#1 「したい側」がひとりで悩んで余計に傷つかないためにも

うかみ綾乃 小説家
更新日:2019-08-26 12:19
投稿日:2019-05-31 06:00

愛し合っていても平等に満足するのは難しい

 セックスレスについての悩みを伺うたびに思うのは、原因も解決策もカップルの数だけあるということ。

 日本性科学会の定義したところでは、セックスレスとは『特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシャル・コンタクトが一ヶ月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合』とされています。

 ですが、一方が一ヶ月ではなく、二週間に一度の性的スキンシップを望んでいれば、それが叶えられない状況は、本人にとってはセックスレスといえます。

 逆に、三ヶ月に一度で満たされていれば、当人にとってはセックスレスではありません。

 欲望の程度は人それぞれ。いくら愛し合っていても平等に満足し合うのは難しいことです。

 大切なのは、如何に双方が納得し合っているか。

 その納得の地点を得るためにも、セックスレスの問題が取り上げられることについては、良い時代になったと思います。

うかみ綾乃
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小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

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