「毒親育ちの会」の彼、ほろ酔いの抱擁から全てが始まった#1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-08-22 17:25
投稿日:2022-01-21 06:00
「毒親」「親ガチャ」という言葉が使われるようになって久しい。そんな中、「毒親育ち」の男女が集う会で、運命的な出会いを果たした女性がいる。C子さん(28歳・公務員・独身)は、ショートボブに整った和風の顔立ち、白いブラウスが似合う清楚系の女性だ。「毒親育ち」というつらい体験をしたからこそ生まれた恋――。その真相に筆者が迫ってみました。

「毒親育ちの会」とは?

――そもそも「毒親育ちの会」というのは、どのような会ですか?

「毒親育ちで苦しむ人たちが体験談を語ったり、励まし合ったり……自身の経験を話すことで癒しを得て、前向きに生きようという集まりです。

 私が参加した会は月イチで開催されていて、人数は20名くらいだったでしょうか。男性3割、女性7割ほど。

 独身の人もいれば、既婚者、子供を持つ方など様々でした。

 子供を持つ方は『自分も毒親になっていないか』などと、とても悩んでいましたね。私は独身ですが、これまで付き合った男性にDVを受けたり、理由も告げられずに別れさせられたりすることがあり、これも毒親育ちのせいかも……と悩むことが多く、思い切って参加しました」

教員の両親に支配的に育てられたC子さんの悩み

――具体的に、どのように進行されるのですか?

「参加者にはネームプレートが渡されます。本名を明かしたくない方が多いため、プレートにはニックネームやイニシアル、下の名前だけ書く方が多かったですね。私も『C子』と下の名前だけ書きました。

 最初に、主催者の女性(50代)が『自分も毒親育ちです。同じ悩みで苦しんでいる仲間同士、打ち解け合い、助け合い、前向きな人生になれば幸いです』などとの理念を話し、参加者はどのような毒親体験をしたかを2分程度で話します。

 私は一人っ子で、両親とも中学校の教員という家庭で……支配的に育てられました。

 勉強はトップ10に入らなければ父に殴られましたし、付き合う友達も親が決めるんです。『あの子の家は、片親だからダメ』とか……。

 その他、『TVは教育番組しか見るな』『ミニスカートはダメ』『添加物たっぷりのコンビニ食はダメ』『将来は安定した職につけ』――もう、毎日がピリピリしていました。

 両親は私の成績が下がると、いつも激しいケンカをして、父が母を殴ることもしょっちゅうでした。小さい頃から、『お前は出来が悪い』『こんなこともできないのか』と減点法で育てられ、自己肯定感が全くなくなりましたね……」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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