しっとり茹でる火入れがポイント
肉質はしっとりして、うま味がじゅわっと口に広がります。
「まず、火入れの仕方がポイントです。骨にまだ少し血が残るくらい、水から20分くらい茹でます。茹でたら、しっかり冷水で締めます」
噛むと、お肉がキュッとしているのが分かります。皮はぶよっとしていないし、身から剥がれない。いいバランスで脂身が残っています。薬味たっぷりの濃いめの醤油だれがまた日本酒によく合いますね~。
「上海の人はこうしたしっかりした味を好みます。夏は暑く冬は寒い気候なので、上海料理は甘辛く煮たものや、少しこってりした味付けが多いです」
中國飯店は、10店舗を展開する創業40年の歴史を持つ高級中国料理店です。倶楽湾店はフランス租界時代の上海をイメージしたお店で、料理長の胡さんは上海のグランドハイアットホテルから招かれました。
「上海の人は鶏料理が大好きで、家でもレストランでもよく鶏を食べます。鶏本来の味を楽しめる骨付きの丸ごとで茹でることが多いです」
家庭ではブロックでも構いませんが、肉のうま味が流れ出ないように、食べる直前にカットするのが鉄則です。
【材料】
・鶏もも肉ブロック 2枚600グラム
・万能ねぎ 2本
・しょうが 20グラム
・ごま油 大さじ1
・醤油 大さじ2
・砂糖 小さじ2
・水 1000㏄
【レシピ】
(1)鶏もも肉をきれいに洗い、水から茹でる。茹で時間は水が沸騰したら弱火にして20分。
(2)鶏を茹でている間に万能ねぎと、しょうがをみじん切りにする。
(3)茹でた鶏を取り出し、冷水でいったん締める。
(4)鶏を茹でたスープを大さじ2杯分取り出し、それにごま油、醤油、砂糖、みじん切りにしたしょうが、万能ねぎを入れて、たれを作る。
(5)茹でた鶏を適当な大きさに切って、たれと一緒に提供する。
本日のダンツマ達人…胡 建軍さん
▽胡 建軍(こ・けんぐん)
中国・上海出身。10年間、上海グランドハイアットの料理長を務め、2012年に中國飯店に入社。潮夢来店の料理長を経て、現在は倶楽湾店料理長。
▽中國飯店 倶楽湾(ちゅうごくはんてん くらわん)
中國飯店の倶楽湾店はフランス租界時代の上海をイメージした店。一流シェフを現地から招き、本場の上海料理を租界時代に思いを馳せながら食事ができる。中國飯店では初めてのパティシエ常駐の店。
東京都港区芝浦3-11-4
(日刊ゲンダイ2020年6月9日付記事を再編集)
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