壊し屋任務で久々の悦楽セックス、忘れかけた重大任務!#4

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-04-07 17:55
投稿日:2023-03-31 06:00

これまでのあらすじ

 夫の単身赴任に伴い、スーパーの店員から探偵として働くことになったT子さん(38歳探偵/子供なし)。雪国の生まれの彼女は、透き通るような白い肌と大きな瞳、サラサラのボブヘアが似合うクール美女だ。

 探偵事務所の面接の際、T子さんは、社長であるA氏(推定50歳前後)にトキめいてしまったという。「筋肉質なチョイ悪オヤジ系」の彼は、T子さんのタイプだった。

 そんな緊張など見せず、堂々と面接に挑んだ彼女に、A社長は「肝が据わっていて気に入った」と、その場で合格。

 A社長に認められようと、与えられた任務をこなす日々が続いた。探偵事務所では、浮気調査、元交際相手の動向、片思いの相手の自宅を突き止めるなどの依頼のほか、離婚したい夫(妻)に対して工作員を送り込んで浮気させる「壊し屋」などの依頼もあるという。

「壊し屋」は映画の世界だけではなく、実際、行われているのだ。

ついに壊し屋の依頼が

 そんな時、A社長から「対象者の男性と寝ることは可能かな?」とのLINEが入る。ついに壊し屋の仕事がきた――ドキドキしつつも、「やります」と、彼女は果敢に立ち向かった。

 実はT子さん、20代は吉原と池袋でソープ嬢として働いた過去があったのだ(単身赴任中の夫には内緒にしている)。「対象者と寝る」行為に多少の抵抗はあったものの、キャリアを活かせることへの高揚感も抱いた。

 T子さんがベッドを共にする対象者は、品川の会社に勤めるXさん(45歳デザイン会社/既婚・子供アリ)だ。

 A社長からは、X氏とのセックスするほかに、以下の任務を命じられた。

 1. セックスの動画撮影をすること。撮影は2台の定点カメラで2方向から撮り、可能なら、スマホでも動画撮影をすること。
 2. ICレコーダーで行為中の声も録音すること。
 3. X氏のザーメン入りのコンドームを持ち帰ること。

 依頼人は教えてくれない。それどころか、探偵同士、工作員同士が顔を合わせないようにするのがA社長のやり方だった。T子さんは素直に従った。

 Xさんとセックスする前段階として、ほかの社員がT子さんに成りすまし、すでにマッチングアプリのチャットルームで、甘いやり取りがなされているという。

――Xさんは、湘南にお住まいなんですね。海の近くって憧れます♥

――T子ちゃんも白金台だなんて、セレブな人妻じゃないか。旦那さん、お金持ちなんだね。

 どうやら、T子さんは「白金台のセレブな人妻」という設定のようだ。甘い会話のあと、「T子さんの成りすまし」は、乳房の画像を送っていた。

 驚くT子さんだったが、そこは肝が据わった彼女。「いいセンいってるわ」と丸々とした乳房の画像を見ながらほくそ笑む。T子さん自身Eカップで、形のいいバストだとよく褒められたという。

 そして、Xさんの「ヤバイ、勃起してきた」との返答に、「Xさんのオチンチンの画像も送って」とおねだりする成りすましの要望に、最初こそためらっていた彼も、最終的には勃起画像を送ってくる流れに。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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