ばかり。あとは丁寧にアク取りをしながら煮詰めるだけですが、田中さんが作る鶏そぼろは、口当たりがなめらかで、とても上品。シロウトが再現できるか不安になりますが、その仕上がりに少しでも近づける“プロの技”があります。

 ひき肉をかき混ぜる際に<4本の菜箸を使うこと>です。1組2本よりも手早く適度に空気を含ませながらほぐすことができるので、効率が良いのだそう。

 今回はシンプルに、冷たいお豆腐に合わせて。冷蔵保存で1週間は日持ちするといいますが、あっという間に“完食御礼”となるでしょう。すぐにまた鶏ひき肉を買いに走ることになるので、あしからず。

材料

【鶏そぼろ】
・鶏ひき肉  200グラム
・鰹だし(顆粒だしで代用可)  100㏄
・チキンスープ(顆粒だしで代用可)  100㏄
・濃い口醤油  25㏄
・日本酒  25㏄
・上白糖  15グラム
・ショウガ(みじん切り)  15グラム
・ショウガの皮(よく洗う)

・豆腐  1丁
・刻んだネギと大葉  適量
・ごま油  少々(小さじ1程度)

レシピ

(1)鶏そぼろを作る。鍋にショウガの皮以外の材料を入れる。点火する前に菜箸4本を使ってかき混ぜ、鶏ひき肉を完全にほぐす。ショウガの皮を入れ、弱~中火で加熱する
(2)アクを取りながら、時折かき混ぜ、煮汁を詰め、火を止める
(3)鍋のまま冷まし、粗熱が取れたら容器に移して冷蔵庫で保存する
(4)器に水気をしっかりと切った豆腐をのせ3のそぼろをたっぷりとかける。お好みで刻みネギと大葉をあしらい、ごま油をかけて出来上がり

本日のダンツマ達人…田中惣一郎さん

▽田中惣一郎(たなか・そういちろう)
 1962年、東京生まれ。高校卒業後、東京の下町で料理人としての修業を始める。23歳の時、新橋「京味」へ。ふぐ調理師職人として板場に立ち、故・西健一郎氏から仕事を学ぶ。37歳で独立し恵比寿に「和食 ごっ惣」を開店、2017年に現在の地で、京都の地鶏と野菜を中心としたおまかせのコース料理屋「鳥田中」をオープンさせた。

▽鳥田中(とりたなか)
 京味の技法を生かしながら、西氏から常日頃聞かされていた「素材の持つ味を大切に」を実践する予約困難の超人気店。できるだけ邪魔せず、できるだけ丁寧に、「選んだ素材の良さをお客さまへと伝えたい」と、優しい味わいの料理を提供している。コロナ禍で予約販売した「地鶏焼鳥弁当」も即完売。妥協しない味と芸術的な美しさで客を魅了した。東京都墨田区墨田3―25―7。

(日刊ゲンダイ2021年9月22日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


生もと系の酒にぴったり「腐乳拌魚生(マグロの腐乳和え)」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千歳烏山の台湾料理店「天天厨房」の謝天傑さ...
「豚ひき肉とタケノコのレタス包み」パンチの効いた味と食感
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の和食店「魚菜 まる富」の富成勝さんに...
みかんが香る「鯛のカルパッチョせとか風味のビネグレット」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
2つの新食感「生マッシュルームとプチヴェールのサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...
「カルボナーラ」多めの茹で汁でクリーミーな仕上がりに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡市・大濠公園近くのフレンチ「TTOAHISU...
「鶏のタコ焼き風」ソースとマヨネーズとかつお節で風味良し
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・江戸川区の立ち飲み居酒屋「カミナリ3ダー」...
【エビマヨとアボカドのパリパリピザ】餃子の皮でお手軽に!
 前回はパクチー餃子をお伝えしましたが、餃子の皮って……余りがちじゃないですか? そういえば冷蔵庫に餃子の皮が余ってたな...
ぐっち夫婦 2020-01-15 15:10 フード
「寅王しいたけのラクレットチーズ焼き」味のポイントは酒盗
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の和食店「酒と肴 類」の菊岡正輝さん...
味わいに変化 「チーズの味噌漬け」3日目と7日目を食べ比べ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の創作和食店「やまだや」の高山和慶さん...
「干し柿バター」切って“酒マリネ”をして混ぜて待つだけ!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「赤坂 まるしげ」の与那覇朝雄...
「千枚蕪と柿の酢物」シャクシャクとトロッのハーモニー
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡・中央区にある「博多料亭 稚加榮」の平山克浩...
生のカリフラワーを使うのがポイント!「いもフラワー」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・有楽町のフレンチレストラン「Restaur...
彩り野菜と塩がうまさを引き立てる「鯛のカルパッチョ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・西区のイタリア料理店「トラットリアパッパ」...
ふわっとした食感に仕上がる「白子のバターしょうゆ焼き」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の和食店「多に川」の阿部学さんに、軽い...
玉味噌の風味とナスが溶け合う「米ナスの田楽牛肉添え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は千葉県・流山市の老舗割烹「割烹柳家」の青柳宏幸さ...
「きのこのマリネ 半熟卵添え」一晩寝かせてマイルドな味に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・豊中市のフレンチ「ビストロ・リッペ」の中尾...