膣内フローラって何? 繰り返す膣炎は悪玉菌が原因?(専門家監修)

コクハク編集部
更新日:2023-03-30 06:00
投稿日:2023-03-30 06:00

4. 膣トラブルには漢方もおすすめ

 膣内フローラの乱れなどで起きる膣トラブルには、漢方薬で内側からアプローチするのもおすすめです。

 漢方薬のなかには、「おりもの」「デリケートゾーンのかゆみ」などの症状に効果が認められているものもあり、婦人科で処方されています。

 膣トラブルには、

●泌尿・生殖器の炎症を鎮めかゆみを軽減する
●老廃物を排出してニオイを和らげる
●水分の循環をよくして膣に潤いを与える
●血流を改善して膣に栄養を与え、自浄力作用を回復させる
●ホルモンバランスを整える

 といった作用の生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指します。

 さまざまな症状に医薬品として効果が認められている漢方薬ですが、自然由来の生薬がからだにやさしく働くため、一般的に副作用が少ないといわれている点もメリットです。

 以下では、膣のトラブルに悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。

<膣のトラブルに悩む女性におすすめの漢方薬>

・竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう):比較的体力があり、下腹部に熱感や痛みがある方におすすめです。排尿痛、残尿感、尿の濁り、おりものの治療に用いられます。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え性で疲れやすく、貧血傾向のある方におすすめです。血流を改善したりホルモンバランスを整えたりして膣トラブルにアプローチします。

・八味地黄丸(はちみじおうがん):疲れやすく、手足が冷えやすく口が渇く方におすすめです。加齢により衰えた腎の働きを補うことで、老人性膣炎が改善したとの報告もあります。

 漢方薬では、からだのバランスそのものに働きかけ、症状を軽減することを期待します。バランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という方も、漢方薬なら症状や体質に合ったものを毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。

 ただし、漢方薬は自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合、効果が出ないだけでなく、副作用が起きることもあります。

 購入時には、できる限り漢方に精通した医師、薬剤師にご相談ください。

 また、スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能です。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

5. 膣内フローラを整えて膣炎を防ごう!

「まさか洗いすぎもよくないなんて……。それに、腸と膣の細菌が関係しているなんてびっくりしました」

 恵美さんは驚いた表情でえりのボスの話を聞いていました。

「清潔にすることはもちろん必要だから、これからは洗い方に注意してみてほしいわ。あとは、腸と膣の細菌が関係しているように、膣内フローラだけに注目するのではなく、からだ全体を健康にしていく意識も大切ね」

「わかりました。今日からは健康なからだを目指しつつ、膣内フローラを整える生活を意識してみようと思います!」

 恵美さんはやる気いっぱいに答えました。

「ええ、また気になることがあったら、サロンへいらっしゃい」

 明るい表情でサロンを去っていく恵美さんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

 あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

YouTube「Medical Health CH」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


帰省中にも♡ 義母とのコミュニケーションに役立つコスメ3選
 年末年始は、義母と顔を合わせる機会が増える女性も少なくありませんよね。夫の実家との距離感にかかわらず、義母と過ごす時間...
鍋や包丁は不要♪ もやし効果を活かす時短ダイエットレシピ
 お手頃価格で手に入れやすい「もやし」。シャキシャキとした歯ごたえでカロリーも少なめという魅力的な食材ですが、そのまま食...
出合えてよかった!コロナ禍に美容家が重宝した時短美容品3選
 2020年は、“コロナ禍”という特殊なシチュエーションだっただけに「この美容アイテムに、出合えてよかった!」も、例年と...
イマイチ眉になってない? 残念なポイント&正しい描き方♡
 眉毛って、実は結構見られていることを知っていますか? しかし、それにも関わらず、肌やアイメイクには力を入れても眉毛は手...
美容代にお金かけすぎ!? 一番にお金をかけるべきもの7選
 あなたは、美容にどのくらいお金をかけていますか? エステ、スキンケア、ヘアケア、コスメ、美容家電など、挙げ始めたらキリ...
“水は1日2リットル”って本当? 効果や正しい飲み方を紹介
 よく「水は1日に2リットル飲むと健康に良い」と、言われますよね。実際に、美意識の高い女性は毎日量に気をつけて、水分補給...
プチギフトに入浴剤のススメ!至福の癒しバスタイムを贈ろう
 年末年始はお世話になったあの人に、プチギフトで感謝の気持ちを伝えたい! でもこのご時世、会う機会がなくなって渡しそびれ...
一重の人必見♡“デカ目メイク”のポイント&似合うカラー
 日本人では珍しくない「一重まぶた」は、クールでミステリアスな印象が素敵です。でも、やっぱり「クールもいいけど大きなぱっ...
デートで男性ウケが悪いNGコーデって?5つの特徴と注意点
 大好きな彼とのデート、女性なら誰もがコーデに気合いが入りますよね。しかし、どんなに頑張っても、男性ウケが悪いコーデだと...
美容家が太鼓判!ベタつきを感じないハンドクリーム3選
 感染症対策の手洗いやアルコール消毒を徹底することが影響し、例年よりも手荒れにまつわるお悩みが数多く聞こえてきます。ハン...
この“太眉”ダサい?失敗例&理想の眉毛の描き方3つのコツ
 細眉ブームが過ぎ去って、世の中はすっかり太眉ムードに! でも、ちょっと待って。その太眉、もしかしてダサく見られているか...
まつ毛を伸ばしたい!抜ける原因&健康なまつ毛を目指す方法
「まつ毛を伸ばしたい!」と思っている女性は多いですよね。濃くて長いまつ毛のほうが、目元が大きく見えますし、第一印象にも大...
BBクリームとファンデーションの違いは? 賢い併用方法♪
 BBクリームといえば、なんとなく「いろいろな機能が一つになった便利なファンデーション」と思っている人が多いでしょう。で...
“痛いメイク”になってない? 大人女子メイクのポイント♡
「うわ〜コレは痛いわ〜……」という、女子会ぶっちゃけトーク。アラサー・アラフォー女子は、メイクというパーソナルなことです...
大人の質感♡ ヌーディーメイクをキレイに仕上げる8つのコツ
 肌本来の美しさを引き出す「ヌーディーメイク」は、大人でセクシーな雰囲気が作れるメイクとして注目されています。「肌に自信...
本当は男ウケが悪いメイク5選&愛されモテメイクポイント♡
 時代の流れによって常に変わっていく、女性のメイク。オルチャンメイク、メンヘラメイクなど、流行りのメイクに挑戦してみたこ...