ヨーグルトと酒粕で優しい味に「イワシの味噌粕漬け焼き」

コクハク編集部
更新日:2019-07-02 13:04
投稿日:2019-05-13 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学の居酒屋「件」の川辺輝明さんに、味噌の風味が香ばしい「イワシの味噌粕漬け焼き」のレシピを教えていただきました。

味の秘密はヨーグルトと酒粕

 イワシのような小さな魚を味噌漬けにすると、どうしても味が強くなりがちですが、これはなんともやさしい味わい。その秘密は、ヨーグルトと酒粕にあり。

「夏に子どもを連れて釣りに行ったとき、大量にアジやイシモチが釣れてどうしようかなと思っていたら、たまたま近くにいた釣り人が、“ヨーグルトを加えた漬け床で味噌漬けにすると、ゆっくり浸透していくので1週間は十分もつよ”と教えてくれたんです」

 さらには味噌と同量の酒粕を加えることで、よりマイルドにするのが川辺流。

 イワシは頭と内臓を取り除いてよく洗ったあと、鮮度を保つため、氷を入れた塩水に漬けて締めるのもおいしさの秘訣だそうです。

「まだ日にちが浅ければ味噌を軽く残したままで、4日目以降は味噌を完全に落として焼くといいですよ。酒は乳酸菌つながりで生酛のお燗をぜひ。杯も温めて召し上がってみてください」

 燗につけることで、きゅっと引き締まった風味が、焼き魚の香りとうま味を引き立てます。

 漬け床は2度まで使え、イワシのほか、サワラやブリの腹身、養殖のハマチなどもオススメだそうですよ。

【材料】

・イワシ   適量
・塩     適量
・漬け床(ヨーグルト400グラム、信州味噌白200グラム、酒粕200グラム、水適量/おろしショウガ20グラム、濃い口醤油大さじ1、みりん大さじ1)

【レシピ】

1. イワシは頭を落として内臓を出し、よく洗って5%程度の氷塩水に漬ける。漬け床の材料を合わせる。
2. 1の水分をよくふきとり、漬け床に漬ける。
3. 1~3日は味噌を軽く残して魚焼きグリルで焼き、それ以上漬けたものは味噌をしっかり落として焼く。

本日のダンツマ達人…川辺輝明さん

▽かわべ・てるあき
 1974年、東京都生まれ。高校卒業後、専門学校を経て、ワーキングホリデーなどで3年ほど海外へ。帰国後、数軒の飲食店で修業をし、三軒茶屋の日本酒居酒屋「赤鬼」から2004年に独立。学芸大学に「件」をオープン。

▼くだん
 東急東横線沿線では横浜に次いで飲食店が多いといわれる激戦区・学芸大学駅前で愛され続けて14年。こだわりの日本酒は定番が40種類で、酒蔵とのコラボによるプライベートブランドもあり。名物は天然素材のみでとったダシで炊いたおでん。
17~24時LO(日・祝23時LO)、月曜定休。
東京都目黒区鷹番3―7―4
東急東横線学芸大学駅から徒歩2分
℡03・3794・6007

(日刊ゲンダイ2018年4月28日付記事を再編集)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

フード 新着一覧


和と洋をミックス「牛肉とジャガイモのすき焼き風ミルク煮」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は兵庫県・加古川のビストロ「ビストロ・エピ」の宮崎...
まるでステーキ! 分厚さが魅力の「ポークのしょうが焼き」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・外苑前の「ごはんやパロル」の桜井莞子さんに...
白ワインに「モルタデッラとタレッジョのクロスティーニ」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・吉祥寺のイタリアン「パノラマ キッチン」の...
生クリームのコクが決め手「カニとブロッコリーのサラダ 」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は福岡市・大濠公園近くのフレンチ「TTOAHISU...
簡単だけど見た目は華やか「千枚漬け寿司」おもてなしにも
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・長堀橋「和旬 撫子」の卜部吉恵さんに、手軽...
つぶ貝をエスカルゴに見立てた「つぶ貝のガーリックバター」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の和食店「酒と肴 類」の菊岡正輝さん...
お酒にも合う「さば缶ごはん」 土鍋で炊くとさらに美味しい
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・築地の創作和食店「やまだや」の高山和慶さん...
「クリームチーズ醤油漬け」味噌漬けよりもシャープな風味に
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「がっしょ出雲」の野津宏太さん...
クミンシードが香る「干し芋の熱々スパイシークミンバター」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂の居酒屋「赤坂 まるしげ」の与那覇朝雄...
暑い日に食べたい「蒜泥黄瓜(キュウリのニンニク和え)」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・千歳烏山の台湾料理店「天天厨房」の謝天傑さ...
「モヤシのスパゲティ」お安いモヤシで作る簡単イタリアン
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・西大橋駅近くのイタリアン「トラットリアパッ...
「ちょっとタイム、車エビとこしょう」熱々をカリッとどうぞ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・有楽町のフランス料理店「Restauran...
あの里芋が大変身!シャキシャキ食感が新しい「里芋そば」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・赤坂「多に川」の阿部学さんに里芋の新しい魅...
「めんたいパスタ風うどん」めんたいこの程よい塩気がクセに
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・小岩の立ち飲み屋「カミナリ3ダー」の北岡圭...
「ヒラメの昆布締め」引き締まった身に昆布のうまみが染みる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は千葉県・流山市の老舗割烹「割烹柳家」の青柳宏幸さ...
簡単万能ソースで南仏の味を楽しむ「タコのマリネ香草風味」
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は大阪・豊中市のフレンチ「ビストロ・リッペ」の中尾...