強硬フェラ!人妻探偵「壊し屋」の相手は湘南のイクメン #2

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-03-24 11:05
投稿日:2023-03-17 06:00

最初からセクシーな会話で

――尾行ひとつとってもかなり大変なんですね。続けてください。

「翌日の夕方、私はチャットルームでXさんと会話しました。

――Xさんの勃起の写真を見ながらオナニーしちゃった♡

 最初からセクシーな会話で責めました。彼の容貌と奥さんや息子さんを知ったからこそ、逆に燃えてきたのかも。あ、性格悪いですね私(笑)。

 そんな言葉に、彼もノッてきました。

――T子はエッチだな。

――エッチにさせたのは誰?

――俺……かな。

――早く逢いたいな♡

――逢ったら、ただじゃ帰さないよ。T子のマンコを突きまわしてやる。

自宅近くの密会は断られたけれど

 あの『子煩悩なパパ』からは想像できない欲望むき出しの言葉が綴られてきました。

――濡れてきちゃう。焦らさないで。

――どこで逢おうか。

――湘南はどう? 海の見えるホテルなんてロマンティック♡

 私はあえて彼の自宅付近をデート場所に告げてみました。

 ちょっとしたいたずら心です。

――万が一、知り合いに会った時に困るから、湘南は無理だな……。

 案の定、拒否の返答がきました。

――じゃあ、横浜はどう? 素敵なレストランバーがあるの。

 私は横浜駅から徒歩圏内にある店を提案しました。近くには数軒のラブホテルがあります。実は風俗嬢をしていた時、常連客と店を通さずに会う『裏引き』をして、お小遣いを稼いでいた時期があったんです。

 横浜駅周辺のラブホテルには詳しいうえに、おおよその内装も分かるので、彼がシャワーを浴びている際、カメラ2台を設置する場所、ICレコーダーを仕込む場所も、手際よくできる自信がありました。

――よし、そこにしよう。

 横浜なら大丈夫と、彼も私に会うことをOKしてくれました。

勝負は金曜日

 A社長にそのことを告げると、5日以内に会うことを命じられました。Xさんとチャットルームで再びやり取りをし、金曜日の夜7時に横浜駅近くのレストランバーに向かいました。

『白金台のセレブな人妻』という設定ですから、ボブヘアを緩く巻いて、胸の部分が深くV字にデザインされたプリントワンピースという出で立ちです。

 ランジェリーは高級感あるブラックレース。胸の谷間を意識したファッションです。トートバッグは側面が細工され、カメラが仕込まれています。

 そのほかにももう一台の小型カメラ、そしてICレコーダーも持ち、ザーメン入りのコンドームの要望もあったため、コンドームを1箱買っていきました。

(久しぶりにセックスするんだわ……しかも任務で)

 風俗嬢時代とは違う意味で、緊張していましたね。

 失敗は許されない。しっかりセックス動画を撮って音声も残す。その上ザーメン入りコンドームも持ち帰らねばなりません。A社長にも手柄を見せたいし、何よりもこれからXさんとセックスするという事実に体が昂揚していました。

 あ、『依頼人やA社長に裸を見られて大丈夫?』と心配されるかもしれませんが、私は全然平気です(笑)。

 7時ちょうどにレストランのドアを開けると、カウンターに座ったラフなジャケット姿の男性が席を立ちました。

思わず任務を忘れそうになったけど

――T子さんですよね? 初めまして、Xです。想像以上に奇麗な方だ。

 尾行した際に見た『夫や父』の彼とは違う『ひとりの男』になったXさんが、やや緊張した面持ちで笑みを向けてきました。

――初めまして、T子です。やっと逢えましたね。

 私は彼の手を握り、カウンターの隣の席に腰をおろしました。デザイン系の社員らしく、ノーネクタイにラフなジャケットで細身のパンツ姿が、とてもオシャレ。

 最初はグラスワインで乾杯し、適当におつまみをオーダーしました。あまり酔ってはダメ……と思いつつも、彼は意外にも話し上手で、どんどんお酒が進みます。ボディタッチも心地よく、思わず任務を忘れてしまいそうになるほど」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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