絶対買い!アルパカワインがお宝な件、ガチで権威あるコンクールで金賞

市野瀬瞳 フリーアナウンサー
更新日:2023-10-18 06:00
投稿日:2023-10-18 06:00

物議を醸した“まずい”評の1本400円ワインが金賞受賞

 先月、ワインの国際コンクール「ジルベール&ガイヤールインターナショナルチャレンジ」(※)にて“まずい”と言われるワイン(現地の販売価格は日本円で約400円!)が金賞を受賞してしまったことで物議を醸しました。

 これはベルギーの公共放送局が「お金稼ぎだけを目的にしたワインコンクールもある」という噂を検証するために、有名ソムリエたちが口を揃えて「まずい」と酷評した約400円のワインのエチケットを、いかにもおいしそうで高級っぽい架空の銘柄に張り替え、国際コンクールに出品したところ、まさかの「金賞」に輝いてしまったと。なんてこと……。

 これでは、名誉ある国際コンクールで金賞を受賞した素晴らしいワインもあるのに、その信憑性さえ疑われてしまうじゃないですか!(怒)

 ってことで今回は、金賞ワインの真の実力を知っていただきたい!!


(※)「ジルベール&ガイヤールインターナショナルチャレンジ」とは…仏のワイン専門ガイド誌が主催するコンテスト。ライターや専門家などプロのテイスターにより審査

信用できるワインコンクールはあるの?

 ワインコンクールは世界で30ほどあると言われていますが、全てが信頼できるコンクールとは限りません。

 日本で開催されている、とあるワインコンクールはワインを熟知していなくて資格もない人たちが自らの嗜好だけで選び、テーブル内の多数決で金賞を決めてしまうコンクールもあるんですよ……(苦笑)。

 では、信用できるコンクールは?

 インターナショナル・ワイン・チャレンジ(以下IWC)と、デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード(以下DWWA)。世界で最も金賞をとるのが難しいと言われる2トップです!

 特に2004年から毎年、英ロンドンで開催されるDWWAは、2014年には出品数でIWCを超え、「世界最大のワインコンクール」とも報道されている、影響力も大きなコンクール。

 世界ソムリエコンクールの優勝者やマスター・オブ・ワインなど世界中のトップワイン専門家が厳格な審査プロセスで何段階にも分けて厳正にジャッジするため、国際的にも非常に信憑性が高いんです。

 そんな世界で最も名誉あるコンクールで金賞を受賞してきたワインは、世界中のワインラバーを虜にするものばかり。数万円する有名高級ワインも多い中、私たちのすこぶる身近なところに、DWWAが実力を認める「お宝」が存在していたんです!(驚)

お馴染みのデイリーワイン「アルパカシリーズ」

 スーパーやコンビニでよく見る、アルパカの絵が目印のチリワイン「アルパカシリーズ」です!!

 これまで十何本も普段飲みしていた激安デイリーワインなのに、まさかそんなわけ……と目を疑った私は、輸入者及び取引先のアサヒビール本社に問い合わせてみました!(笑)

 するとどうでしょう。今年開催されたDWWA2023で間違いなく金賞を受賞していたんです!!(驚きと嬉しさで何度も「まじか!」と声を出し、ワインの師匠にもわざわざ報告してしまったほど・笑)

 DWWA2023金賞受賞の1本は『サンタ・ヘレナ アルパカ シラー2022』(税込500円)。私はネットで購入しました。

とってもフルーティーなフルボディ

 グラスに注ぐと、2022年の収穫を思わせる若い色調の濃い紫色(ワインの縁は熟成するにつれ、紫からオレンジ色へと変化していきます)。そして、ブラックチェリーやブラックベリーなどの黒系果実や黒コショウといったシラー種の特徴をしっかり反映したスパイシーな香り。

 味わいは、豊かなタンニン(渋み)と果実の凝縮感がありつつ、爽やかさも兼ね備えた、とってもフルーティーな印象のフルボディです。

 ちなみにDWWA2023での審査員のテイスティングコメントは、「香り高く、スミレ・ミント・ペッパーなどのフレッシュなアロマのニュアンス。甘草とフレッシュフルーツの香りの素敵なフローラルリフト。柔らかく寛大な味わい」。95点を獲得しています。

世界に誇れる金賞の味

 とても馴染みのある若々しい味わいで、すぅ~っと舌をつたって喉をやさしく通っていく果実の甘みと酸味、そしてタンニンのバランスが絶妙です。

 肉料理全般はもちろんのこと、肉じゃがなど醤油を使った家庭料理にもそっと寄り添ってくれそうな万能赤ワイン。

 まさかの500円で堪能できる、世界に誇れる金賞の味、月を見ながら秋の夜長にいかがですか♪

 ※本文内のワイン価格等は著者購入時のデータとなります。

市野瀬瞳
記事一覧
フリーアナウンサー
1984年12月25日新潟県生まれ。横浜国立大学在学中、女子大生リポーターとしてテレビデビュー。大学卒業後、NST新潟総合テレビの局アナになり、2012年に中京テレビに移籍。2020年にフリーアナウンサーになる。ラジオのレギュラー出演をはじめ、2021年には日本テレビ「踊る!さんま御殿!」に出演し話題となった。

2021年10月にJ.S.A.認定ワインエキスパートの資格を取得。2022年7月にはワイン国際資格であるWSET(Wine & Spirit Education Trust)Level 3に合格。2021年11月、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定の「唎酒師」、2022年10月、ドイツワインケナー、日本酒と焼酎の知識に特化した「J.S.A.認定SAKE DIPLOMA」、2023年1月に「NAPA VALLEY WINE EXPERT」、2023年2月「J.S.A.ワイン検定認定講師」、2023年4月「日本ワインアドバイザー」を取得。

現在、東海ラジオ「Saturday Flavor」、MBSラジオ「クリス松村のザ・ヒットスタジオ」のレギュラー、テレビCM「みどり法務事務所」に出演中。

XInstagramYouTubeオフィシャルブログ事務所HP

関連キーワード

フード 新着一覧


誰が作っても失敗しない!「棒々鶏」は簡単&作り置き向き
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・代官山の煮込みダイニング「Choi.S」の...
「豆腐と玉ねぎのからし和え」自家製からしドレッシングで
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・浅草の和食店「おにくのおすし 浅草店」の南...
「厚切りベーコンの酒粕漬け」あぶった香りだけでも飲める!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・月島の立ち飲みの割烹料理店「さかづき」の坂...
「マカポテサラダ」銀座の女性への心配りが込められた一品
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の和食とワインのお店「時喰み」の佐々木...
天日干しで甘さを引き出す「大根の醤油漬け」のひと手間
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・幡ケ谷にある「餃子の店 您好」の野坂由郎さ...
「チーズのカリカリ焼き」じっくり弱火でチーズを焼くだけ
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・渋谷にある「小料理 百けん」の松﨑友江さん...
「ウナギと卵のオープンサンド」ふわとろでボリューム満点!
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・水天宮のワイン酒場「富士屋本店 日本橋浜町...
これは反則ワザ!「ウニじゃがバター」でねっとり感を堪能
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座のダイニングバー「麦酒屋るぷりん」の海...
【豆苗まるごと豚バラ鍋】ごま油はひと工夫で香味アップ!
 鍋のシーズン真っ盛り。市販の鍋スープもいいですが、いつも同じ味でちょっと飽きたなぁというときにおすすめの鍋を紹介します...
ぐっち夫婦 2020-02-13 15:20 フード
「キウイのカツレツ」キウイの“皮”が食感のアクセントになる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・学芸大学のフレンチレストラン「トキヤ」の飯...
「ニンジンとレーズンのクミン風味」シンプルな素材と香り
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・白銀高輪の中華料理店「蓮香」の小山内耕也さ...
「ミニトマトのナムル」漬けダレがトマトの甘味を引き立てる
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・谷中の焼肉店「焼肉 炭聖」の許聖周さんに、...
スイーツ系おつまみ「黒豆クリームチーズ」で正月の箸休め
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は北海道・札幌の居酒屋「さかなとお酒 うぉんたな」...
「とこぶしの唐揚げ」間接的に火を入れてうま味を逃がさない
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の土佐料理店「トサ ダイニング おきゃ...
「大人のオムライス」鶏肉の中に焼き飯をたっぷり詰めて
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は広島市・鷹野橋駅の鉄板料理店「こぱん亭」の鬼頭典...
「アミエビキムチ」うま味を引き出すのはひとつまみの砂糖
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・銀座の割烹「銀座魚勝」の柳橋克彦さんに、和...