プロの味に近づける「小松菜と油揚げ、えのき茸のおひたし」

コクハク編集部
更新日:2021-11-30 06:00
投稿日:2021-11-30 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は、東京・本所吾妻橋の「割烹 船生」の船生宜之さんに、プロの味に近づける「小松菜と油揚げ、えのき茸のおひたし」のレシピを教えていただきました。

ほどよいシャキシャキ感を残すのがポイント

 おひたしは家庭の食卓にも並ぶような地味な料理です。メインになるのは小松菜やホウレン草、三つ葉などの葉野菜。高級な食材は使いません。それだけに作り手の技量がハッキリと出ます。船生さんは「おひたしをほめられるのが一番うれしいですね」と言います。

 実際に腕のいい料理人は、このおひたしが抜群に上手だし、船生さんが作るそれは澄んだ優しい味わいになります。同じように作っているはずなのに、素人のおひたしとは雲泥の差です。どうすれば船生さんのようなおひたしを作れるのでしょうか。

「大事なのは、野菜を茹ですぎないことです。これは、ホウレン草でも三つ葉でも同じ。ほどよいシャキシャキ感を残すのがポイントです」

 小松菜の場合、目安は20秒と10秒。沸騰したお湯に茎の部分を沈め、20秒ぐらいしたら葉っぱの部分まで入れて10秒ぐらいで取り出し、すぐに氷水で冷やす。ここでモタモタしているとクタクタになってしまいます。

「おいしいと思う歯応えになっているかどうかを確かめるには、茎の方をちょっと食べてみることです。私もいつもそうやって確認しています」

 もうひとつのポイントが、茹でた小松菜の水気をしっかりと絞ってからだしに漬け込むこと。

「余分な水気があると味がぼやけてしまいます」

 少しはプロの味に近づけるかも。

材料

・小松菜 1束
・油揚げ 1枚
・えのき茸 1束
・だし 300㏄
・薄口醤油 30㏄
・みりん 30㏄
・炒りごま 少々
・削り鰹 少々

レシピ

(1)油揚げは細かく刻み、えのき茸は根元を切り落として半分に切る
(2)鍋にだし、薄口醤油、みりんと1の油揚げとえのき茸を入れて火にかけ、沸騰したらアクを取り鍋ごと氷水で冷やす
(3)別の鍋に水を張って火にかけ、沸騰したら小松菜を色よく茹で、氷水に取って冷やしてから水気を絞り、3センチくらいの長さに切る
(4)冷やした2と3の小松菜を混ぜ合わせ、冷蔵庫に半日くらい置いて味を馴染ませる
(5)器に盛り付け、仕上げにごまと削り節をかける

本日のダンツマ達人…船生宜之さん

▽船生宜之(ふにゅう・よしゆき)

 1974年、栃木県日光市生まれ。中学生の頃から料理やお菓子作りをするようになり、高校3年生の夏に料理人になると決意。調理師学校を卒業後は「器、食材、サービスを含めて最高のものを見たほうがいい」と考え「なだ万本店 山茶花荘」へ。その後、神楽坂の割烹料理店や飛騨牛専門店を経て、2011年に「割烹船生」をオープンした。

▽割烹 船生(かっぽう ふにゅう)

 本格的な和食を手頃な価格で食べられる下町の人気店。無農薬の野菜など体に優しい食材を使ったメニューの数々で世のグルマンたちを魅了している。「おいしい料理でお腹いっぱいになってもらいたい」という店主の思いがあふれるコース料理はボリューム満点。自家製のカラスミや名物のだし巻き卵サンドなど丁寧な仕事がなされた料理がズラリと並ぶ八寸は圧巻だ。季節の食材を使ったシメの土鍋のご飯も絶品。東京都墨田区東駒形3-5-6 千葉ビル1階。

(日刊ゲンダイ2021年11月18日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

フード 新着一覧


「レンズ豆のスープ」旬の新玉ねぎでつくるエチオピア料理
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂のアフリカ料理店「SAFARI」のワン...
どハマり要注意!? 在宅ごはんでリピートしたくなる逸品3選
 目に見えないウイルスとの闘いで“コロナ疲れ”を引き起こす人が増えているといいます。なかには外食ができないためストレスが...
内埜さくら 2020-05-17 06:00 フード
ちょこっと洋風に「南高梅と北海道産長芋のたたきサラダ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「さかなとお酒 うぉんたな」...
辛口の白ワインに合う「ほうれん草とブルーチーズの白和え」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・池之端の創作ビストロ「Cise」の宮武郁弥...
「季節野菜のピクルス」ふつうのお酢なのにまるでお店の味
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新橋のビストロ「スリジィエ」の山本延年さん...
時短レシピ! コチュジャン風味の 「韓国風牛すじ煮込み」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜の焼肉店「そうる肉食堂 承」の三原承達さんに...
「イカゴロ(内蔵)豚のホイル焼き」合わせみそは万能調味料
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、野趣...
「豚バラ肉の角煮スパイスソース」週末昼下がりに仕込みたい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神保町のバル「Bal Marrakech」...
#stay homeを楽しくおいしく☆鯖缶で簡単!トマトペンネ
 常備食材の定番になってきた「鯖缶」。今回は、同じく常備食材のトマト缶と合わせた「鯖缶で簡単! トマトペンネ」をご紹介し...
ぐっち夫婦 2020-05-27 14:30 フード
「アタクルトワット」ターメリックを使ったジャガイモ炒め
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂のアフリカ料理店「SAFARI」のワン...
コロナ疲れ吹き飛ぶ! 秋田・尾道・沖縄のご当地スイーツ3選
 目に見えないウイルスとの闘いで“コロナ疲れ”を引き起こす人が増えているといいます。なかには外食ができないためストレスが...
内埜さくら 2020-05-15 16:11 フード
「ナムルの3種盛り」韓国料理の定番前菜をおいしく作るコツ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は横浜の焼肉店「そうる肉食堂 承」の三原承達さんに...
炊飯ジャーでつくる「塩麹に漬けた柔らかローストポーク」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「澤」の西澤一暢さんに、炊飯...
「ナスとキュウリの醤油漬け」みずみずしい夏野菜のハーモニー
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千駄ヶ谷の和食店「台楽おおた」の今井恵子さ...
「ホタルイカの生姜醤油煮と天ぷら」春の味覚を2つの料理に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、純...
油っぽさゼロ!「自家製シーチン」作り方は意外にカンタン
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・新宿の海鮮居酒屋「よしだ海岸」村瀬文吾さん...