「沖縄風バクダン」コーレーグースを一滴垂らすと沖縄の風

コクハク編集部
更新日:2022-10-15 06:00
投稿日:2022-10-15 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は沖縄・那覇の「大衆居酒屋みやらび」の神里正治さんに、「沖縄風バクダン」のレシピを教えていただきました。

おうち仕様なら「食材は3つ」でいいんです!

合う酒=泡盛、ビール(C)コクハク
合う酒=泡盛、ビール (C)コクハク

 バクダンは、納豆や山芋、オクラといったネバネバ食材を合わせた精力メニュー。居酒屋で注文すると、さらにマグロやたくあんなどがミックスされた豪華版で提供されます。

 しかし、豪華さを追求するより、手軽なおいしさを求めるなら、食材は3つでいいんです。

「オクラと山芋とモズクだけ。麺つゆとワサビがあれば、すぐにできますよー」

 写真の通り、涼しげで目に鮮やか。モズクに山芋とオクラを絡めて、麺つゆにつけてすすると、モズクそばを食べているようで、スルッと胃に収まります。オクラと山芋のシャキシャキ感も、食感のアクセントにいいですね。あれ、ひょっとして……。

「分かりました? 山芋は、千切りかすり下ろしが基本。そうではなく、これはあらく叩いているんです」

 飲みすぎた翌日にもピッタリ。弱った胃袋をシャキッとさせる、もう一工夫が沖縄そばにおなじみのアレです。神里さんがスッと差し出しました。

「コーレーグース(唐辛子を泡盛に漬けた調味料)を垂らしてもおいしいですよ」

 その一滴で、沖縄の風をグッと感じます。見慣れたバクダンが、一気に沖縄風に昇華しました。

【材料】

・オクラ 5本
・山芋 30グラム
・モズク 20グラム
・プチトマト 1個
・ワサビ 適量
・麺つゆ 適量

【レシピ】

(1)モズクは絹のように細いタイプではなく、沖縄の太いものを用意して、塩抜きする。

(2)オクラは塩を振り、板ずりして毛を取ってから、サッと茹で小口切りにする。

(3)皮を剥いた山芋は、棒などであらく叩く。「ビニール袋に入れて、叩いたり、潰したりすれば、手が汚れません」。大きさが不ぞろいなほど、食感のアクセントになる。

(4)1~3を器に盛りつけたら、彩りに4等分したプチトマトと適量のワサビを添える。

(5)市販の麺つゆを用意すれば出来上がり。

本日のダンツマ達人…神里正治さん

▽神里正治(かみざと・まさはる)
 東京の料理店で10年修業し、地元の那覇に戻り、安里の「くちがふう」で厨房に立つようになると、魚介の目利きのよさと丁寧な調理で人気店に。老朽化に伴う店舗の閉店で、みやらびへ。この道38年のベテランはどこまでも魚を愛する魚好き。

▽大衆居酒屋みやらび
 チャンプルーや魚介料理、時にはヒージャー(ヤギ)刺しなど素朴な沖縄料理がズラリ。その多くが500円前後で、常連客が夜な夜な集う。オーナーの女性と板前の大将の人柄がよく、地元の人にとっては大切なゆんたく(おしゃべり)の場所。

 沖縄県那覇市安里1-7-17

(日刊ゲンダイ2020年7月14日付記事を再編集)

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